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雑誌目次

雑誌文献

臨床泌尿器科71巻4号

2017年04月発行

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増刊号特集 泌尿器科検査パーフェクトガイド

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著者:

ページ範囲:P.3 - P.3

Ⅰ知っておきたい泌尿器科検査の手順のコツ

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著者:

ページ範囲:P.7 - P.7

[1]検体検査

検尿

著者: 白石晃司

ページ範囲:P.8 - P.9

ここがポイント
◉尿検査は試験紙および沈渣の判定をもとに,検体(新鮮尿か蓄尿か,早朝か随時か)や患者の状態(基礎疾患や内服の有無など)を総合的に判断し,診断の一助とする.
◉シスチン,シュウ酸カルシウム,尿酸およびstruviteの結晶はしばしば遭遇し,形状の鑑別により治療方針の決定へと直結するため,必ず鑑別するようにする.
◉細菌尿や白血球の存在は必ずしも病的な状態を示すわけではなく,患者の状態に応じて抗菌薬投与の決定がなされるべきである.

尿培養検査

著者: 松本正広 ,   濵砂良一

ページ範囲:P.10 - P.14

ここがポイント
◉尿路性器感染症を引き起こす原因微生物では,薬剤耐性菌が分離される割合が高くなってきている.
◉尿培養検査は,尿路性器感染症を適切に治療するうえで必須の検査である.さらに,感染制御という観点からも重要である.
◉中間尿で105CFU(colony forming unit)/mL以上の細菌を認めた場合,尿路性器感染症の原因菌と考えてよい.ただし,症状が強い急性単純性膀胱炎,急性単純性腎盂腎炎では,それぞれ103CFU/mL以上,104CFU/mL以上の細菌を認めれば,原因菌と考える.

尿道分泌物の検査

著者: 松本正広 ,   濵砂良一

ページ範囲:P.16 - P.18

ここがポイント
◉性感染症(sexually transmitted infection : STI)としての尿道炎診断には,尿道分泌物の検査はきわめて重要である.
◉尿道炎は,淋菌性尿道炎と非淋菌性尿道炎とに分類され,非淋菌性尿道炎のうちクラミジアが検出されるものをクラミジア性尿道炎,検出されないものを非クラミジア性非淋菌性尿道炎と呼ぶ.
◉オーラルセックスや男性同性愛者によるアナルセックスなど,性行動の多様化とともに,性器以外からもSTI原因微生物が検出されることがある.
◉クラミジアは培養が難しいため,主に核酸増幅法によって検出する.

前立腺液検査

著者: 松本正広 ,   濵砂良一

ページ範囲:P.20 - P.22

ここがポイント
◉前立腺液は,前立腺を圧出(前立腺マッサージ)した際に得られ,前立腺圧出液(expressed prostatic secretion : EPS)と同義語として使用される.
◉前立腺液は主に慢性前立腺炎の診断に用いられる.
◉前立腺炎の診断にはEPSを含む4-glass testが用いられてきたが,近年2-glass test(pre and post massage test : PPMT)が行われ,EPSは用いられなくなっている.
◉EPSからは前立腺炎の原因となる微生物が分離されることがある.

精液検査

著者: 白石晃司

ページ範囲:P.23 - P.24

ここがポイント
◉精液検査は男性不妊外来において必須の検査であり,複数回の測定が望ましく,採取時の状況をチェックする.
◉スクリーニングでは精液量,精子濃度および運動率が重要項目であり,精子形態については大雑把な評価とする.
◉精液所見が正常値であることは男性因子の存在しないことを意味しない.運動精子数が多いほど,不妊治療の成績は向上する.

[2]腎機能検査

腎機能検査

著者: 小島智亜里 ,   岡田浩一

ページ範囲:P.25 - P.28

ここがポイント
◉尿量減少,尿異常・画像検査異常を伴う場合,血清クレアチニン(Cr)値を測定し,腎機能低下のスクリーニングを行う.
◉血清Cr値のみで腎機能を評価することはせず(特に筋肉量の少ない高齢者),必ず推算GFR値を算出して評価する.
◉早期の腎機能障害発見のために,シスタチンC測定を考慮する.

