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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科70巻4号

2016年04月発行

増刊号特集 泌尿器科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド

8 腎機能障害

慢性腎臓病(CKD)

著者: 岡田浩一1

所属機関: 1埼玉医科大学医学部腎臓内科

ページ範囲:P.150 - P.153

文献概要

疾患の概要

 慢性腎臓病(chronic kidney disease : CKD)は「腎障害を示唆する検査所見(検尿異常,画像異常,血液異常,病理所見など)の存在とGFR 60mL/分未満のいずれか,もしくは両方が3か月以上持続する状態」と定義され,末期腎不全および心血管病(cardiovascular disease : CVD)のリスク因子である.CKDと,あえて非特異的な病名を提唱した背景には,①原疾患に関わらない末期腎不全の予備軍としての位置づけを明瞭にし,②糖尿病,高血圧,脂質異常症などと並ぶCVDのリスク因子としての認識を確立することで,より早期からの介入を促進するという目的があった.

 リスク因子としての重要度は,GFRによって定義されるG区分と蛋白尿によって定義されるA区分によって各ステージがマトリックス化されており,表1において危険度が高いステージほど濃い色で示されている.CKDは原則として原疾患を問わない概念だが,糖尿病は例外的にリスクをさらに高くする因子であり,できる限り付記することとなっている.CKD患者に対する治療に関しては,それぞれの原疾患に特異的な治療に加え,すべてのCKD患者に共通する,蛋白尿を減らし,GFRの低下を抑え,CVD合併を予防するための一般的な治療が挙げられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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