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雑誌目次

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臨床泌尿器科69巻4号

2015年04月発行

雑誌目次

増刊号特集 泌尿器科外来パーフェクトガイド—誰にでもすぐに使える!

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ページ範囲:P.3 - P.3

企画・編集にあたって

著者: 近藤幸尋

ページ範囲:P.5 - P.5

 最近は診療ガイドラインが花盛りで,泌尿器科領域においても排尿関連から悪性腫瘍に至るまで多岐にわたる文献が刊行されております。確かに診療におけるバイブル的なものであるものの,泌尿器科外来診療においてはガイドラインがすべての疾患をカバーしているわけではなく,すべてのガイドラインが外来診療の合間にちょっと確認するのに適しているわけではありません。

 そこで,「泌尿器科外来パーフェクトガイド—誰にでもすぐ使える!」を企画させていただくことといたしました。本企画の肝は1つにパーフェクトにこだわっているところです。泌尿器科外来において遭遇するであろう疾患に関してオーソリティーの先生に,検査・診断・治療についての執筆をお願いしており,少ないスペースの中に各診療ガイドラインのエッセンスを盛り込んでおります。もう1つの肝は誰にでもすぐに使えるところです。レジデントを含めた若い先生は疾患全体を学ぶことも可能ですし,ベテランの先生にも外来中の度忘れ解消に本企画を利用していただきたく存じます。

1.尿路・性器の感染症

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ページ範囲:P.13 - P.13

《腎盂腎炎》

1.急性(単純性)腎盂腎炎—発熱,腰痛,全身の倦怠感を訴えている患者です。

著者: 上原慎也

ページ範囲:P.14 - P.17

Point

●尿路感染症を単純性および複雑性に分けて考える。

●原因菌の分離頻度および耐性傾向を理解し,抗菌薬を選択する。

2.複雑性腎盂腎炎—閉塞性の腎盂腎炎が疑われる患者です。

著者: 上原慎也

ページ範囲:P.18 - P.21

Point

●抗菌薬の選択,ドレナージ,全身管理が治療の中核である。

●急激な病態悪化をきたすため,対処が後手にならないように注意する。

《腎周囲感染症と周辺疾患》

3.腎周囲膿瘍—「悪寒・戦慄を伴う発熱,側腹部痛を訴える」患者です。その病態,対処と処方について教えてください。

著者: 濵砂良一 ,   西井久枝

ページ範囲:P.22 - P.24

Point

●腎周囲膿瘍は腎の重症感染症の1つである。

●診断にはエコー,腹部CTが有用である。

●腎膿瘍から波及するものが多く,膿瘍はGerota筋膜内にとどまる。

●治療はドレナージと抗菌薬治療であり,外科的治療を躊躇してはならない。

●初期抗菌薬は,抗菌力の強い広域スペクトラムを持つものを高容量使用し,薬剤感受性検査に従ってde-escalationする。

4.膿腎症—尿路閉塞に感染を合併した患者です。

著者: 市原浩司 ,   高橋聡

ページ範囲:P.25 - P.27

Point

●膿腎症は上部尿路閉塞に感染が合併した状態であり,尿路閉塞を伴う急性腎盂腎炎の重症化である。

●初期治療はEscherichia coliを標的としつつも,広範囲の細菌もカバーできる抗菌化学療法である。

●常に尿路ドレナージの必要性を検討し,(結果としてover-treatmentであったとしても)積極的なドレナージ施行をためらわない。

5.腎膿瘍—発熱および腰痛を訴えている患者です。

著者: 桧山佳樹 ,   髙橋聡

ページ範囲:P.28 - P.31

Point

●腎膿瘍は,腎実質に膿瘍を形成した状態であり,血行性と上行性(尿路由来)感染のいずれかによる重症感染症である。

●初期治療としては,血行性ではグラム陽性球菌を想定し,上行性であればEscherichia coliを標的としつつも広範囲の細菌もカバーできる抗菌化学療法とすべきである。

●常に膿瘍ドレナージの必要性を検討し,ドレナージの適応を考慮しながら,(結果としてover-treatmentであったとしても)積極的なドレナージ施行をためらわない。

《膀胱炎》

6.急性単純性膀胱炎—「頻尿および排尿時痛を訴える」患者です。その病態,対処と処方について教えてください。

著者: 濵砂良一

ページ範囲:P.32 - P.35

Point

●わが国のガイドラインでは,急性単純性膀胱炎治療の第一選択は経口ニューキノロン,第二選択は経口セファロスポリンとなる。

●下記危険因子のある患者には,ニューキノロンやセファロスポリン以外の抗菌薬の選択を考慮する。

●経口ニューキノロン,経口セファロスポリン耐性菌分離の危険因子1):①1年以内の膀胱炎の既往,②最近の抗菌薬の使用(1か月以内のニューキノロン薬の使用または3か月以内の抗菌薬の使用),③75歳以上,④複雑性尿路感染症が疑われる症例。