[3]内分泌機能検査

間脳─下垂体─性腺系の検査

著者: 田村秀樹

ページ範囲:P.29 - P.31

ここがポイント
◉性腺機能低下症が疑われた場合,まずLH,FSH,テストステロンの測定を午前中(9時まで)に行う.
◉LH・FSHが高値,テストステロンが正常から低値の場合には,原発性性腺機能低下症,LH・FSHが正常から低値,テストステロン低値の場合には視床下部・下垂体障害を疑う.
◉視床下部・下垂体性の場合,鑑別のために刺激試験を行う.

間脳─下垂体─副腎皮質系の検査

著者: 田村秀樹

ページ範囲:P.32 - P.36

ここがポイント
◉視床下部─下垂体─副腎皮質系の検査はストレスの影響を強く受けるので,検査時,結果の判定の際は注意を要する.
◉泌尿器科的に視床下部─下垂体─副腎皮質系の検査が必要な場合,副腎に腫瘍性疾患を認める場合が多く,クッシング症候群の鑑別が必要となる.
◉両側副腎に大きな占拠性病変を認める場合,原発性副腎皮質機能低下症の可能性も考慮する.

副腎髄質の検査

著者: 田辺晶代

ページ範囲:P.37 - P.38

ここがポイント
◉血中カテコラミンは変動が大きく,健常者でも基準値上限値の2〜3倍の値がみられることがあるため,褐色細胞腫を診断する際は基準値上限の3倍以上の高値が反復して確認された場合に陽性とする.
◉カテコラミン過剰症に対する外来での簡便なスクリーニングには,酸性蓄尿を必要としない随時尿中M,NM(尿中クレアチニン補正値)測定が有用である.
◉明らかなカテコラミン過剰が疑われる場合は,レギチーン®試験は急激な血圧低下,グルカゴン試験,メトクロプラミド試験は高血圧クリーゼを誘発するため,施行すべきではない.

レニン─アンジオテンシン─アルドステロン系の検査

著者: 田辺晶代

ページ範囲:P.39 - P.41

ここがポイント
◉高血圧,血清カリウム値異常の鑑別診断や病態把握の際には,血漿アルドステロン濃度(PAC)と血漿レニン活性(PRA)あるいは血漿レニン濃度(ARC)を同時に測定する.
◉PAC高値かつPRA低値の場合は,原発性アルドステロン症,PAC・PRAともに高値の場合は,続発性アルドステロン症を疑う.
◉PAC,PRA,ARC,PAC/PRA比は種々の要因で変動するため,疑わしい症例では反復して検査を行う.

副腎静脈サンプリング

著者: 工藤正孝 ,   高瀬圭 ,   佐藤文俊

ページ範囲:P.42 - P.44

ここがポイント
◉手術適応と考えられる「原発性アルドステロン症」においては,副腎静脈サンプリング(adrenal venous sampling : AVS)での局在診断が積極的に推奨されている.
◉Lateralized ratio(LR),Contralateral ratio(CR)といった指標が,左右の副腎でのアルドステロン過剰分泌側の局在を判定する基準に用いられている.
◉AVSの成功のカギは右副腎静脈へのカテーテルの正確な挿入であり,MDCTによる事前の静脈走行のマッピングや,静脈形状に合わせたカテーテルの選択がポイントとなる.

[4]超音波検査

陰囊超音波検査

著者: 中村晃和

ページ範囲:P.45 - P.47

ここがポイント
◉触診に引き続き,すぐに行うことができる簡便かつ有用な検査である.7.5HMz程度の高周波数リニア探触子を用いる.患側のみならず対側も検査を行い,左右差を確認する.
◉カラードプラ法やパワードプラ法が鑑別に有用な場合が多く,ルーティンで行うべき検査である.
◉精巣捻転症と精巣垂捻転症,精巣腫瘍と精巣上体炎など,診断を誤ると重篤な事態を招きかねないので,慎重に検査を行う必要がある.

腹部超音波検査

著者: 齋藤一隆

ページ範囲:P.48 - P.51

ここがポイント
◉超音波検査は,簡便にリアルタイムに病変が描出できる低侵襲な画像検査法であり,画像診断が必要な泌尿器科疾患のほぼすべてに有用である.
◉基本的な各臓器の走査法,各疾患の画像所見とともに,超音波検査の短所・適応の限界についても理解することが重要である.
◉超音波検査は診断のみでなく,穿刺などのインターベンション時の画像ガイドとしても用いられるため,正常構造を含めた超音波解剖をよく理解する.

