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雑誌目次

雑誌文献

臨床泌尿器科69巻2号

2015年02月発行

雑誌目次

特集 小児泌尿器科内視鏡手術“最前線”—適応とコツ

企画にあたって

著者: 小島祥敬

ページ範囲:P.113 - P.113

 私が泌尿器科医になった当時,最も感動した手術のひとつは,膀胱尿管逆流に対する(経尿道的)内視鏡的注入療法でした。小さなお子さんに傷を作らずに手術をするという術式が,研修医の私にとっては魔法のような手術でした。ご両親が喜んで帰られる姿を見て,画期的な手術だと思いました。しかしながら,当時学会では,小児に対する手術は開放手術で行うべきであるとの意見が主流で,内視鏡手術は受け入れられ難い時代でした。しかし20年の月日がたち,現在では内視鏡的注入療法は膀胱尿管逆流に対して多くの施設で行われるようになりました。そして今や時代とともに,診断から治療,尿路疾患から性腺疾患,摘除術から形成術,経尿道的手術から腹腔鏡手術や気膀胱手術,そして単孔式腹腔鏡手術やロボット支援手術と,小児泌尿器科領域において幅広く内視鏡の技術が応用されています。

 小児内視鏡手術の利点は,傷が小さい(ない)ことや,術後疼痛が少なく回復期間が短いことです。例えば小児腹腔鏡手術の場合,形成術はもちろんのこと,摘除術でも成人に比べて摘出臓器が小さいため創の拡張が不要であり,さらに臍を有効に使うことにより審美性に優れます。また開放手術では,執刀医以外は小児の狭い術野の観察が困難もしくは不十分であるのに対して,内視鏡手術では,複数の医師(指導医・執刀医・研修医・麻酔医)・看護師・学生がモニターを通して同一の視野を共有できます。手術記録をビデオに録画・保存することにより,技術の向上が期待できます。そして学生や研修医の教育のみならず,小児泌尿器科疾患という特殊な疾患を専門としようとする,次世代を担う若い医師の育成に適していると思います。一方,小児内視鏡手術は低侵襲といえども万能手術ではなく,成人と異なり開放手術を必ずしも凌駕するとは言い切れません。特に腹腔鏡手術は,手術難易度が高いことから手術時間も長く,技術習得には十分な教育システムが必要とされます。また長期成績についても今後の結果が待たれるところです。さらなる医療機器開発の進歩も期待されます。

Ⅰ.内視鏡手術

膀胱尿管逆流に対する内視鏡的注入療法

著者: 宮北英司

ページ範囲:P.114 - P.118

要旨 内視鏡的膀胱尿管逆流防止術は,ペーストを尿管口注入により逆流防止するものである。膀胱尿管逆流はgrade Ⅱ〜Ⅴで各々15%,60%,21.3%,33.7%であった。原則的に日帰り手術で,1回の注入で逆流が消失したものはテフロン,コラーゲン,ヒアルロン酸製剤を用いた成績で各々85.2%,77.0%,79%であった。2回目の注入を追加した結果では,各々92.5%,83.6%,87%であった。逆流が消失しなかったもののうち5例が観血的防止術(Cohen法)に移行した。内視鏡的膀胱尿管逆流防止術は約90%の成功率からその治療の一次選択肢になり得ると考えられ,日帰り手術として安全に行える手技といえる。

後部尿道弁と経尿道的内視鏡切開術

著者: 中井秀郎 ,   中村繁 ,   川合志奈 ,   久保太郎 ,   日向泰樹

ページ範囲:P.119 - P.127

要旨 後部尿道弁は,周産期から学童期まで,広汎な年齢の小児において,腎不全,腎形成不全,腎瘢痕,尿路感染,水腎水尿管症,VUR,排尿機能障害,尿失禁という,きわめて多彩な病態を呈する,小児泌尿器科学に最も特徴的な,かつ臨床的に重要な先天性疾患である。古くからよく知られている一方,内視鏡診断基準や経尿道的切開術について,総論的事項はともかくも各論的な事項についての標準化が不十分で,施設ごとにそれぞれ伝承された方法が行われているのが実情である。専門医の間にも,疾患概念の基本的認識の差が存在することが原因と思われ,これを正すために,自験例の臨床経験と文献情報を合わせて,最新情報をレビューした。