7.複雑性膀胱炎—尿路結石の既往があり,軽い頻尿および下部不快感を訴えている患者さんです。

著者: 石川清仁

ページ範囲:P.36 - P.39

Point

●前立腺肥大症など尿路や糖尿病など全身性に基礎疾患を有する症例では,膀胱炎を発症しやすい。

●臨床症状は単純性に比し軽微であるが,難治性で再発・再燃を繰り返すという特徴を持つ。

●治療に関しては,基礎疾患の正確な把握と適切な尿路管理が重要であり,抗菌薬投与はむしろ補助的となる。

8.出血性膀胱炎—膠原病の既往があり,血尿および排尿痛を訴えている患者さんです。

著者: 石川清仁

ページ範囲:P.40 - P.43

Point

●出血性膀胱炎とは,肉眼的血尿を主訴とした膿尿や細菌尿が存在しない膀胱炎の総称。

●原因はウイルス性や薬剤性,アレルギー性,放射線性など多岐にわたる。

●治療法は止血薬の投与と膀胱の生理食塩水持続灌流となる。

●重症例にはミョウバンや硝酸銀の膀胱内注入,ホルマリン固定,動脈塞栓術を行うこともある。

9.放射線性膀胱炎—放射線治療後に頻尿および排尿痛を訴えている患者です。

著者: 吉村耕治

ページ範囲:P.44 - P.46

Point

●放射線治療後,急性期の症状の多くは時間経過とともに改善する。

●前立腺への照射後の場合,α1アドレナリン受容体遮断薬が有効である。

●その他の治療法の有効性についてはほとんどエビデンスがない。

《そのほかの疾患》

10.尿路性器結核—難治性の膿尿を訴えている患者です。

著者: 金丸聰淳

ページ範囲:P.47 - P.50

Point

●結核菌の同定と薬剤感受性検査は耐性菌のチェックに必須である。

●画像診断により尿路閉塞の有無を検索し,ドレナージまたは手術の必要性を検討する。

●抗結核薬は3剤以上を併用し,副作用の早期発見と確実な服薬で治療完遂を目指す。

●BCG膀胱注入後の膀胱炎は公費負担の対象外。

11.尿路真菌症—基礎疾患に糖尿病があり,抗菌薬に対して抵抗性を示す患者です。

著者: 金丸聰淳

ページ範囲:P.51 - P.54

Point

●無症候性真菌尿は好中球減少時と尿路手術時以外は治療しない。

●複雑性尿路感染症と同様に,基礎疾患の治療が重要。

●尿路カテーテルは抜去または交換する。

●カンジダは菌種により抗真菌薬感受性が異なるため尿培養が必須。

12.慢性前立腺炎—骨盤の疼痛および排尿痛を訴えている患者です。

著者: 栗村雄一郎

ページ範囲:P.55 - P.58

Point

●前立腺炎のカテゴリー分類には4杯分尿法やpre and post massage test(PPMT)を用いる。

●UPOINTはカテゴリーⅢの前立腺炎における各症状に対する治療法の分類である。

●慢性前立腺炎には標準的治療が存在しないため,個々の患者に合わせて治療法を検討する。

13.精巣上体炎—陰囊部の発赤および腫大を訴えている患者です。

著者: 栗村雄一郎

ページ範囲:P.59 - P.61

Point

●陰囊の腫大,疼痛を有する患者では,精索捻転症を含めた急性陰囊症の鑑別診断が必要である。

●青年期では,クラミジアや淋菌など性感染症としての精巣上体炎が多い。

●細菌性の急性精巣上体炎では,グラム陰性菌をカバーする抗菌薬を投与する。

14.精巣炎—流行性耳下腺炎を合併している患者です。

著者: 根本勺

ページ範囲:P.62 - P.64

Point

●流行性耳下腺炎(mumps:以下ムンプスと表記する)は,ムンプスウイルスの感染によって起こる耳下腺を中心とした全身性の伝染性疾患であり,一般的には「おたふくかぜ」と呼ばれている1)。泌尿器科領域では,ムンプス性精巣炎が問題となる。

●本邦では,MMRワクチン接種後の無菌性髄膜炎が社会的な問題となり,1993年以降はワクチン接種が任意となった。そのため,3〜4年周期でのアウトブレークがみられるようになっている。

●遭遇する機会は比較的稀だと考えるが,学校伝染病であること,および特有な合併症を認めることなどにより,しっかり認識しておくべき疾患と考える。

15.亀頭包皮炎—仮性包茎であり,なかなか完治しないと訴えている患者です。

著者: 根本勺

ページ範囲:P.65 - P.66

Point

●仮性包茎という概念は,本邦で慣習的に使用されている表現であり,海外ではそのような分類を用いていない。

●成人の亀頭包皮炎は,小児症例とはその誘因を異にしていることが少なくない。

●糖尿病などの全身性疾患の一症状として出現していることもあり,難治例の場合は,皮膚科医および内科医などとの連携など柔軟な対応が必要と考える。

16.閉塞性乾燥性亀頭炎—排尿困難を訴えている患者です。

著者: 高橋康一

ページ範囲:P.67 - P.70

Point

●閉塞性乾燥性亀頭炎は包皮の癒着,肥厚により,高度の包茎病変を呈する。

●多くに種々の程度の尿道狭窄を合併する。

●主な治療は包茎に対する環状切除,尿道狭窄に対する尿道切開術や尿道形成術である。

●再発のリスクが高く,注意深いフォローアップが必要である。

17.フルニエ壊疽—基礎疾患に糖尿病があり,会陰から陰囊にかけて腫脹し,異臭を放つ患者です。

著者: 高橋康一

ページ範囲:P.71 - P.74

Point

●フルニエ壊疽は劇症,進行性の壊死性筋膜炎で,早急に好気性菌と嫌気性菌の複数菌感染に対する抗菌薬投与を開始する。

●治療の主体は早期の徹底したデブリードマンであり,その後植皮術などの形成術を行う。

●補助的治療として高圧酸素療法も施行する。

18.ペロニー病—勃起時の疼痛を訴えている患者です。

著者: 上平修

ページ範囲:P.75 - P.77

Point

●中高年に発症する陰茎の変形,疼痛を主訴とする疾患。

●陰茎海綿体白膜の部分的肥厚による。勃起した陰茎に微小な外傷が重なり,その治癒過程で発症すると考えられているが,詳細な過程は不明。

●性交障害や排尿障害を主訴として受診するが,局所のしこりを癌と心配して受診する患者も少なくない。

●急性期の疼痛は,鎮痛剤や自然経過で緩和することが多く,変形も急性期においては一部であるが自然寛解することもある。しかし,現時点でプラークの縮小や陰茎の変形に対して有効性が示されている薬剤は日本においては一般的ではなく,変形の強いものは手術が必要である。

《性感染症》

19.淋菌性尿道炎—膿性の尿道分泌物を訴えている患者です。

著者: 富田祐司 ,   近藤幸尋

ページ範囲:P.78 - P.81

Point

●問診・所見・尿道分泌物のグラム染色などで淋菌性尿道炎と診断できれば,初診時に治療を開始する。

●治療には単回投与の注射剤(表1)を用いる。

●初診時に行った核酸増幅法検査でクラミジアの混合感染を確認できれば,クラミジアの治療も行う。

20.非淋菌性尿道炎:クラミジア性尿道炎—尿道部の不快感を訴えている患者です。

著者: 富田祐司 ,   近藤幸尋

ページ範囲:P.82 - P.84

Point

●非淋菌性尿道炎の症例には,まずクラミジア性尿道炎を想定した治療を行う。

●難治性の場合にはMycoplasma genitaliumUreaplasma urealycumの感染を疑う。

21.非淋菌性尿道炎:非クラミジア性・非淋菌性尿道炎—軽い排尿痛を訴えている患者です。

著者: 門田晃一

ページ範囲:P.85 - P.87

Point

●非クラミジア性・非淋菌性尿道炎は非淋菌性尿道炎の約50%を占め,Mycoplasma genitaliumUreaplasma urealyticumが代表的な原因菌と推定される

