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増刊号特集 泌尿器科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド 11 併存疾患 消化器系
胃炎
著者: 水城啓1
所属機関: 1けいゆう病院消化器内科
ページ範囲:P.322 - P.325
文献購入ページに移動近年,胃粘膜障害の主な原因はピロリ菌感染および薬剤性(非ステロイド消炎鎮痛薬=NSAIDsおよび低用量アスピリン=low dose aspirin : LDA)とされる.以前はピロリ菌感染によるものが多かったが,除菌療法が普及した最近ではNSDAIDsによるものが急増している.
ピロリ感染は当初,消化性潰瘍の原因とされていたが,のちにMALTリンパ腫や突発性血小板減少症,慢性蕁麻疹などとの関連が報告された.最近では胃癌との関連が明らかとなり,ピロリ菌除菌はかつて消化性潰瘍の再発予防のためであったが,現在では胃癌予防が主体となっている.ピロリ感染は幼年期までに経口感染するとされ,成人での感染や除菌後の再感染はないとされる.また,衛生環境の改善に伴い,若年者の感染率は急速に低下している.
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