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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科70巻4号

2016年04月発行

増刊号特集 泌尿器科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド

4 尿路結石症

尿路結石による疼痛発作

著者: 柑本康夫1

所属機関: 1和歌山県立医科大学泌尿器科

ページ範囲:P.84 - P.86

文献概要

疾患の概要

 腎臓内の結石は症状のないことが多いが,結石が腎盂尿管移行部や尿管に下降し嵌頓すると,疼痛発作を来す.腎盂尿管移行部から上部尿管では側腹部から背部に疼痛を生じ,中部から下部尿管では下腹部痛や外陰部への放散痛を伴うこともある.疼痛発作の機序は,尿路の急激な閉塞による腎盂内圧の上昇および腎被膜の過伸展,結石による尿管粘膜の損傷および尿管攣縮によるとされている.この疼痛は激烈なものであり,数時間から半日程度持続し,いったん消失しても繰り返し発作を起こすこともある.また,腎被膜と腸管は共通の内臓神経に支配されているため,尿路結石の疼痛発作に嘔気や嘔吐を伴うこともある.このため,消化器疾患との鑑別が重要であるが,尿路結石では強い疼痛にもかかわらず,腹膜刺激症状がみられないのが特徴的である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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