●非クラミジア性・非淋菌性尿道炎では原因微生物が同定・検出できないことから鑑別診断も重要となる

22.性器ヘルペス—痛みを伴った水疱を訴えている患者です。

著者: 門田晃一

ページ範囲:P.88 - P.91

Point

●女性の初発症状は重症化しやすく,排尿困難や歩行困難などにより入院治療が必要となる場合もある。

●再発では病変が出現する1〜2日前より局所の痛みや違和感といった前兆を認めることがある。

●頻回再発症例に対しては積極的に再発抑制療法を考慮する。

23.尖圭コンジローマ—亀頭部が鶏冠状の外観を呈している患者です。

著者: 谷村正信

ページ範囲:P.92 - P.95

Point

●イミキモドクリームなどの単独治療だけでなく,手術療法も含めた併用療法も必要である。

●性感染症として,パートナーがいる場合は,同時に治療が必要である。

●ウイルス感染症として,再発の可能性があり,治癒判定まで最低でも3か月のフォローアップが必要である。

《寄生虫感染症》

24.フィラリア症—陰囊の強い浮腫を訴えている患者です。

著者: 谷村正信

ページ範囲:P.96 - P.98

Point

●日本では根絶宣言が出されているが,熱帯・亜熱帯では,まだまだ多い。

●急性期には末梢血の好酸球増多が認められる。

●日本における治療薬はジエチルカルバマジン(スパトニン®)である。

2.下部尿路機能障害

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ページ範囲:P.99 - P.99

25.前立腺肥大症—尿勢低下を強く訴えている男性患者です。

著者: 鈴木康之

ページ範囲:P.100 - P.102

Point

●症状から前立腺肥大症BPHと予測できても“基本評価”は診断に必須である。

●BPH治療薬は多数あり,その効果は高いエビデンスで実証されているものが多い。

●一方で手術療法は下部尿路閉塞を物理的に解除し,長期的視野に立てば適応例に対する有用性は高い。

26.前立腺肥大症—高齢であり,尿意切迫感と尿線途絶の両方を訴えている男性患者です。

著者: 鈴木康之

ページ範囲:P.103 - P.105

Point

●過活動膀胱(OAB)合併の前立腺肥大症(BPH)である可能性は高い。

●まず適切な評価(図1)を行い,診断確定後にα遮断薬を第一選択として,症状残存時に残尿などに注意しながら抗コリン薬などを少量から使用する。

27.前立腺肥大症—アルコール飲酒後に尿閉を訴えている男性患者です。

著者: 鈴木康之

ページ範囲:P.106 - P.108

Point

●エコーなどで急性尿閉と診断されたら尿閉解除は緊急で施行する。

●前立腺肥大症(BPH)でも尿閉合併例は重症で,これを機会に手術を考慮すべきである。

●また,手術非適応例は可能であれば清潔間欠自己導尿を選択する。

28.夜間頻尿—夜間に4回以上トイレに行くと訴えている患者です。

著者: 吉村耕治

ページ範囲:P.109 - P.112

Point

●夜間多尿や多尿が問題となる場合が多く,水分摂取量の調整など生活指導を行うべきである。

●若年者の夜間多尿では,睡眠時無呼吸症候群の存在を念頭に置く。

●薬剤治療としては,α1遮断薬,抗コリン薬が主体となる。

29.過活動膀胱—蓄尿障害がみられる患者です。

著者: 渡邉豊彦

ページ範囲:P.113 - P.116

Point

●OABの診断,治療方針の決定,治療効果の判定のすべてにおいて,排尿記録は有用なツールである。

●初期治療後,症状が改善しない場合は,漫然と治療を継続するのではなく,他疾患の存在を疑うべきである。

●抗コリン薬はそれぞれ薬理作用,有効性,副作用の発現率が異なるため,複数の薬剤を試して,patient-orientedな治療の確立を目指すべきである。

30.混合性尿失禁—尿意切迫感に加え,くしゃみをすると尿が漏れるという患者です。

著者: 渡邉豊彦

ページ範囲:P.117 - P.120

Point

●混合性尿失禁では,腹圧性,切迫性尿失禁の比重で治療方針が変わる。

●切迫性の比重が高いときには,抗コリン薬をはじめとする薬物療法が中心になる。

●腹圧性の比重が高いときには,薬物療法や骨盤底筋訓練から開始するが,効果不良なら手術も考慮する。

31.間質性膀胱炎—頻尿と膀胱の痛みを訴えている患者です。

著者: 小川輝之

ページ範囲:P.121 - P.124

Point

●膀胱痛・尿意切迫感・頻尿を主訴とするが,他疾患がないことの確認が必要である。

●患者指導を含めた保存的治療,膀胱生検を含む膀胱水圧拡張術は有効である。

●内服,膀胱内注入などの薬物治療は保険適応外であり,十分な説明と同意が必要である。

32.心因性頻尿—心身症が疑われ,頻尿を強く訴えている患者です。

著者: 小川輝之

ページ範囲:P.125 - P.127

Point

●頻尿,尿意切迫感,尿失禁等が主症状であるが,特定の時間に集中していることが多く,睡眠時には消失していることが特徴的である。

●腫瘍・結石・尿路感染症などの器質的疾患を除外することが重要である。

●心的障害が中等度・高度であると判断される場合は心療内科や精神科にコンサルトし,精神状態について評価治療(三環系抗うつ薬など)を考慮する。

33.神経因性膀胱—カテーテル閉塞と症候性尿路感染症を繰り返す寝たきりの患者です。

著者: 三井貴彦

ページ範囲:P.128 - P.130

Point

●尿道カテーテル留置以外の尿路管理を考慮し,可能なら自排尿による尿路管理を試みる。

●尿道カテーテル留置による尿路管理を継続しなければならない状況においては,さまざまな対処を行ったとしてもカテーテル閉塞や症候性尿路感染症を繰り返す可能性は少なからずあることから,その点を理解したうえで行うべきである。

34.神経因性膀胱—脳梗塞後に尿失禁がある患者です。

著者: 三井貴彦

ページ範囲:P.132 - P.135

Point

●脳梗塞後の下部尿路機能障害の病態は,膀胱排尿筋の無抑制収縮である排尿筋過活動と随意排尿の障害である。

●脳梗塞後の尿失禁は,主に排尿筋過活動によって生じる。

●薬物療法として,抗コリン薬,β3受容体刺激薬が有効である。

3.女性泌尿器科

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ページ範囲:P.137 - P.137

35.腹圧性尿失禁—くしゃみをすると尿がもれるという患者です。

著者: 亀岡浩 ,   新田浩司 ,   小島祥敬

ページ範囲:P.138 - P.142

Point

●問診,質問票,排尿記録から尿失禁のタイプ,重症度を判定する。

●身体所見より,尿道過可動や咳による尿道からの尿漏出を確認する。

●治療は行動療法,薬物療法を初期治療とし,必要があれば手術療法を選択する。

36.性器脱(骨盤臓器脱)—会陰部下垂感があると訴えている患者です。

著者: 亀岡浩 ,   片岡政雄 ,   小島祥敬

ページ範囲:P.143 - P.146

Point

●問診,身体的検査より,症状の程度,脱の重症度を評価する。

●軽症では骨盤底筋訓練,整復の必要性があれば初期治療にペッサリーを使用する。

●保存療法の継続が困難な場合,インフォームド・コンセントのうえ,手術療法を薦める。

37.膀胱腟瘻—過去に子宮全摘術を行ったことがあるという患者で,膀胱腟瘻を認め,それによる高度の尿失禁を認めます。その診断と対処法について教えてください。

著者: 野村昌良

ページ範囲:P.147 - P.150

Point

●膀胱腟瘻の治療の中心となるのは手術療法である。手術において最も重要なことは,尿流出のバリアーとして膀胱の瘻孔を適切にデブリードメントし,テンションがかからないように適切に縫合を行うことである。瘻孔の部位や大きさにより適切な術式を選択すべきである。

●膀胱腟瘻は初回治療が最も重要であるので,できるだけ治癒率が高いと思われる術式を選択すべきである。

38.膀胱エンドメトリオーシス—月経周期に一致して血尿がみられると訴えている患者です。

著者: 野村昌良

ページ範囲:P.151 - P.153

Point

●膀胱エンドメトリオーシスの診断に関して,まずは詳細な問診を行い,その疑いがある場合には膀胱鏡を用いて病変の存在を明らかにする。治療は症状の程度にもよるが手術療法が中心となる。腹腔内の観察も兼ねて腹腔鏡による膀胱部分切除が推奨される。

●手術に先立ち,病巣の広がりを正確に確認すること,尿管との位置関係を把握することが重要である。そして手術において,病巣の適切な切除と確実な膀胱壁の縫合が不可欠である。