経直腸超音波検査

著者: 齋藤一隆

ページ範囲:P.52 - P.54

ここがポイント
◉経直腸超音波検査は,経腹超音波法と比較し,前立腺の内部構造の描出に優れ,前立腺癌などの前立腺疾患の画像診断に有用である.
◉生検や小線源療法などのインターベンションにも用いられることより,泌尿器科医にとって習得が望まれる検査法である.
◉直腸内へのプローブ挿入という侵襲操作を伴うことと,再現性の高い画像所見を得るために丁寧なプローブ操作を心がける.

[5]X線検査

排泄性尿路造影

著者: 濵本周造

ページ範囲:P.55 - P.56

ここがポイント
◉主な検査目的は,血尿のスクリーニング検査,腰背部痛や繰り返す尿路感染の原因精査,腎尿路腫瘍の検出,下部尿路排尿障害の原因検索などである.
◉検査の途中に透視画像を確認し,尿路通過障害による造影剤の排泄遅延を認めた場合は,さらに時間をおいて追加撮影を行う.
◉撮影時間ごとに所見が異なることを理解し,尿路の形態や腎機能の左右差から,疾患を鑑別する.

腎盂造影

著者: 濵本周造

ページ範囲:P.57 - P.59

ここがポイント
◉上部尿路の病変が疑われているが,IVPで十分な情報が得られない症例,造影剤アレルギーや腎機能障害によりIVPができない患者に対して適応となる.
◉腎盂まで尿管カテーテルを挿入するため,尿の培養検査や細胞診検査で有用な情報を得ることができる.
◉腎盂造影は,2〜3倍に希釈した造影剤を,透視下に空気が混入しないように注入する.均等に腎盂を造影するためには,造影剤の吸引,注入操作を適宜繰り返しながら行う必要がある.

膀胱尿道造影

著者: 北雅史 ,   柿崎秀宏

ページ範囲:P.60 - P.63

ここがポイント
◉造影前に単純写を必ず撮影する.
◉目的とする造影像が一番よく描出される体位と撮影範囲を調整する.
◉特に女性や子どもの患者の際は,極力心理的負担の少ない検査環境を整える.

[6]核医学的検査

腎シンチグラフィ

著者: 織内昇

ページ範囲:P.64 - P.66

ここがポイント
◉腎動態シンチグラフィでは,左右の腎血流や機能を個別に評価できる.
◉多くの要因で変動する血清クレアチニンと異なり,再現性のよい定量値が得られる.
◉閉塞性障害では,利尿シンチグラフィにより機能的な狭窄や器質的狭窄の可逆性の判断に役立つ.
◉腎静態シンチグラフィは,膀胱尿管逆流などによる腎の瘢痕形成を診断できる.

副腎シンチグラフィ

著者: 中嶋憲一

ページ範囲:P.67 - P.69

ここがポイント
123I-メタヨードベンジルグアニジン(MIBG)を用いた副腎髄質・神経内分泌腫瘍イメージングと131I-アドステロール®を用いた副腎皮質機能に関するイメージングとがある.
◉副腎腫瘍の機能的特徴から診断に近づくことができる.

骨シンチグラフィ

著者: 中嶋憲一

ページ範囲:P.70 - P.71

ここがポイント
◉骨転移の全身検索として,第一選択の検査法である.
◉腫瘍性以外での集積の可能性に注意する.
◉骨転移量のマーカーであるBSI(bone scan index)が治療効果判定には有用である.

副甲状腺シンチグラフィ

著者: 中嶋憲一

ページ範囲:P.72 - P.73

ここがポイント
◉副甲状腺シンチグラフィには,最近は99mTc-メトキシイソブチルイソニトリル(MIBI)が用いられることが多い.
◉副甲状腺の本来の部位や異所性の腺腫の検出に有効である.
◉二相イメージングによる後期像の集積残存が判定に用いられる.

FDG-PET/CT

著者: 織内昇

ページ範囲:P.74 - P.76

ここがポイント
◉FDG-PETはCTやMRIと異なり,細胞のブドウ糖代謝を画像化する代謝による診断である.
◉良悪性判断による病期診断や化学放射線療法の効果判定に役立つ.
◉尿路排泄のため,尿路上皮癌の診断は困難である.

