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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科69巻9号

2015年08月発行

特集 誰も教えてくれなかった緩和医療—最新知識と実践

Ⅳ.求められる看取りのあり方

苦痛緩和のための鎮静

著者: 池永昌之1

所属機関: 1淀川キリスト教病院ホスピス・こどもホスピス病院

ページ範囲:P.786 - P.789

文献概要

要旨 緩和医療における鎮静は,「苦痛を緩和することを目的として,患者の意識を低下させる薬物を投与する,あるいは,薬物による意識低下を意図的に容認すること」と定義されている。鎮静ガイドライン(日本緩和医療学会)では,終末期がん患者のうち20〜35%は鎮静が必要であるのではないかと見積もっている。また,苦痛緩和のための鎮静は,主に鎮静の深さ(深い鎮静か浅い鎮静か)と持続時間(持続的鎮静か間欠的鎮静か)で分類される。ミダゾラムが持続的・間欠的を問わず深い鎮静では最も報告が多く,第一選択薬となる。終末期がん患者に対して適切な鎮静を行うことによって,極端に生命予後を短縮することはないということが,鎮静ガイドラインでは示されている。

参考文献

1)日本緩和医療学会緩和医療ガイドライン作成委員会(編):苦痛緩和のための鎮静に関するガイドライン 2010年度版.金原出版,東京,2010
2)de Graeff A and Dean M:Palliative sedation therapy in the last weeks of life:a literature review and recommendations for standards. J Palliat Med 10:67-85, 2007
3)Morita T:Differences in physician-reported practice in palliative sedation therapy. Support Care Cancer 12:584-592, 2004
4)Cowan JD and Walsh D:Terminal sedation in palliative medicine-definition and review of the literature. Support Care Cancer 9:403-407, 2001
5)Morita T, Chinone Y, Ikenaga M, et al:Ethical validity of palliative sedation therapy:a multicenter, prospective, observational study conducted on specialized palliative care units in Japan. J Pain Symptom Manage 30:308-319, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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