4.尿路結石症

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ページ範囲:P.155 - P.155

39.腎結石—CTで腎臓にサンゴ状の結石がある患者です。

著者: 諸角誠人 ,   張英軒 ,   矢野晶大

ページ範囲:P.156 - P.159

Point

●無治療経過観察により,腎機能の悪化や敗血症のような重症感染症を招きやすい。

●内視鏡手術,体外衝撃波,開放手術といった積極的治療を行うことが望ましい。

●全身状態の悪い高齢者,出血素因のある患者などは治療適応外となる。

40.腎結石—尿路感染を繰り返す寝たきりの両側腎結石の患者です。

著者: 井口太郎 ,   仲谷達也

ページ範囲:P.160 - P.162

Point

●感染結石の場合は外科的治療以外に尿路感染症の治療は難しい。

●外科的治療が可能な場合でも,体動の制限のために破砕片の自然排石は期待できない。

●患者の社会的背景まで考慮に入れたうえで,治療方針を決定する必要がある。

41.尿管結石—側腹部痛を訴えており,血尿もみられる患者です。

著者: 田口和己 ,   戸澤啓一 ,   安井孝周

ページ範囲:P.163 - P.166

Point

●α1遮断薬やCa拮抗薬は尿管結石への保険適応はないため,使用に注意を要する。

●fTUL,miniまたはmicroPNL,腹腔鏡下切石術などの技術進歩により治療法は多様化してきている。

42.膀胱結石—排尿痛が陰茎にまで及ぶと訴えている患者です。

著者: 井口太郎 ,   仲谷達也

ページ範囲:P.167 - P.169

Point

●膀胱結石の多くは続発性膀胱結石で,原因疾患の治療も必要である。

●10mm以上の結石は内視鏡的治療が第一選択であるが,大きな結石では開腹手術を考慮してもよい。

●間欠的自己導尿では尿道カテーテル留置よりも結石のリスクは大幅に少なくなる。

43.尿道結石—排尿困難および排尿時痛を訴えている患者です。

著者: 竹下英毅 ,   杉山博紀 ,   諸角誠人

ページ範囲:P.170 - P.172

Point

●結石の局在・大きさ・表面の性状・随伴する尿道病変の有無により,治療方針が異なる。

●後部尿道結石は膀胱に押し戻して砕石を,前部尿道結石は経尿道的摘出を考慮する。

●いずれの場合も難しければ,局所での経尿道的砕石術を考慮する。

5.腫瘍外来(外来化学療法)

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ページ範囲:P.173 - P.173

44.副腎腫瘍—肺転移を伴う副腎皮質癌の患者です。

著者: 湯浅健

ページ範囲:P.174 - P.177

Point

●副腎皮質癌の治療として外科的切除が最も有効な治療法と思われる。

●副腎毒ともいわれるミトタンが唯一,承認されている薬剤。術後補助療法としても有効とされる。ただし,有害事象も強く,有効血中濃度と毒性発現濃度との間隔が狭いため投与量の調整が必要。

●副腎皮質癌有転移症例では,転移巣が少ない場合には可能であれば外科的切除および術後ミトタン補助療法,そうでない症例では抗癌化学療法との併用治療(EDP-M療法)を考慮する。

45.腎腫瘍—肺,骨,肝臓に転移を有する腎細胞癌の患者です。

著者: 湯浅健

ページ範囲:P.178 - P.181

Point

●腎細胞癌の転移巣は肺が最も多く,骨,肝が次に多い。

●現時点ではファーストラインとして,パゾパニブやスニチニブ,テムシロリムスそしてインターフェロンが推奨され,セカンドライン治療として,アキシチニブ,アフィニトール,ソラフェニブが使われる。

●転移性腎細胞癌に対する分子標的治療は,癌化の原因となる“標的蛋白質”を直接阻害するのでなく,癌の増殖“シグナル”のどこかを抑える。標的となるシグナルは正常細胞にも必要なものであり,副作用も多く,完全寛解が少ないことにつながると考えられている。

●したがって多くの症例の治療目標は,副作用のマネージメントをし,quality of life(QOL)を保ちながら生存期間を延長することと考えられる。

46.腎盂および尿管腫瘍—腎盂癌の術後に他臓器に転移を認める患者です。

著者: 柑本康夫

ページ範囲:P.182 - P.184

Point

●第一選択は全身化学療法(GC療法)であるが,腎機能障害のため治療の制限を受ける症例も少なくない。

●転移巣切除術によって長期生存が得られる例もあり,症例を選べば治療選択肢となりうる。

47.膀胱腫瘍—リンパ節の腫脹があり,術前化学療法を予定している患者です。

著者: 柑本康夫

ページ範囲:P.185 - P.188

Point

●化学療法で著明な効果が得られた場合は,膀胱全摘除術により予後改善が期待できる。

●Cisplatinを含むレジメン(GC療法,MVAC療法など)が第一選択である。

●Cisplatin‘unfit’症例に対するレジメンは確立されていない。

48.去勢抵抗性前立腺癌に対する薬物療法—内分泌療法中に前立腺癌が再燃した患者です。

著者: 河合弘二

ページ範囲:P.189 - P.192

Point

●アビラテロンの臨床試験ではプレドニゾロン5mg 1日2回連日投与が行われている。

●カバジタキセルの臨床試験ではプレドニゾロン5mg 1日2回連日投与が行われている。

●カバジタキセルの臨床試験では前投薬(抗ヒスタミン剤,ステロイド,H2アンタゴニスト)が規定されている。

49.転移を有する精巣胚細胞腫瘍—他臓器に転移を認める精巣胚細胞腫の患者です。

著者: 河合弘二

ページ範囲:P.193 - P.196

Point

●導入化学療法では安全を担保しながら,減量を行わず3週ごとに治療を行うことが極めて重要である。

●上記が困難な状況では,外来化学療法あるいは外来ベースの治療は避けるべきである。

50.陰茎腫瘍—切除不能の陰茎癌の患者です。

著者: 森田伸也 ,   大家基嗣

ページ範囲:P.197 - P.199

Point

●陰茎癌は,本邦には診療ガイドラインがなく,海外のガイドラインを参考に治療する。

●切除不能の陰茎癌は,まず化学療法と放射線療法を中心に対応していくこととなる。

51.術後排尿障害—前立腺全摘術後の尿失禁を訴えている患者です。

著者: 増田均

ページ範囲:P.200 - P.203

Point

●前立腺全摘除後の尿失禁の治療のポイントは,患者に治療のタイムテーブルを示し,漠然とした不安を取り除くことである。骨盤底筋群体操や薬物治療などの保存的治療は,自然に改善する症例をより早期に改善させるのが目的である。

●半年後あたりから,重症例では外科的治療の介入のタイミングを常に考えながら,外来で患者に対処することが重要である。実際の外科治療は,1年経過後が望ましい。手術患者の若年化に伴い,積極的な活動時の尿失禁に対する対処法を要求される時代となってきている。

●人工尿道括約筋,尿道スリング手術,脂肪幹細胞注入に関する適応と限界など臨床情報を提供することで,最終的な手段が存在するという安心感が芽生え,保存的治療に対する受け入れも格段によくなる。