[7]尿流動態検査

尿流動態検査

著者: 和田直樹 ,   柿崎秀宏

ページ範囲:P.77 - P.84

ここがポイント
◉尿流測定は,さまざまな下部尿路機能障害を診断するうえでスクリーングとして行われることが多いが,尿流測定のみで膀胱の収縮力障害や尿道抵抗の異常は判断できない.
◉膀胱の蓄尿機能は膀胱内圧測定,下部尿路閉塞や膀胱の収縮力は内圧尿流同時測定,尿道抵抗は尿道内圧測定,外尿道括約筋の活動異常は括約筋筋電図によってそれぞれ判定可能である.
◉尿流動態検査は非生理的環境下で行われるため,その結果は臨床所見と照らし合わせて,総合的・包括的に解釈されなければならない.

[8]内視鏡検査

膀胱尿道鏡検査

著者: 吉田健志

ページ範囲:P.85 - P.87

ここがポイント
◉検査中の患者への声がけや環境づくり(音楽)など,疼痛への配慮が重要である.
◉遠近の視野を上手く使い分ける.
◉内視鏡グリップ/光学視管の回転の程度をイメージし,オリエンテーションを失わない.
◉頂部に貯留した気泡や尿管間靱帯を目印に,病変位置を正確に記録する.
◉尿道損傷を起こさぬよう,内腔を確認しながら挿入する.
◉検査に不慣れなうちは左右誤認が起こりうるため,気泡などを目印とし,現在位置を把握する.
◉血尿や膀胱内浮遊物(デブリス)の強い症例では,膀胱洗浄が必要である.硬性鏡の使用も考慮する.

尿管鏡検査

著者: 吉田健志

ページ範囲:P.88 - P.90

ここがポイント
◉体位は砕石位がベストで,全身麻酔が望ましい.
◉内視鏡挿入はセイフティガイドワイヤーを留置し,直接法,おじぎ法,回転法でアプローチする.
◉腎杯の見落とし,ディスオリエンテーションに注意が必要である.造影CT(排泄相)があれば,3D構築画像が役立つ.
◉無理な内視鏡挿入は尿管断裂を招く可能性もあるため,尿管狭窄部では無理をしない.
◉尿管口が狭い症例では術前に可能性を説明し,ステント留置による撤退も考慮する.
◉高リスク症例(水腎症,術前細菌尿,カテーテル留置例)では,術後感染に注意が必要である.

[9]生検

前立腺生検

著者: 米山高弘

ページ範囲:P.91 - P.95

ここがポイント
◉標準的前立腺生検方法は,経直腸超音波下の10〜12か所生検である.アプローチ経路としては,経直腸的アプローチと経会陰的アプローチがあるが,それぞれの利点・欠点を理解し,施設ごとの設備や症例により選択する.
◉経直腸生検では,超音波プローブを生検部位に固定するまで生検針の先端はガイド内十分手前に引いておき,生検針発射の際には,プローブを直腸壁にしっかり圧着させることで直腸出血の予防をする.
◉生検の採取部位は,あらかじめ順番を決めて採取する.採取組織の一方に点墨してから固定することにより,癌の占拠部位など,のちの治療方針決定の際の参考となる.

精巣生検

著者: 岩月正一郎 ,   野崎哲史 ,   梅本幸裕

ページ範囲:P.96 - P.97

ここがポイント
◉精子形成能の評価を目的に行うが,精子採取術と同時に行うことが多い.
◉アーチファクトを抑えるため,組織の固定にはブアン液を用いる.
◉Johnsenスコアにより,精細管での精子形成を定量的に評価する.

Ⅱ疾患別:実施すべき検査と典型所見

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著者:

ページ範囲:P.99 - P.99

[1]先天性疾患・小児泌尿器科疾患

先天性水腎症

著者: 井手迫俊彦

ページ範囲:P.100 - P.102

ここがポイント
◉診断および長期経過フォローにおける主な検査は,超音波検査および核医学検査である.
◉利尿レノグラフィは,分腎機能だけでなく尿路通過障害の評価も可能であり,重要な検査法である.

膀胱尿管逆流

著者: 井手迫俊彦

ページ範囲:P.103 - P.106

ここがポイント
◉排尿時膀胱尿道造影は下部尿路異常の診断も可能であり,最も重要な画像診断法である.
99mTc-DMSA腎シンチグラフィは腎実質障害を評価する標準的な画像診断法である.

