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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科70巻2号

2016年02月発行

特集 ここが知りたい! 筋層非浸潤性膀胱癌─エキスパートが答える日常診療の疑問点

企画にあたって フリーアクセス

著者: 西山博之1

所属機関: 1筑波大学医学医療系腎泌尿器外科学分野

ページ範囲:P.115 - P.115

文献概要

 膀胱癌は,われわれ泌尿器科医が遭遇する最も頻度の高い悪性腫瘍の1つです.膀胱癌の診断や治療に関して多くのエビデンスが蓄積されるなかで,診断および治療の指針としてEAUガイドライン,NCCNガイドライン,そして日本泌尿器科学会が主導で作成している膀胱癌診療ガイドラインがあります.しかし,欧米のガイドラインと内容的に異なる部分もあり,膀胱癌の診断と治療においては日常診療上多くの疑問を感じておられる先生方も多いかと思われます.

 筋層非浸潤性膀胱癌(non-muscle invasive bladder cancer : NMIBC)に焦点をしぼって考えると,一般に治療方針は,膀胱内再発,進展のリスク,病理診断などに応じて推奨されています.しかし,各ガイドラインを比較すると,リスク分類はそれぞれ異なりますし,EAUガイドラインでは毎年更新されるなかで変化してきております.また,膀胱内再発や進展のリスク自体が,2nd-TURの有無や膀胱内注入療法の有無などの治療内容により大きく影響されます.さらに,リスク分類の基礎となる病理診断自体の問題として,T1症例に対する2nd-TURの病理結果を用いたサブ分類や上皮内癌の診断のための生検の適応,grade分類の問題なども看過できません.ほかにも,高リスクNMIBCに対してはBCG膀胱内注入療法,特に維持療法が推奨されるようになってきましたが,副作用の問題もありますし,BCG膀胱内注入療法後の再発症例ではどのような場合に膀胱全摘が必要になるかなど,悩みは尽きません.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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