52.リンパ浮腫—前立腺癌治療後のリンパ浮腫を訴えている患者です。

著者: 黒田昌男 ,   福本亮 ,   福井辰成

ページ範囲:P.204 - P.206

Point

●予防が重要。

●治療は圧迫療法,運動療法,スキンケアの併用が第一選択。

●薬物療法は,圧迫療法,運動療法が無効の場合に行う。

53.癌性疼痛—モルヒネ使用後の頑固なしびれ感がみられる患者です。

著者: 黒田昌男 ,   福本亮 ,   福井辰成

ページ範囲:P.207 - P.210

Point

●オピオイドは続けて投与する。

●鎮痛補助薬(抗うつ薬,抗けいれん薬など)を併用する。

●鎮痛補助薬を増量しても効かない場合には,別の鎮痛補助薬に変更するか併用する。

6.内分泌疾患

フリーアクセス

ページ範囲:P.211 - P.211

《副腎・後腹膜の疾患》

54.原発性アルドステロン症—原発性アルドステロン症の手術を行いましたが,血圧コントロールに難渋している患者です。

著者: 成瀬光栄 ,   立木美香 ,   馬越洋宜 ,   田辺晶代

ページ範囲:P.212 - P.215

Point

●原発性アルドステロン症の手術適応は患者希望に加えて,局在診断の厳密な判定,患者の臨床的背景,腎機能などの臨床検査を考慮して,総合的かつ慎重に判断する。

●副腎静脈サンプリングは重要な局在診断法であるが,その結果判定基準は確立されておらず,特に,グレーゾーンでの判定は慎重に行う。

●術後血圧コントロール不良の場合は,その原因と背景を十分に吟味して,それぞれに対する適切な対応,薬物治療を行う。

55.クッシング症候群の手術後の治療について—クッシング症候群の手術後の患者です。

著者: 成瀬光栄 ,   立木美香 ,   馬越洋宜 ,   田辺晶代

ページ範囲:P.216 - P.219

Point

●クッシング症候群では,内因性コルチゾール分泌が正常化するまでグルココルチコイド補充療法を要する。

●周術期には静脈投与,その後は経口投与に変更し,約6か月から1年半かけて補充量を漸減,中止する。

●両側副腎摘出例はグルココルチコイドとミネラルコルチコイドの補充を終生継続する。

●補充量減量中はステロイド離脱症候群,副腎クリーゼに対する十分なインフォームド・コンセントと対策を要する。

《精巣機能障害》

56.加齢男性性腺機能低下症候群(LOH症候群)—性機能低下,抑うつ症状を訴えている患者です。

著者: 小林皇 ,   舛森直哉

ページ範囲:P.221 - P.223

Point

●若年日本人男性の遊離テストステロン正常下限である8.5pg/mLが目安。

●質問紙で症状の把握を行うが,診断の特異度は低い。問題点があることを理解して,治療経過のモニタリングなど有用に使用する。

●男性ホルモン補充療法施行中は,非生理的濃度にまで血中濃度が達しないように採血時期に注意してモニタリングする。

《男性不妊症》

57.高度乏精子症—高度乏精子症と考えられる患者です。

著者: 白石晃司

ページ範囲:P.224 - P.226

Point

●原因不明の場合が多いが,基礎疾患が存在する場合もあり,各病態により対応が異なってくる。

●妻の年齢も考慮し,体外受精や顕微授精を並行して行わなければならないケースが多いが,男性側の治療が不妊治療の成績を改善する。

58.精索静脈瘤—精索静脈瘤が疑われる患者です。

著者: 白石晃司

ページ範囲:P.227 - P.230

Point

●精索静脈瘤は健常男性においても15〜20%程度に認められ,造精機能に与える影響は個人差が大きい。

●精索静脈結紮術を行うにこしたことはないが,妻の年齢や卵巣予備能次第で,体外受精や顕微授精も同時に急いで行うべき症例も多い。

59.閉塞性無精子症(精路閉塞)—小児期にヘルニア手術を行い,精路閉塞が強く疑われる患者です。

著者: 慎武 ,   岡田弘 ,   宮田あかね

ページ範囲:P.231 - P.234

Point

●閉塞性無精子症は,病歴,陰囊および精管の触診,血清FSH値により診断する。

●治療法として,精路再建術もしくは精子採取による生殖補助技術がある。

●患者カップルの年齢と社会的・経済的状況を考慮して治療法を選択する。

60.非閉塞性無精子症(クラインフェルター症候群)—クラインフェルター症候群が疑われる患者です。

著者: 慎武 ,   岡田弘 ,   宮田あかね

ページ範囲:P.235 - P.238

Point

●非閉塞性無精子症の診断では遺伝カウンセリングを前提とした染色体検査が必須である。

●挙児希望のクラインフェルター患者では,早期のMD-TESEによる精子回収が望ましい。

7.性機能障害

フリーアクセス

ページ範囲:P.239 - P.239

61.勃起障害—勃起障害を訴えている患者です。

著者: 小川総一郎 ,   片岡政雄 ,   小島祥敬

ページ範囲:P.240 - P.243

Point

●勃起障害は原因が多彩であるため,詳細な病歴聴取が重要である。

●PDE5阻害薬による治療がゴールドスタンダードである。

●PDE5阻害薬の無効例でも,他に有効な治療選択肢はある。

62.射精障害—自慰および腟内射精が不能であると訴えている患者です。

著者: 天野俊康

ページ範囲:P.244 - P.246

Point

●射精遅延や無射精といった射精障害に対し,アルゴリズムを参照にして原因を検索する。

●必要に応じてEDの治療を先行させ,行動療法,薬物療法による射精障害治療を行う。

●挙児希望を確認して,男性不妊治療も併行して進めていく。

63.血精液症—精液に血が混じると訴えている患者です。

著者: 天野俊康

ページ範囲:P.247 - P.249

Point

●血精液症は特発性が多く,悪性疾患は稀であるが,尿路性器の精査が必要である。

●特発性血精液症は改善まで時間がかかる場合もあるが,無治療経過観察を行う。

●血尿や炎症・感染を伴う場合は,必要に応じて対症療法を行う。

64.陰茎持続勃起症—陰茎持続勃起症の患者です。

著者: 小川総一郎 ,   秦淳也 ,   小島祥敬

ページ範囲:P.250 - P.252

Point

●虚血性と非虚血性の鑑別が最も重要である。

●鑑別には,病歴,血液ガス分析,超音波カラードプラが特に有用である。

●各施設で治療アルゴリズムを定めておくことが望ましい。

8.腎不全

フリーアクセス

ページ範囲:P.253 - P.253

65.急性腎障害(薬剤性)—造影剤投与後に尿量の減少および浮腫をきたした患者です。鑑別診断と対処法について教えてください。

著者: 小松康宏

ページ範囲:P.254 - P.256

Point

●造影剤投与後72時間以内に血清Cr値が前値より0.5mg/dL以上または25%以上増加し,他の原因がなければ造影剤腎症と診断される。尿量減少が生じた場合には造影剤腎症を含めた急性腎障害の鑑別診断と治療を行う。

●いったん発症した造影剤腎症に対する特異的治療はない。全身状態を安定させ,腎機能回復を待つが,稀に透析療法が必要になることもある。一時的に腎機能が低下しても,いずれ回復することが多い。

●造影剤腎症のリスクある患者に対して造影剤を使用する際には,予防策を講じる。

●急性腎障害の諸症状には対症療法を行うが,効果がなければ透析療法を検討する。

66.急性腎不全(腎後性)—子宮頸癌術後に,無尿になった患者です。

著者: 澁谷忠正 ,   三股浩光

ページ範囲:P.257 - P.260

Point

●産婦人科手術の術式の特徴,産婦人科手術に関連した尿路合併症を把握しておくと比較的スムーズに診断を進めていくことができる。

●医原性の尿路損傷であった場合,医事紛争の原因となり得るため,病状の説明や治療を行うにあたってのインフォームド・コンセントや患者への対応は慎重に行わなければならない。