尿管異所開口/尿管瘤

著者: 宮里実 ,   仲西昌太郎 ,   宮城亮太

ページ範囲:P.107 - P.110

ここがポイント
◉尿管異所開口/尿管瘤は比較的まれな疾患であるが,尿失禁,尿路感染症を呈する原因として常に念頭に置かなければならない.
◉尿管異所開口/尿管瘤は女児に多く,その多くが重複尿管である.
◉尿管瘤は上部尿路,下部尿路の閉塞,さらには膀胱尿管逆流など多彩な臨床像を呈し,比較的早期に症状を呈する.
◉尿管瘤を伴わない尿管異所開口は,オムツトレーニングが始まるまでは明らかな症状を呈しないこともまれではなく,成人期に発見されることもある.
◉最も重要なことは,尿管異所開口/尿管瘤を診断するためにはまず疑ってかかることである.

夜尿症

著者: 川合志奈 ,   日向泰樹 ,   中井秀郎

ページ範囲:P.111 - P.114

ここがポイント
◉小児の下部尿路症状・排便状態を把握するためには,保護者と患児どちらにも問診する必要がある.
◉夜尿男児症例において一定の割合で後部尿道弁(posterior urethral valve : PUV)を有する症例が存在し,これらに対しては外科的治療で排尿症状が改善する.

前部・後部尿道弁

著者: 川合志奈 ,   日向泰樹 ,   中井秀郎

ページ範囲:P.115 - P.117

ここがポイント
◉排尿時膀胱尿道造影の際には,尿道弁や膀胱尿管逆流(vesicoureteral reflux : VUR)の有無のみでなく,膀胱容量,尿流異常,膀胱壁の不整・残尿の有無など,膀胱機能に関する情報も収集する.
◉膀胱尿道鏡の際には,クレーデ操作を行いながら尿道を観察する.
◉特に重症例では弁切開(trans urethral incision : TUI)による尿道の通過状態改善で治療を終了とせず,術後の膀胱機能を経過観察する.

尿道下裂

著者: 水野健太郎 ,   加藤大貴 ,   林祐太郎

ページ範囲:P.118 - P.120

ここがポイント
◉尿道下裂の患児の身体診察としては,陰茎のサイズ,尿道口の位置,陰茎彎曲の程度を観察する.
◉非常に高度の症例では,性腺や内性器の状況を把握するために超音波検査,MRIおよび尿道造影などを計画するとともに,染色体検査を行う.
◉矮小陰茎のタイプでは生後6か月以内の治療開始をプランする.

停留精巣

著者: 水野健太郎 ,   西尾英紀 ,   林祐太郎

ページ範囲:P.121 - P.123

ここがポイント
◉停留精巣と遊走精巣の判別のために出生時以降の経過を十分問診する.母子手帳の記載も参考にする.
◉非触知精巣の場合,超音波やMRI検査などの画像検査を考慮する.
◉腹腔鏡検査は最終診断となるだけでなく,腹腔鏡下精巣固定術に移行できる.

[2]女性泌尿器科疾患

腹圧性尿失禁

著者: 篠島利明 ,   大家基嗣

ページ範囲:P.124 - P.125

ここがポイント
◉腟診・ストレステストは膀胱に尿が溜まった状態で行うことが肝要であり,必要であれば,カテーテルで膀胱内に一定量の生理食塩水を注入して行う.
◉ストレステストで腹圧上昇から数秒遅れて徐々に漏れ出してくるときは,腹圧刺激による排尿筋過活動の誘発(切迫性尿失禁)を疑う.
◉排尿日誌は頻尿や夜間頻尿のみならず尿失禁の評価にも有効である.

骨盤臓器脱

著者: 篠島利明 ,   大家基嗣

ページ範囲:P.126 - P.127

ここがポイント
◉理学検査所見をとる際には,日常生活の下垂状態が再現できているかを患者自身に確認させる.
◉前腟壁の下垂を評価する際には,器具を用いて後腟壁を圧排するとよい.
◉泌尿器科の一般臨床でのPelvic organ prolapse quantification system(POP-Q法)は最下垂点で評価するステージ分類が有用である.

