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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科69巻4号

2015年04月発行

増刊号特集 泌尿器科外来パーフェクトガイド—誰にでもすぐに使える!

8.腎不全

65.急性腎障害(薬剤性)—造影剤投与後に尿量の減少および浮腫をきたした患者です。鑑別診断と対処法について教えてください。

著者: 小松康宏1

所属機関: 1聖路加国際病院腎臓内科

ページ範囲:P.254 - P.256

文献概要

Point

●造影剤投与後72時間以内に血清Cr値が前値より0.5mg/dL以上または25%以上増加し,他の原因がなければ造影剤腎症と診断される。尿量減少が生じた場合には造影剤腎症を含めた急性腎障害の鑑別診断と治療を行う。

●いったん発症した造影剤腎症に対する特異的治療はない。全身状態を安定させ,腎機能回復を待つが,稀に透析療法が必要になることもある。一時的に腎機能が低下しても,いずれ回復することが多い。

●造影剤腎症のリスクある患者に対して造影剤を使用する際には,予防策を講じる。

●急性腎障害の諸症状には対症療法を行うが,効果がなければ透析療法を検討する。

参考文献

1)日本腎臓学会,日本医学放射線学会,日本循環器学会(編):腎障害患者におけるヨード造影剤使用に関するガイドライン.東京医学社,東京,2012
2)KDIGO:Contrast-induced AKI. Kidney Int Suppl 2:69-88, 2012
3)Berns AS:Nephrotoxicity of contrast media. Kidney Int 36:730-740, 1989
4)Rudnicck MR:Contrast-induced nephropathy. Clin J Am Soc Nephrol 3:261-262, 2008
5)Nomura S, Taki F, Tamagaki K, et al:Renal outcome of contrast-induced nephropathy after coronary angiography in patients with chronic kidney disease. Int J Cardiol 146:295-296, 2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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