文献詳細
文献概要
特集 備えて安心! 泌尿器外傷の管理マニュアル
企画にあたって フリーアクセス
著者: 中島洋介1
所属機関: 1済生会横浜市東部病院泌尿器科
ページ範囲:P.207 - P.207
文献購入ページに移動救急医療の供給体制は,医療施設あるいは地域によって整備状況が異なる.大都市圏の中核病院であれば,救急科を中心とする診療体制が整っており,初療は救急医,外傷外科医が対応してくれるだろうが,救急専門医の少ない地方病院などでは,泌尿器科医が初療を担当せざるを得ない状況も発生する.そこで,一般泌尿器科医に必要な救急初療の実際を学んでいただく意義は大きく,今回,救急専門医に外傷初期診療をわかりやすくご教授いただいた.さらに,上述した腎外傷や骨盤外傷の治療においては,IVRとしての経カテーテル動脈塞栓術(transcatheter arterial embolization : TAE)がきわめて重要な位置づけであり,IVR専門医にもご登場願って泌尿器外傷におけるIVRの現状をご解説いただいた.また,泌尿器科医が日常診療のなかで,あるいは自らの処置中・術中に泌尿器科臓器を医原性に損傷させる状況も実は多く,適切な治療方法を知っておく必要がある.例えば,尿道カテーテルの不適切な挿入により尿道出血,尿道損傷,偽尿道を形成した場合の対応,TUR-BTやHoLEPなどの経尿道的手術の際に膀胱を損傷した場合の対応などが当てはまろう.
掲載誌情報