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増刊号特集 泌尿器科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド 1 尿路・性器の感染症 尿路感染症
急性前立腺炎
著者: 富田祐司1 近藤幸尋2
所属機関: 1日本医科大学武蔵小杉病院泌尿器科 2日本医科大学医学部泌尿器科学教室
ページ範囲:P.22 - P.24
文献購入ページに移動急性前立腺炎は腸内細菌を主とした前立腺の感染症である.原因菌の約60%が大腸菌,20%がほかのグラム陰性桿菌,約20%がグラム陽性球菌と報告されている.発熱・悪寒・倦怠感などの全身症状と,排尿痛・排尿困難・尿意切迫感・頻尿・会陰部痛などの局所症状がみられる.尿検査では膿尿と細菌尿を認め,直腸診で前立腺の圧痛・熱感・腫脹を認める.前立腺マッサージは敗血症を誘発するため禁忌である.
治療薬の選択のため,尿培養・薬剤感受性試験は行うべきであり,全身症状が強く敗血症を疑う症例では血液培養も行う.急性前立腺炎の1〜2%で前立腺膿瘍を併発し,経直腸的前立腺超音波検査が有用な検査となる.膿瘍を認めた場合には外科的ドレナージが必要になる.尿閉を来した場合には膀胱瘻造設が望ましいが,造設困難な場合には尿道カテーテルを留置する.
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