膀胱腟瘻/尿管腟瘻

著者: 関戸哲利

ページ範囲:P.128 - P.130

ここがポイント
◉膀胱腟瘻の約12%に尿管腟瘻が合併するので,膀胱腟瘻症例では尿管腟瘻を,尿管腟瘻症例では膀胱腟瘻を見逃さないように注意する.
◉膀胱腟瘻の診断には,腟内診,膀胱鏡検査,単純および造影CT検査あるいは排出時と排出後の撮影を含む膀胱造影検査が有用である.
◉尿管腟瘻の確定診断には逆行性腎盂造影検査が必要である.

尿路子宮内膜症

著者: 関戸哲利 ,   竹内康晴 ,   伊藤友梨香

ページ範囲:P.131 - P.133

ここがポイント
◉膀胱炎症状あるいは過活動膀胱症状を有する閉経前の症例においては,膀胱子宮内膜症を鑑別疾患に加えることが重要である.
◉膀胱子宮内膜症の診断には,膀胱鏡検査とMRI検査が有用である.
◉尿管子宮内膜症は膀胱子宮内膜症に比べると頻度は低いが,潜行性に腎機能障害を来す場合があるので注意が必要である.

[3]尿路・性器の損傷

腎損傷

著者: 高橋正博 ,   青木大志 ,   石戸谷滋人

ページ範囲:P.134 - P.136

ここがポイント
◉診断時のCT検査では重症度分類に基づいた評価や他臓器損傷の有無の評価を行い,治療方針を決定しなければならない.
◉保存的治療中のrepeat CTでは裂傷,血腫や尿漏の増大の有無のほかに,仮性動脈瘤や腎動静脈瘻の有無についても評価が必要である.

膀胱損傷

著者: 八木橋祐亮

ページ範囲:P.137 - P.139

ここがポイント
◉全身状態が安定した膀胱破裂単独なら,泌尿器科医で治療方針を検討するが,高エネルギー外傷により他臓器損傷を伴う膀胱破裂は他科との連携が必須である.
◉膀胱外傷における画像検査の絶対的適応は骨盤骨折と同時に存在する肉眼的血尿である.
◉逆行性膀胱造影では350〜400mL程度の造影剤を注入し,膀胱を充満させた時点で撮影後,造影剤を排出させた時点での撮影も忘れずに行う.

尿道損傷

著者: 八木橋祐亮

ページ範囲:P.140 - P.142

ここがポイント
◉膜様部尿道から外尿道口までの損傷を含む前部尿道損傷と,前立腺部尿道から膜様部尿道の損傷を含む後部尿道損傷に大きく分類される.
◉前部尿道損傷は陰部打撲(騎乗型損傷straddle injury)による球部尿道損傷,後部尿道損傷は骨盤骨折に伴う症例が代表的である.
◉骨盤骨折,会陰部外傷,陰茎折症の患者が排尿困難や外尿道口から出血している場合には原則として逆行性尿道造影(RUG)を行うべきである.

精巣損傷

著者: 永尾光一

ページ範囲:P.143 - P.145

ここがポイント
◉陰囊内血腫があれば全身(または腰椎)麻酔下に試験切開を行い,血腫除去,精巣白膜断裂があれば4-0吸収糸で修復する.精巣の挫滅が高度ならば精巣摘出を施行する.
◉精巣内血流が確認されても精索捻転が疑われる場合は,血流がいずれ悪化する可能性があるので試験切開を躊躇してはならない.
◉精索部の触診とエコーで捻転が否定され,かつ精巣内血流が良好ならば待機も可能である.

陰茎損傷

著者: 永尾光一

ページ範囲:P.146 - P.148

ここがポイント
◉陰茎の腫脹・皮下出血がある場合は陰茎折症を疑い,8時間以内に血腫除去や陰茎海綿体白膜の修復を行う.画像検査は補助的である.
◉勃起状態が4時間連続する持続勃起症では,海綿体の血液ガス分析で静脈血に近ければlow-flow priapismを考え,緊急処置を行う.
◉カラードプラは,low-flow priapismでは動脈の血流は少なく,high-flow priapismでは動脈からの血液の溢流像がみられる.

[4]尿路機能障害・閉塞性疾患

前立腺肥大症

著者: 大城琢磨

ページ範囲:P.149 - P.152

ここがポイント
◉病歴聴取,症状およびQOL評価で患者の全身状態を把握する.
◉視触診,尿検査,超音波検査,尿流測定,残尿測定で客観的に排尿状態について把握する.
◉鑑別疾患の必要に応じて追加検査を行う.

