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増刊号特集 泌尿器科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド 7 性機能障害
勃起障害
著者: 久末伸一1
所属機関: 1順天堂大学医学部泌尿器外科学講座
ページ範囲:P.134 - P.136
文献購入ページに移動勃起障害または勃起不全(erectile dysfunction : ED)はNIHコンセンサス会議では,「満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないか,または維持できない状態」と定義されている.わが国におけるEDの有病者数は,中等度EDが約870万人,完全EDが約260万人で,合わせて約1130万人と推定されている.とりわけ高齢化の著しいわが国では,今後さらに有病者数が増えることが予測されている.
EDと心血管疾患はリスクファクターを共有しており,これらのリスクファクターのうち,喫煙,高血圧,糖尿病は全身の血管内皮細胞を障害する要因とされている.以上より,内服加療を行う場合も血管をターゲットとする薬剤が中心となる.機能性(心因性)と区別される器質性のEDでは,これら血管性EDのほかに,神経性ED,解剖性ED,内分泌性EDに大きく分けられる.
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