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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科70巻4号

2016年04月発行

増刊号特集 泌尿器科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド

4 尿路結石症

カルシウム結石

著者: 柑本康夫1

所属機関: 1和歌山県立医科大学泌尿器科

ページ範囲:P.87 - P.90

文献概要

疾患の概要

 尿路結石の90%以上はカルシウム結石であり,ほとんどはシュウ酸カルシウム結石が主成分である.その形成過程は,尿中でシュウ酸カルシウムが過飽和状態となると結晶核が形成され,これが成長・凝集し,さらに有機物質も取り込みながら結石形成に至ると考えられている.カルシウム結石の主な成因は,こうした結石形成過程を促進あるいは抑制する物質の尿中排泄量の多寡によるものであり,高カルシウム尿(症),高シュウ酸尿(症),高尿酸尿,低クエン酸尿,低マグネシウム尿などの病態(疾患)が挙げられる.また,シュウ酸カルシウム結石では原発性高シュウ酸尿症や腸性高シュウ酸尿症,リン酸カルシウム結石では原発性副甲状腺機能亢進症,腎尿細管性アシドーシスなどの基礎疾患がみられることもある.ESWLや内視鏡手術の発展により結石の除去は容易になったが,結石形成の原因となっている病態・疾患が改善されない限り再発は避けられず,カルシウム結石の5年再発率は約45%とされている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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