Ⅱ.尿路疾患に対する腹腔鏡下手術

腹腔鏡下腎尿管摘除術—尿管異所開口を伴う低形成腎について

著者: 矢内俊裕 ,   川上肇

ページ範囲:P.128 - P.134

要旨 小児における腹腔鏡下腎尿管摘除術は特に尿失禁を主訴とする単一尿管異所開口を伴う低形成腎がよい適応である。女児ではほとんどが腟に異所開口しているので,腟鏡下で尿管カテーテルを異所開口尿管に留置しておくと術中に尿管確認の指標となる。患側が右側の場合,左半側臥位で(骨盤腎の場合には仰臥位で),5mmポート3本で施行する。右結腸を脱転しGerota筋膜内の低形成腎を同定後,尿管を尾側に剝離する(骨盤腎の場合には患側尿管を覆う後腹膜を切開して尿管を頭側へ剝離する)。拇指頭大ほどの腎の周囲を剝離し,腎門部の腎動静脈をクリッピング後に切離(細い場合には超音波凝固切開装置で切離)する。尿管の遠位側は可及的に剝離してエンドループで結紮後に切離し,検体は臍部創を拡げて引き出す。

後腹膜鏡下上位腎摘出術

著者: 古賀寛之 ,   山高篤行

ページ範囲:P.136 - P.140

要旨 後腹膜鏡手術は腹腔内での手術操作を行わないために,腹腔鏡手術と比し,腸管を直接操作することがなく,術後麻痺性・癒着性イレウスのリスクを伴わない大きな利点があると考えられている。しかしながら,後腹膜腔の確保の難しさ,きわめて限定された術野などの問題により困難を伴う場合があり,腹腔鏡手術と比して難易度の高い手術手技である。本稿では後腹膜鏡下上位腎摘出手術について概説する。

腹腔鏡下腎盂形成術

著者: 羽賀宣博 ,   佐藤雄一 ,   胡口智之 ,   秦淳也 ,   矢部通弘 ,   赤井畑秀則 ,   相川健 ,   小島祥敬

ページ範囲:P.142 - P.149

要旨 腎盂尿管移行部通過障害(UPJO)に対する腹腔鏡下腎盂形成術は,低侵襲治療が求められる中,標準術式としての地位を確立した。体腔内縫合を必要とする本術式は,難易度が高く,技術習得にはある一定期間を要する。本術式は,各施設において,さまざまな工夫を凝らしながら遂行していると考えられる。本稿では,実際に当科で行っている手術術式を報告する。

膀胱尿管逆流に対する腹腔鏡下逆流防止術(膀胱内操作)

著者: 宋成浩

ページ範囲:P.150 - P.155

要旨 気膀胱下での膀胱内手術による尿管新吻合術は,原理的に開腹手術と同様の粘膜下トンネルを作成可能であり,高度な逆流症や重複尿管にも応用可能である。さらに開腹手術と比較して,術創が小さく術後の疼痛は明らかに軽い。現在広く行われているCohen法と,Politano-Leadbetter法による膀胱内手術での尿管新吻合術について,術式のコツについて図を交えて説明する。

膀胱尿管逆流に対する腹腔鏡下逆流防止術(膀胱外アプローチ)

著者: 黒川覚史 ,   林祐太郎

ページ範囲:P.156 - P.160

要旨 膀胱尿管逆流(vesicoureteral reflux:VUR)に対する手術療法として,膀胱内アプローチによるCohen法やPolitano-Leadbetter法,膀胱外アプローチによるLich-Gregoir法が一般的である。膀胱外アプローチによる腹腔鏡下逆流防止術は,術後の血尿や膀胱刺激症状が少ないというメリットがある。さらに,経腹膜的に膀胱尿管移行部へ到達するため,他疾患で経腹膜的な腹腔鏡手術に慣れた者にとっては手術導入しやすいというメリットもある。

