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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科70巻4号

2016年04月発行

増刊号特集 泌尿器科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド

10 周術期 ハイリスク患者の管理

透析・慢性腎不全の患者

著者: 杉田慎二1 市場晋吾1

所属機関: 1日本医科大学付属病院外科系集中治療科

ページ範囲:P.268 - P.271

文献概要

疾患の概要

 腎機能が残存している慢性腎不全の患者の周術期管理で重要なことは,残存している腎機能をそれ以上悪化しないように維持することである.慢性腎不全における腎機能悪化のほかの原因としては,腎血流が直接的に減少する病態(心拍出量の低下や腎血流低下など)が生じることのほかに,腎毒性薬物の使用や感染症,高カルシウム,高尿酸血症が挙げられる.術前に腎機能を悪化させうる原因があれば,それを除去する必要がある.

 血清クレアチニン濃度だけでは正確な腎機能評価はできないが,わが国では日本腎臓病学会が発表している推定CCr(eGFR)の式が臨床的に使われている(表1).さらに,クレアチニンクリアランスにおいても正確なGFRを反映しない場合があることを念頭に置く必要がある.日本人におけるGFR推定式は,男性 : eGFR(mL/分/m2)=194×Cr−1.094×年齢−0.287,女性 : eGFR(mL/分/m2)=194×Cr−1.094×年齢−0.287×0.739である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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