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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科69巻6号

2015年05月発行

文献概要

原著

手術を要した急性陰囊症の検討

著者: 渡邊絢子1 松田博幸1 三橋公美1

所属機関: 1JCHO札幌北辰病院泌尿器科

ページ範囲:P.499 - P.502

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 急性陰囊症には精巣捻転,精巣垂捻転,精巣上体垂捻転,精巣上体炎,および精巣炎などがあるが,必ずしも診断は容易でない。当院で2009年5月〜5年間に外科的治療を要した13例を検討したところ,精巣捻転5例,精巣垂捻転4例,精巣上体垂捻転2例,陰囊水腫の感染1例,精巣破裂1例であった。すべての症例は手術により診断が確定した。精巣捻転5例のうち6時間以内に手術を行った1例と不全捻転の1例は精巣を温存できた。精巣垂捻転,精巣上体垂捻転の症例はすべて手術後症状が改善した。若年者の急激な陰囊痛では本疾患を疑い可及的すみやかに手術を行うべきである。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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