 本稿では,Lich-Gregoir法に基づいた膀胱外アプローチによる腹腔鏡下逆流防止術について,われわれが行っている方法を述べる。

腹腔鏡下膀胱拡大術—臍単孔式プラス5mmポート1本

著者: 坂本亘 ,   西原千香子 ,   仁田有次郎

ページ範囲:P.162 - P.168

要旨 5mmポート1本を追加した臍からの単孔式腹腔鏡下回腸利用膀胱拡大術を概説する。臍底部に2.5cmの切開を置き,単孔用アクセスポートを留置する。腹腔鏡下に,臍切開層から必要な回腸を体外へ引き出し,体外で遊離回腸を作成,遊離回腸の内腔洗浄後,脱管腔し,U字型に縫合する。遊離回腸を体内に戻し,再び腹腔鏡に戻り,腹腔鏡下に膀胱を大きく冠状切開し,遊離回腸と切開膀胱壁を縫合する。本法の創部は最小限度に小さくまた目立たず,そのうえ,腸管の処理が体外で行えるメリットは大きいと考えられる。

Ⅲ.性腺疾患に対する腹腔鏡下手術

非触知精巣症例に対する腹腔鏡下手術—ストラテジーと手術手技

著者: 内藤泰行 ,   山田恭弘 ,   藤原敦子 ,   沖原宏治 ,   三木恒治 ,   河内明宏

ページ範囲:P.169 - P.173

要旨 非触知精巣症例に対して腹腔鏡検査を施行し,精巣無発生と判断されれば検査を終了する。腹腔内精巣で低位であれば引き続き腹腔鏡下精巣固定術を,高位であれば二期的Fowler-Stephens法を選択している。腹腔内に精巣が確認されず,内鼠径輪に向かって精管と貧弱な精巣血管が走行する場合には,鼠径部や外性器部に切開を加えることなく,腹腔側から鼠径管内を検索し,遺残精巣(testicular nubbin)を摘出する。今回,非触知精巣に対する腹腔鏡下手術について,広く行われている手技を紹介するとともに,1992年より当科で独自に立てたストラテジーに従い施行してきた腹腔鏡下遺残精巣摘除術についても紹介する。

性分化疾患に対する腹腔鏡下手術

著者: 山崎雄一郎

ページ範囲:P.174 - P.178

要旨 性分化疾患診療において腹腔鏡検査を含めた腹腔鏡手術手技が役割を増している。現在の腹腔鏡の第一の役割は,性腺および内性器を確認する診断的腹腔鏡であり,卵精巣性性分化疾患でとりわけ有用である。腹腔鏡検査により詳細な形態的情報が得られると同時に生検診断が可能となる。第二の役割は性腺および内性器の摘出を行う治療的腹腔鏡である。性腺の摘出は決定された性に適合しない性腺を除去することで,不要な性ホルモンの産生を思春期以降抑制するとともに,Y染色体を持つ性腺異形成症例での性腺の悪性化予防を目的とする。

小児精索静脈瘤に対する腹腔鏡下手術(単孔式手術)

著者: 多田実 ,   佐藤亜耶 ,   堀祐太郎 ,   船越大吾 ,   川嶋寛 ,   内田広夫

ページ範囲:P.179 - P.185

要旨 最新の小児に対する単孔式腹腔鏡下リンパ管温存精巣動静脈切離術について適応,方法,成績を呈示した。手術適応はgrade Ⅱ以上であり,臨床症状(疼痛,不快感など)を有する例である。手術方法はGelPoint,直角鉗子,インジゴカルミン,VSSを用いて臍からの単孔式手術としている。手術成績は全例で静脈瘤再発なく,臨床症状は消失した。リンパ管温存していない場合の陰囊水腫出現率は16〜30%であったが,最近の2例はリンパ管温存術式を施行した。術後の精巣萎縮消失はなく,catch up growthを36%に認めた。今後は顕微鏡手術と同様に精巣動脈,リンパ管を温存し,精巣静脈を細静脈のレベルまで区別切離可能な腹腔鏡下手術手技の獲得を目指していきたい。