67.慢性腎不全(慢性腎臓病)—過去に蛋白尿を指摘されたことがあるという患者です。

著者: ヒース雪 ,   小松康宏

ページ範囲:P.261 - P.265

Point

●慢性腎臓病は罹患率の高さから,腎臓内科専門医に限らず広く非専門医による早期発見・介入が最重要。

●蛋白尿指摘患者は体調を整えて再度蛋白尿をチェック。

●3か月以上にわたり2回以上,蛋白尿が1+以上であれば慢性腎臓病と診断。

●上記の場合は,糸球体高血圧の解除を目的にレニン・アンギオテンシン阻害薬を中心とした十分な降圧が必須。

9.尿路・性器損傷と膀胱異物

フリーアクセス

ページ範囲:P.267 - P.267

68.腎損傷—スキーで転倒した後に,肉眼的血尿がみられる患者です。

著者: 矢澤聰 ,   朝倉博孝 ,   中島洋介

ページ範囲:P.268 - P.270

Point

●腎損傷は手術を考慮しうる泌尿器科救急疾患であるが,画像診断およびinterventional radiology(IVR)の進歩により即時手術率は減少している。

●CTでの画像診断と腎損傷分類,即時手術の絶対適応,保存的治療の実際を泌尿器科医として理解しておく必要がある。

69.尿道損傷—ハシゴから落下して会陰部を強打し,痛みを訴えている患者です。

著者: 堀口明男

ページ範囲:P.271 - P.274

Point

●外傷後急性期は尿道カテーテル留置や損傷部の外科的修復を避け,膀胱瘻を造設して待機し,感染をコントロールする。

●外傷後3か月以上経過してから尿道を評価し,狭窄があれば尿道形成術を行う。

●外傷性尿道狭窄症に対する内尿道切開,尿道ブジー,尿道ステント留置は成功率が極めて低いだけでなく,狭窄を複雑化させるので,行ってはならない。

70.膀胱損傷—バイク事故で骨盤を骨折し,肉眼的血尿および下腹部痛がみられる患者です。

著者: 堀口明男

ページ範囲:P.275 - P.277

Point

●骨盤骨折患者に肉眼的血尿が認められる場合,膀胱外傷を高頻度に合併している。

●膀胱外傷が疑われる場合は直ちに膀胱造影,もしくはCT cystographyを行う。

●骨盤腔外や腹腔内に尿溢流が認められる場合は外科的な修復が必要である。

71.陰茎折症—陰茎の疼痛および変形でパニックになっている患者です。

著者: 小林皇 ,   舛森直哉

ページ範囲:P.278 - P.281

Point

●陰茎折症を疑ったら,すぐに手術の準備をする。

●緊急手術で陰茎海綿体白膜の断裂部を確認し,縫合を行う。

●腹側に断裂がある場合は,断裂部近傍の尿道海綿体を陰茎海綿体より剝離して断裂部をしっかり確認する必要がある。

72.膀胱異物—経尿道的に挿入された膀胱異物が疑われる患者です。

著者: 矢澤聰 ,   朝倉博孝

ページ範囲:P.282 - P.285

Point

●膀胱異物は稀な疾患ではなく,慢性的な下部尿路症状を呈する患者の鑑別診断として考慮すべき疾患である。

●治療へのアプローチは異物の性状,患者の年齢や性別,またその時々の状況や医療設備によっても異なってくる。

●侵襲の少ない経尿道的異物摘除術で摘出可能である場合が多い。

10.腎性高血圧・腎血管性病変

フリーアクセス

ページ範囲:P.287 - P.287

73.腎血管性高血圧症—腎動脈狭窄が疑われる腎血管性高血圧症の患者です。

著者: 篠田和伸 ,   大家基嗣

ページ範囲:P.288 - P.291

Point

●腎動脈狭窄を有する高血圧症がすべて経皮的血管形成術(PTRA)の適応ではないということに注意しなければならない。3剤以上の降圧薬を要し,有意な腎動脈狭窄を有する症例にのみPTRAを考慮するべきである。

●腎機能障害を有する患者におけるPTRAの有効性に関しては,RADAR試験の結果が待たれる。

●観血的腎動脈形成もときには考慮すべき症例も存在することを忘れてはならない。PTRAでも重篤な合併症や再狭窄の問題もあるので,安易な治療決定は患者にとって有害となる。

