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増刊号特集 泌尿器科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド 11 併存疾患 消化器系
便秘
著者: 水城啓1
所属機関: 1けいゆう病院消化器内科
ページ範囲:P.330 - P.333
文献購入ページに移動便秘は糞便の腸管内への異常な停留あるいは腸管内通過時間の異常な延長があり,便通の回数と排便量が減少した状態を指す.その定義について,日本内科学会は「便通の回数が週3日未満で,1回の排便量が35g以下」,日本消化器病学会では「便通が数日に1回程度かつ排便間隔が不規則で,便の水分含有量が低下している状態」としている.実際には慢性便秘の診断は,患者の主観的訴えに基づくことが多く,定義は「排便回数の減少」と「排便困難」である.
便秘における注意点は,続発性便秘である薬剤性(抗コリン薬,オピオイド,カルシウム拮抗薬,ビンカアルカロイド,向精神薬,筋弛緩薬など)や糖尿病,甲状腺疾患,パーキンソン症候群を見逃さないことである.また,高齢者における急性便秘(便通の変化)や下血などは大腸癌のリスクが高いため,内科へ紹介すべきである.
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