Ⅳ.最新治療

小児に対する泌尿器科単孔式腹腔鏡手術

著者: 上仁数義 ,   小林憲市 ,   河内明宏 ,   内藤泰行

ページ範囲:P.186 - P.191

要旨 腎盂尿管移行部狭窄症,精索静脈瘤,非触知停留精巣,異所性尿管,性分化疾患の5つの異なる小児泌尿器科疾患に対して,7つの異なる単孔式腹腔鏡手術(laparoendoscopic single-site surgery:LESS)を小児に施行した。LESSは,臍ポートに5mm軟性腹腔鏡,5mm屈曲鉗子,エナジーデバイスを挿入し,必要に応じて,アシスト用の2〜5mmのポートを追加した。全症例で術後経過は良好で,合併症は認めず,輸血を要した症例や,開放手術や腹腔鏡下手術への移行例はなかった。全症例で整容性はきわめて優れていた。LESSが開放手術,腹腔鏡下手術と成績が同等であれば,美容面でLESSが最も優れていると考えられた。

小児に対するロボット支援手術

著者: 水野健太郎 ,   戸澤啓一 ,   林祐太郎

ページ範囲:P.192 - P.199

要旨 高解像度の3D画像・関節機能を持つ自由度の高い鉗子・モーションスケールによる微細な操作など,ロボット支援手術は腹腔鏡手術にない特性を持つ。小児泌尿器科領域では精密な操作が要求される再建手術が多いため,欧米を中心として小児に対するロボット支援手術が広く行われるようになってきている。本稿では,われわれが行っているロボット支援腎盂形成術・逆流防止術の実際や,他の術式について概説する。

知っていると役立つ泌尿器病理・35

症例:80代・男性

著者: 清水道生 ,   村田晋一

ページ範囲:P.107 - P.110

症例:80代・男性

 数か月前から全身倦怠感,排尿困難などがみられたが放置していた。今回,尿閉のために来院し,恥骨上カテーテルが留置された。その後,病状が急変し,入院3日目に死亡したため病理解剖(剖検)が施行された。前立腺の肉眼所見として,結節性病変が癒合する形で広範囲に認められた。図1〜3は剖検時にみられた前立腺病変の代表的な組織像である。

 1.病理診断は何か。

 2.診断確定に有用な特殊染色や免疫組織化学は何か。

手術手技 女性泌尿器関連の手術—基本手技とコツ・6

膀胱腟瘻閉鎖術

著者: 宮里実 ,   斎藤誠一

ページ範囲:P.200 - P.203

要旨 膀胱腟瘻は,子宮摘除や経腟手術,または放射線照射の晩発性障害として起こる。完全尿失禁を呈し,著しくQOLを損なう疾患である。医原性であることが多く,十分なインフォームド・コンセントを行う必要がある。瘻孔部位,大きさなどによって経膀胱,経腟アプローチを選択する。血流障害が主な成因であり,再発予防のため,必要に応じて大網や脂肪組織を閉鎖部に置換することが重要である。本稿では,膀胱腟瘻修復術の適応,術式の選択,手術のポイントについて自験例を交えて概説する。

膀胱腟瘻閉鎖術

著者: 長岡明

ページ範囲:P.204 - P.208

要旨 膀胱腟瘻は,本邦では産婦人科手術後に起こる医原性のものが多い。炎症や虚血,放射線障害などによる膀胱腟瘻は長期間経過してから発症することがある。4〜6週間の保存的治療にて膀胱腟瘻が治癒・改善しない場合,瘻孔が大きい場合,瘻孔部に局所の炎症,血流障害,線維化などを伴う場合,放射線治療後などの場合には最初から手術療法の適応となる。膀胱腟瘻閉鎖術には,経腟的アプローチと経腹的アプローチがある。

