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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科69巻13号

2015年12月発行

特集 知っておきたい腎移植の最新情報—基礎から臨床まで

Ⅱ.ドナー腎採取術

脳死下臓器提供における腎採取術の実際

著者: 中川由紀1 齋藤和英1 田崎正行1 冨田善彦1

所属機関: 1新潟大学大学院医歯学総合研究科腎泌尿器病態学分野

ページ範囲:P.1110 - P.1116

文献概要

要旨 近年,2010年7月に改正臓器移植法が施行されてから脳死下多臓器提供症例は増加している。心停止下の腎臓単独での摘出とは異なり,多臓器摘出専門チームと協力して腎臓を摘出するため,腹部内臓全般の解剖学的知識,肝臓,膵臓,小腸の摘出術式にも精通している必要性がある。本稿では,これらを踏まえた脳死下腎摘出術について,実際の現場での手順について述べる。また,脳死下献腎移植は,心停止下献腎移植と比べて温阻血時間(warm ischemic time:WIT)や総阻血時間(total ischemic time:TIT)が短いため提供腎の状態もよく,生体腎移植に比べても遜色ない成績である。しかし,その一方でgraft lossの要因にDWFG(death with functioning graft)も少なくない。東日本の脳死下献腎移植のデータから献腎移植の問題点について検討し概説する。

参考文献

1)日本移植学会:腎臓,臓器移植ファクトブック2014.http://www.asas.or.jp/jst/pdf/factbook/factbook2014.pdf
2)日本臓器移植ネットワーク http://www.jotnw.or.jp/datafile/index.html
3)日本移植学会:臓器採取マニュアル.http://www.asas.or.jp/jst/topics/20110930.html
4)日本臨床腎移植学会:腎移植臨床登録集計報告2013.移植48:346-361,2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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