過活動膀胱

著者: 橘田岳也 ,   菅野由岐子 ,   篠原信雄

ページ範囲:P.153 - P.155

ここがポイント
◉過活動膀胱(overactive bladder : OAB)は,尿意切迫感を必須症状とする症状症候群で,通常は頻尿・夜間頻尿を伴い,切迫性尿失禁を伴うこともあるが,必須症状ではないものである.
◉OABの診断には,自覚症状の問診,病歴の聴取,過活動膀胱症状スコア(overactive bladder symptom score : OABSS),身体理学的所見・神経学的所見,尿検査,残尿測定を行う.
◉一次治療として少なくとも12週間の継続治療を行っても抵抗性である場合は難治性OABと定義され,病態の見直し,尿流動態検査などの施行を検討する.

神経因性膀胱

著者: 橘田岳也 ,   菅野由岐子 ,   篠原信雄

ページ範囲:P.156 - P.159

ここがポイント
◉神経因性膀胱とは神経疾患を原因とした下部尿路機能障害であり,診断は尿流動態検査(urodynamics study : UDS)に基づいて行われる.
◉排尿機能は,蓄尿機能と排尿機能の2つがあり,下部尿路(膀胱・尿道)の協調作用によって行われており,これらに対する支配神経の異常によって神経因性膀胱が起きる.
◉排尿機能は,神経障害の部位によって特徴的な下部尿路機能障害を示すことが多い.

間質性膀胱炎

著者: 上田朋宏

ページ範囲:P.160 - P.162

ここがポイント
◉検尿所見に問題なく膀胱痛を繰り返す場合や,難治性過活動膀胱は間質性膀胱炎を疑う.キシロカイン®(2〜4%)を膀胱に注入して,膀胱痛が消失することを確認する.
◉間質性膀胱炎は膀胱鏡で典型的ハンナー病変を確認する.
◉膀胱上皮の新生血管やハンナー病変は,白色光では見分けられない場合があり,NBI(narrow band imaging)を併用し,診断精度を上げる必要がある.

[5]尿路結石・結石関連疾患

カルシウム結石

著者: 宮澤克人 ,   中澤佑介 ,   中井暖

ページ範囲:P.163 - P.166

ここがポイント
◉尿路結石は急性腹症の一疾患であることから,チェックリストとしてのSAMPLEや痛みの性状についてOPQRSTを参考に,病歴を聴取すると効率的である.
◉国内外の診療ガイドラインで画像診断でのCTが推奨されているが,カルシウム結石はX線非透過性結石のためCTのScout Image(KUBより低感度)で結石が確認できる場合,その後のフォローはKUBが妥当である.
◉結石成分を知ることが再発予防の基本であるので,砕石片の回収を試み,多発性あるいは再発性カルシウム結石では可能な限り24時間尿化学検査を行う.

尿酸結石

著者: 宮澤克人 ,   井上慎也 ,   森田展代

ページ範囲:P.167 - P.169

ここがポイント
◉高尿酸血症・痛風の治療で使用される尿酸排泄促進薬により生じる高尿酸尿症が尿酸結石形成のリスクとなる場合があるので,問診で服用薬のチェックを怠らない.
◉尿酸結石を誘発しやすい要因の1つは酸性尿の存在なので,尿pHに留意する.なお,尿pHは採取条件による変化や日内変動があるので複数回行う.
◉痛風患者では高尿酸血症を示していても必ずしも高尿酸尿を呈さず,また,血清尿酸値が正常域〜低値であっても,尿中尿酸排泄量が多いことがあるため,24時間尿化学検査での評価が望ましい.

シスチン結石

著者: 高山達也 ,   山﨑正博 ,   森田辰男

ページ範囲:P.170 - P.171

ここがポイント
◉尿細管のシスチン再吸収の低下により尿中シスチン濃度が上昇し,結晶が析出し,結石が形成される常染色体劣性遺伝病である.X線透過性が高く,淡い陰影のシスチン結石が腎盂または膀胱に形成される.サンゴ状結石(図1)の場合が多い.
◉尿中に特徴的な黄褐色六方晶のシスチン結晶(図2)が認められ,尿中シスチン400mg/日以上(正常では30mg/日以下)で確定診断される.結石分析でシスチンを確認する.病因解明のために遺伝子検査が行われる場合もある.
◉症状は疝痛発作が最も多く,通常10〜30歳で発症する.