74.腎梗塞—疝痛様の側腹部痛および発熱がみられる患者です。

著者: 増田均

ページ範囲:P.292 - P.294

Point

●突然発症し,側腹部痛を主訴とする場合が多く,尿路結石との鑑別が最も大事である。

●心血管系の合併症を伴わない例もあり,超音波検査で水腎症を認めない場合,腎梗塞を念頭におく必要がある。

●その場合,循環器,放射線科との連携が最も重要であることはいうまでもない。

75.腎動脈瘤—健診で腎動脈瘤を指摘された患者です。

著者: 篠田和伸 ,   大家基嗣

ページ範囲:P.295 - P.297

Point

●治療適応に関しては,従来は2cm以上で完全石灰化されていないものとされてきたが,治療適応はサイズによらないということに留意する。

●当該施設で慣れている方法で治療を行うべきである。一定の確率でmorbidityは発生するので,治療に慣れていなければ症例数の多い病院へ紹介すべきである。

76.腎動静脈瘻—針生検を行ったあとに,腎部に拍動性腫瘤を触知する患者です。

著者: 近藤恒徳

ページ範囲:P.298 - P.300

Point

●腎動静脈瘻の頻度は多くないが,生検などの後に肉眼的血尿が認められた場合は積極的に疑う必要がある。

●造影CTで疑われる場合は,すみやかに治療を考慮した方が安全である。

77.ナットクラッカー現象—痩せていて背が高く,側腹部痛を訴えている患者です。

著者: 近藤恒徳

ページ範囲:P.301 - P.303

Point

●ナットクラッカー症候群(NCS)は稀であるが,肉眼的血尿の患者では鑑別診断として念頭に置くべき疾患である。

●造影CTで疑われる所見がある場合は,超音波,静脈造影などで診断をつける。

●現時点で治療の第一選択は,血管内ステント留置になると思われる。

11.先天性および小児泌尿器科疾患

フリーアクセス

ページ範囲:P.305 - P.305

78.多囊胞性異形成腎—胎児エコー検査で右腎臓に囊胞が多発していた患児です。

著者: 佐藤裕之

ページ範囲:P.306 - P.308

Point

●出生時に腎に囊胞性疾患を認めた際に最も鑑別すべき疾患である。

●低・異形成を伴う先天性水腎症などとの鑑別が必要な場合がある。

●出生後,分腎機能の確認と対側尿路も含めた先天性尿路異常の評価が必要。

●基本的治療は経過観察。

79.先天性水腎症—腹部エコーで水腎症が疑われたため受診した患児です。

著者: 佐藤裕之

ページ範囲:P.309 - P.313

Point

●先天性水腎症では尿路感染・腹痛・血尿などを伴う症候性水腎症と症状のない無症候性水腎症がある。

●症候性水腎症であれば手術的治療を選択。

●無症候性水腎症では,水腎症の程度・分腎機能・発見時年齢を考慮して治療方針を立てる必要があり,幼少期には待機的に経過観察する治療選択がある。

●小児期には尿管径の細さやほかの尿路異常の問題・水腎症の自然改善の可能性もあり,無症候性の場合,安易に手術を行ってはならない。

80.膀胱尿管逆流—有熱性尿路感染症を繰り返し,抗菌薬を内服している患児です。

著者: 佐藤雄一 ,   片岡政雄 ,   小島祥敬

ページ範囲:P.314 - P.317

Point

●有熱性尿路感染症の再発防止に予防的抗菌薬投与は有効である。

●逆流が高度な症例では手術治療が考慮される。

●排尿排便障害の存在を確認することが重要である。

81.尿管瘤—水腎症の精査時に尿管瘤が指摘され受診した患児です。

著者: 杉多良文

ページ範囲:P.318 - P.321

Point

●尿管瘤は瘤の解剖学的位置により,膀胱内尿管瘤と異所性尿管瘤に分類され,特に異所性尿管瘤は尿路感染症に対する管理を必要とする。

●膀胱尿管逆流の合併の有無や瘤所属腎機能などから総合的に判断し,手術法を選択する。

82.異所性尿管(尿管異所開口)—いつも下着が湿っている女児です。

著者: 杉多良文

ページ範囲:P.322 - P.325

Point

●超音波検査,排尿時膀胱尿道造影,腎シンチグラフィーを行い,腎・尿管・膀胱の形態,膀胱尿管逆流など下部尿路の合併疾患,腎機能の有無を調べる。

●単一腎の異所性尿管では温存すべき腎機能は認めず,腎摘除術を行うことが多い。

83.尿道下裂—外性器が男児か女児かわからない新生児です。

著者: 林祐太郎 ,   守時良演 ,   水野健太郎

ページ範囲:P.326 - P.331

Point

●両親は疾患,手術や検査,将来にわたる治療の方針についての説明を十分に受けられることを期待して受診するものである。

●書面あるいは簡単な冊子にしておくとインフォームド・コンセントに役立つ。

●尿道下裂といっても病態はさまざまなので,個々の患者の病態,環境,両親のニーズに沿って適切な説明ができるように心がける。

84.包茎—包皮を翻転すべきかどうか迷っている患児です。

著者: 林祐太郎 ,   黒川覚史 ,   水野健太郎

ページ範囲:P.332 - P.335

Point

●乳幼児の包皮が翻転できないのは,病的な状態ではない。

●無症状であれば,原則として小児包茎は治療を要しない。

85.アンドロゲン不応症—無月経を訴えている女子高校生です。

著者: 上仁数義

ページ範囲:P.336 - P.339

Point

●46, XY性分化疾患で,性腺は精巣である。アンドロゲン受容体異常が原因で完全型と部分型がある。完全型は,女児として養育され,無月経の精査で判明する。

●第二次性徴終了後,精巣摘除術を行い,女性ホルモン補充を行う。

86.先天性副腎過形成—陰核の肥大がある新生児です。

著者: 山口孝則

ページ範囲:P.340 - P.344

Point

●CAHのうち21-hydroxylase欠損症が約90%を占めて最も多く,常染色体劣性遺伝の形式をとる。

●女児では胎生期に過剰な副腎性アンドロゲンよる外性器の男性化がみられ,46, XX DSDの代表的な性分化疾患を呈す。

●新生児マススクリーニングによって早期診断,早期治療が可能となった。

●内分泌学的なホルモンコントロールが安定した後,女性化外陰部形成術として,生後早期に一期的に陰核形成術,腟形成術を施行する。

87.停留精巣—鼠径部に精巣を触知することができる生後6か月の患児です。

著者: 神沢英幸 ,   藤田圭治

ページ範囲:P.345 - P.348

Point

●精巣の触診に習熟し,正しく停留精巣を診断する。

●精巣の自然下降は生後6か月以降でほとんど期待できない。

●2歳頃までのなるべく早い時期に精巣固定術を行うべきである。

88.非触知精巣—右の精巣が触知できない患児です。

著者: 神沢英幸 ,   藤田圭治

ページ範囲:P.349 - P.352

Point

●患側鼠径部以外にも対側精巣など十分に診察し,必要に応じて画像診断を行う。

●非触知精巣では,腹腔鏡の診断に引き続き手術を行う。

89.移動性精巣—精巣が陰囊内と鼠径部を移動している患児です。

著者: 佐藤雄一 ,   胡口智之 ,   小島祥敬

ページ範囲:P.353 - P.355

Point

●移動性精巣は,確実な診断をつけることが重要であるが,定義と診断方法から鑑別が困難な症例も存在する。

●手術適応のある症例を見逃さないように,少なくとも年1回の定期的な診察を行うべきである。

90.夜尿症—小学2年生ですが,まだ夜尿症が治らないという患児です。

著者: 上仁数義

ページ範囲:P.357 - P.360

Point

●夜尿症は,患児,家族の生活の質に多大な影響を与えている。

●治療によって改善が期待できることから,希望があれば,経過観察せずに積極的に介入すべきである。

●1st lineの治療は,抗利尿ホルモンと夜尿アラームである。

91.神経因性膀胱—脊髄髄膜瘤に対して出生直後,脳神経外科で手術を行った患児です。

著者: 東武昇平 ,   野口満 ,   魚住二郎

ページ範囲:P.361 - P.365

Point

●脊髄髄膜瘤の尿路管理法は年齢層によってその目的に違いがある。

●フォローアップにおいては危険因子の有無に常に留意すべき。

●10歳以上で危険因子を有する症例は手術療法を検討すべき。

92.陰囊水瘤—近医で陰囊穿刺を行い水を抜いた患児です。

著者: 山口孝則

ページ範囲:P.366 - P.369

Point

●小児水瘤のほとんどは腹膜鞘状突起の閉鎖不全に伴い,内容液は腹腔内由来の鞘液である。

●透光性腫瘤が特徴で,超音波検査で診断は容易である。

●自然治癒傾向が強く,原則として早期治療の必要性はない。