膀胱腟瘻閉鎖術

著者: 大塚篤史 ,   鈴木孝尚 ,   大園誠一郎

ページ範囲:P.210 - P.217

要旨 膀胱腟瘻の多くは子宮摘除術後に生じる。十分な評価を行った後,手術時期,到達法,大網や腹膜の充塡の有無について決定する。腟壁および膀胱壁の健常組織を用いて張力がかかることなく多層にて閉鎖することが肝要である。膀胱腟瘻閉鎖術は再手術を重ねるごとにその難易度が増し,成功率は顕著に低下する。確実に1回の手術で根治を目指すためには,術者が最も経験豊富で自信のある術式を選択すべきである。

病院めぐり

むつ総合病院泌尿器科

著者: 吉川和暁

ページ範囲:P.218 - P.218

 下北(俗にまさかり)半島は本州の最北端に位置し,その医療圏は面積約1,800km2,東京都の8割の広さがあり,人口は約10万人です。民間病院はなく,1市1町3村で一部事務組合を構成し,3病院と9診療所を経営しています。むつ総合病院は,その中核病院として,むつ市および下北郡内4町村のほか,隣接する医療圏を含め約10万人の医療を支えております。

 標榜診療科は21科,病床数434床,1日平均外来患者数1159.5人,医師数は54人(研修医を含む)です。

岩手県立磐井病院泌尿器科

著者: 竹田篤史

ページ範囲:P.219 - P.219

 岩手県一関市は東北地方のほぼ中央,宮城県との県境にある人口12万人の地方都市です。平安時代からの交通の要衝で古くは奥州藤原氏の都,平泉の南の玄関口として栄えました。2011年に市内平泉町の中尊寺をはじめとする平泉史跡郡が世界遺産に登録されたのは記憶に新しいところです。

 そんな一関市で,岩手県立磐井病院は315床20診療科の病院機能評価認定病院,基幹型臨床研修病院,地域がん診療連携拠点病院,地域周産期医療センター,地域医療指定病院として岩手県南と宮城県北をカバーしています。1935年の開院より80年の間,1947年アイオン・1948年カスリン台風による2回の大水害,1978年に宮城県沖地震,2008年に岩手・宮城内陸地震,2011年に東日本大震災と3回の大地震を経験し,その都度地域の災害拠点病院として役割を果たしました。

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欧文目次 フリーアクセス

ページ範囲:P.111 - P.111

投稿規定 フリーアクセス

ページ範囲:P.220 - P.220

著作権譲渡同意書 フリーアクセス

ページ範囲:P.221 - P.221

次号予告 フリーアクセス

ページ範囲:P.223 - P.223

編集後記 フリーアクセス

著者: 近藤幸尋

ページ範囲:P.224 - P.224

 皆様にとって保険診療はなくてはならない存在であると同時に,面倒な存在でもあろうかと存じます。保険の制限の中で検査を行い,保険で使えるもののみで治療を完結しなければならないわけです。日常臨床においては海外ですでに使用できる薬が使用できないことや,海外の学会で見つけてこれは使いやすそうだと思った医療機器がいまだ日本では流通していないことが多々あります。この現象を「ドラッグラグ」や「デバイスラグ」などと呼びますが,以前に比べてその時間は縮小されているものの,まだまだ物によっては存在しています。このようにわれわれの保険診療は,多くの制限の中で行われています。

 さて,保険診療は当然のごとく厚生労働省の管理のもとで適切に行われているわけですが,具体的内容は誰が決定しているのでしょうか。最終的には厚生労働省が決定するわけですが,薬は製薬会社により医薬品医療機器総合機構を介して申請し,厚生労働省が認可しております。また,検査や処置,手術に関しては外科系保険連合(外保連)や内科系保険連合(内保連)を介して2年に1回申請しています。これにより,2014年度の保険改訂において腹腔鏡下尿膜管摘除術や腹腔鏡下褐色細胞腫摘除術が保険適用になり,点数の増加がなされています。手術の保険点数は基本的にその臓器の手術の困難性や機材の投入がいかに必要か,および人件費によって決められております。つまり,昔からの難しそうな手術は高い点数になり,処置などに関しては低い点数に決められています。

基本情報

臨床泌尿器科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1332

印刷版ISSN 0385-2393

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