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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科70巻4号

2016年04月発行

増刊号特集 泌尿器科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド

4 尿路結石症

尿酸・シスチン結石

著者: 柑本康夫1

所属機関: 1和歌山県立医科大学泌尿器科

ページ範囲:P.91 - P.93

文献概要

疾患の概要

 尿酸結石は尿路結石の約5%を占め,40〜50歳台の男性に好発する.尿酸結石の成因は,尿量低下,酸性尿,高尿酸尿である.尿酸の溶解度は尿pHに大きく依存しており,pH5の酸性尿下ではほとんどの人の尿は溶解度を超えることになる.また,多くの尿酸結石患者において尿中尿酸排泄量は正常で,持続的な酸性尿がみられることから,上述の成因のうち酸性尿が最も重要と考えられる.酸性尿の原因としては,動物性タンパク質の過剰摂取,肥満,メタボリックシンドローム,炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病など),小腸瘻造設術などが挙げられる.

 シスチン結石は尿路結石の1〜2%を占め,常染色体劣性遺伝性疾患のシスチン尿症が原因である.腎近位尿細管における再吸収障害により二塩基性アミノ酸が尿中に多量に排泄され,特に溶解度の低いシスチンの結石が形成される.若年性に発症し,再発率も高いのが特徴である.尿酸と同様にシスチンも酸性尿で溶解度が低くなる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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