●小児水瘤の多くは腹腔との交通性が大きな要因のため,穿刺は禁忌である。

●長期間緊満した水瘤,年長児で発症した大きな水瘤,陰囊から腹腔までおよぶ巨大交通性水瘤(ASH)などが手術適応である。

93.急性陰囊症—6時間前から右の陰囊部の痛みを訴えている患児です。

著者: 東武昇平 ,   野口満 ,   魚住二郎

ページ範囲:P.370 - P.373

Point

●急性陰囊症の診断において超音波カラードップラー検査の有用性は多い。

●突然の痛み,嘔気,嘔吐,精巣位置異常,挙睾筋反射消失は精巣捻転症を示唆する。

●精巣捻転症の疑いが否定できなければ,すみやかに手術を行うべきである。

12.そのほか

フリーアクセス

ページ範囲:P.375 - P.375

94.腎下垂(遊走腎)—長時間の立位で腰背部痛が増強するという患者です。

著者: 秦聡孝 ,   三股浩光

ページ範囲:P.376 - P.377

Point

●若いやせ型の女性の右腎に多く,腰背部痛,嘔気・嘔吐,血尿などの症状を呈しうる。

●症状を認める場合,ほかに原因疾患がないか,十分な除外診断を行う。

●診断には,IVUのほか,ドップラーエコーや腎シンチが有用である。

●手術適応は慎重に決定すべきである。腹腔鏡下腎固定術の有効性が報告されている。

95.水腎症—健康診断で水腎症を指摘されて受診した患者です。

著者: 森田伸也 ,   大家基嗣

ページ範囲:P.378 - P.380

Point

●水腎症の原因を明らかにし,その原因疾患に対する適切な治療を行わなければならない。

●臨床症状をふまえ,画像診断を中心に検査を進めていく。

96.後腹膜線維症(IgG4関連疾患を含む)—水腎症を指摘されて受診した患者です。

著者: 上平修

ページ範囲:P.381 - P.383

Point

●通常大動脈や総腸骨動脈周囲の炎症性線維組織が尿管を巻き込むことで絞扼が起こり,尿の通過障害を起こす。

●尿路閉塞の原因として結石,悪性腫瘍を除外した後の診断となる。

●腎機能障害があれば,応急的に尿管ステント留置か腎瘻の造設が必要である。

●確定診断には生検が必要であり,診断されればステロイドを中心とする薬物療法を行う。

●薬物に反応しなければ手術の適応となり,尿管剝離術(ureterolysis)と尿管の腹腔内化や大網や癒着防止フィルムによるラッピングを行う。

●自己免疫疾患やIgG4関連疾患との関係が報告されており,全身の検索も必要である。

97.血尿—運動後にだけ血尿が出ると訴えている患者です。

著者: 武藤智

ページ範囲:P.384 - P.387

Point

●運動性血尿の出現率はコンタクトスポーツでも非コンタクトスポーツでも同等である。

●血尿か,ヘモグロビン尿か,ミオグロビン尿なのか正確な診断は必須である。

●運動後の血尿であっても通常の血尿に対するマネージメントは必須である。

98.乳び尿—尿が白濁していると訴えている患者です。

著者: 武藤智

ページ範囲:P.388 - P.390

Point

●乳び尿とはリンパ管と尿路が交通した状態であり,熱帯性,非熱帯性がある。

●乳び尿の診断にはウルツマン法による尿混濁の鑑別法を行う。

●自然寛解することも少なくない1)

99.ストーマ周囲炎—難治性の回腸導管のストーマ周囲炎を訴えている患者です。

著者: 篠原信雄 ,   秋田珠実

ページ範囲:P.391 - P.393

Point

●ストーマ周囲炎の重大性を十分理解し,患者の苦痛を理解する必要がある。

●ストーマ周囲炎の発症原因を十分検討し,それに合わせた対象法を実施する必要がある。

●治療に当たってはWOC認定看護師やストーマ管理に精通したスタッフとともに,チーム医療としてストーマ周囲炎に対応する。

100.エキノコックス—北海道居住歴よりエキノコックスが疑われる患者です。

著者: 丸晋太朗 ,   篠原信雄

ページ範囲:P.394 - P.397

Point

●非典型的な多房性の囊胞性病変を認める場合は,本症を念頭に置くことが重要である。

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編集後記 フリーアクセス

ページ範囲:P.398 - P.398

基本情報

臨床泌尿器科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1332

印刷版ISSN 0385-2393

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76巻3号(2022年3月発行)

特集 Female Urologyの蘊奥―積み重ねられた知恵と技術の活かし方

76巻2号(2022年2月発行)

特集 尿路性器感染症の治療薬はこう使う!―避けては通れないAMRアクションプラン

76巻1号(2022年1月発行)

特集 尿道狭窄に対する尿道形成術の極意―〈特別付録Web動画〉

75巻13号(2021年12月発行)

特集 困った時に使える! 泌尿器科診療に寄り添う漢方

75巻12号(2021年11月発行)

特集 THEロボット支援手術―ロボット支援腎部分切除術(RAPN)/ロボット支援膀胱全摘除術(RARC)/新たな術式の徹底理解〈特別付録Web動画〉

75巻11号(2021年10月発行)

特集 THEロボット支援手術―現状と展望/ロボット支援前立腺全摘除術(RARP)の徹底理解〈特別付録Web動画〉

75巻10号(2021年9月発行)

特集 今こそ知りたい! ロボット時代の腹腔鏡手術トレーニング―腹腔鏡技術認定を目指す泌尿器科医のために〈特別付録Web動画〉

75巻9号(2021年8月発行)

特集 ED診療のフロントライン―この一冊で丸わかり!

75巻8号(2021年7月発行)

特集 油断大敵! 透析医療―泌尿器科医が知っておくべき危機管理からトラブル対処法まで

75巻7号(2021年6月発行)

特集 前立腺肥大症(BPH)薬物治療のニューノーマル―“とりあえず”ではなくベストな処方を目指して

75巻6号(2021年5月発行)

特集 躍動するオフィスウロロジー―その多様性に迫る!

75巻5号(2021年4月発行)

特集 前立腺癌のバイオロジーと最新の治療―いま起こりつつあるパラダイムシフト

75巻4号(2021年4月発行)

増刊号特集 泌尿器科当直医マニュアル

75巻3号(2021年3月発行)

特集 斜に構えて尿路結石を切る!―必ず遭遇するイレギュラーケースにどう対処するか?

75巻2号(2021年2月発行)

特集 複合免疫療法とは何か? 腎細胞癌の最新治療から学ぶ

75巻1号(2021年1月発行)

特集 朝まで待てない! 夜間頻尿完全マスター

74巻13号(2020年12月発行)

特集 コロナ時代の泌尿器科領域における感染制御

74巻12号(2020年11月発行)

特集 泌尿器科医のためのクリニカル・パール―いま伝えたい箴言・格言・アフォリズム〈下部尿路機能障害/小児・女性・アンドロロジー/結石・感染症/腎不全編〉

74巻11号(2020年10月発行)

特集 泌尿器科医のためのクリニカル・パール―いま伝えたい箴言・格言・アフォリズム〈腫瘍/処置・救急・当直編〉

74巻10号(2020年9月発行)

特集 令和最新版! 泌尿器がん薬物療法―手元に置きたい心強い一冊

74巻9号(2020年8月発行)

特集 泌尿器腫瘍の機能温存手術―知っておくべき適応と限界

74巻8号(2020年7月発行)

特集 これが最新版! 過活動膀胱のトリセツ〈特別付録Web動画〉

74巻7号(2020年6月発行)

特集 小児泌尿器科オープンサージャリー―見て学ぶプロフェッショナルの技〈特別付録Web動画〉

74巻6号(2020年5月発行)

特集 高齢患者の泌尿器疾患を診る―転ばぬ先の薬と手術

74巻5号(2020年4月発行)

特集 ここが変わった! 膀胱癌診療―新ガイドラインを読み解く

74巻4号(2020年4月発行)

増刊号特集 泌尿器科診療の最新スタンダード―平成の常識は令和の非常識

74巻3号(2020年3月発行)

特集 泌尿器科手術に潜むトラブル―エキスパートはこう切り抜ける!

74巻2号(2020年2月発行)

特集 いま話題の低活動膀胱―これを読めば丸わかり!

74巻1号(2020年1月発行)

特集 地域で診る・看取る緩和ケア―泌尿器科医として知っておくべきこと

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