臨床泌尿器科69巻3号

2015年03月発行

特集 女性下部尿路機能障害のベストマネジメント

Ⅴ．メディカル・スタッフの役割

女性泌尿器科における看護の役割

著者： 谷口珠実¹

所属機関： ¹山梨大学大学院総合研究部医学域看護学系 健康・生活支援看護学講座

ページ範囲：P.298 - P.302

文献概要

要旨　女性のライフサイクルにおいて妊娠や分娩，更年期や加齢により骨盤底は変化する。女性泌尿器科外来に来院する患者の主訴は，尿失禁や頻尿はもちろん，陰部の下垂感を訴える骨盤臓器脱を併発していることも多い。女性患者の中には，異性の医師には失禁や外陰部の症状を話しづらいと感じる人もいる。そこで，同性の看護師が尿失禁や頻尿についての訴えを聴き，骨盤臓器脱に伴う下垂感を改善するためのリングペッサリーの自己着脱指導やサポート下着のアドバイス，骨盤底筋訓練や生活指導，そして心理的支援などを行うことが看護の役割である。

参考文献

1）谷口珠実：コンチネンスに伴う性の問題と援助．In：川野雅資（編著）：セクシュアリティの看護．pp164-185，メヂカルフレンド社，東京，1999

2）谷口珠実，丹波光子，平山千登勢，他：泌尿器科外来を受診した女性患者に対する看護介入の現状と成果．日本女性骨盤底医学会会誌10：127-131，2013

3）Jones KA and Harmanli O：Pessary use in pelviv organ prolapse and urinary incontinence. Rev Obstet Gynecol 3：3-9, 2010

4）三津野圭子，柳瀬陽子，中村みどり，他：日本女性骨盤底医学会誌，骨盤臓器脱に対するペッサリーリングの使用法に関する臨床検討　当院看護師が買いで自己着脱指導を受けた患者の分析．日本女性骨盤底医学会誌7：75-77，2010

5）鈴木省治，加藤久美子：骨盤臓器脱ペッサリー自己着脱とメッシュ手術．泌尿器ケア2008年冬季増刊：240-259，2008