感染結石

著者: 高山達也 ,   山﨑正博 ,   森田辰男

ページ範囲:P.172 - P.173

ここがポイント
◉持続性の尿路感染症が原因である.特に尿素分解菌(Proteus属,Klebsiella属,Pseudomonas属,大腸菌など)により,尿素がアンモニアに分解され,アルカリ尿になるため,リン酸マグネシウムアンモニウム(MAP)結石が急速に析出され,サンゴ状結石のように層構造をもつ大きな結石となることが多い.
◉基礎疾患を合併することが多く,画像検査により尿路の解剖や機能を調べる必要がある.

[6]尿路・性器の感染症

腎盂腎炎

著者: 有馬公伸

ページ範囲:P.174 - P.176

ここがポイント
◉原因菌の検索のために,治療前に尿細菌培養検査を施行し,適切に抗菌薬を使用する.
◉尿路および全身性の基礎疾患の有無を把握する.
◉慢性化すると急性と比べて,症状や検査所見に乏しいことがある.

腎膿瘍/腎周囲膿瘍

著者: 有馬公伸

ページ範囲:P.177 - P.178

ここがポイント
◉画像検査にて腎腫大を認める.造影CT検査で,腎膿瘍は局所的に造影効果の乏しい円形の低吸収域を示し,腎周囲への波及を認めた場合に腎周囲膿瘍となる.
◉CT検査は膿瘍の範囲,程度をみるのに有用であり,ドレナージの経路の選定にも有用となる.
◉培養検査で起炎菌の同定がなされたら,すみやかに初期投与の抗菌薬を適合薬へ変更する.
◉抗菌薬投与に加え,外科的処置を要する場合も多い.3cm以上の膿瘍や抗菌薬の反応が悪い場合には,ドレナージを行い,穿刺内容の細菌培養検査が必要であり,改善しない場合には腎摘出術も考慮する.

膀胱炎

著者: 石川清仁

ページ範囲:P.179 - P.180

ここがポイント
◉複雑性膀胱炎では,抗菌薬投与前に尿培養検査が必須となる.
◉亜硝酸塩検査は,感度50%,特異度90%を理解して診断にあたる.
◉薬剤感受性試験の結果と臨床効果が一致しない症例がある.

前立腺炎

著者: 石川清仁

ページ範囲:P.181 - P.182

ここがポイント
◉前立腺炎はNIHの統一見解により,4つの病態に分類されていることを理解する.
◉鑑別には臨床症状と,前立腺マッサージ前後の尿所見がポイントとなる.
◉急性細菌性前立腺炎では,直腸診にとどめ,マッサージは禁忌である.

精巣炎

著者: 上仁数義

ページ範囲:P.183 - P.184

ここがポイント
◉精巣炎単独はまれで,通常はウイルス性(ムンプスウイルスが最多)である.
◉細菌感染症の場合,精巣上体炎を併発する(精巣上体・精巣炎).
◉精巣炎・精巣上体炎の原因は,患者年齢によって異なる.小児,高齢者では尿路感染症(大腸菌,緑膿菌),性的活動期の若年者では性行為感染症(淋菌,クラミジア・トラコマチス,梅毒)が考えられる.また,膀胱癌術後の患者ではBCG膀胱内注入療法が原因となる.
◉若年者で最も重要な鑑別診断は,精巣捻転症である.

精巣上体炎

著者: 重村克巳 ,   荒川創一 ,   藤澤正人

ページ範囲:P.185 - P.186

ここがポイント
◉精巣上体炎は若年発症と高齢者の発症で原因微生物が異なり,検査による鑑別の必要がある.
◉思春期までの男児では,精巣上体炎は精巣捻転症との鑑別が重要なため,積極的にドプラエコーを施行する必要がある.

尿路敗血症

著者: 重村克巳 ,   荒川創一 ,   藤澤正人

ページ範囲:P.187 - P.189

ここがポイント
◉尿路敗血症は尿路感染症を契機に発症した敗血症のことをいう.
◉敗血症の新定義が2016年に発表され,臓器障害をメインに考えられるようになった.
◉血液培養2セット,CT検査を積極的に行い,ドレナージが必要な部位診断を早急に行う必要がある.

結核

著者: 高橋聡

ページ範囲:P.190 - P.191

ここがポイント
◉Doctors' delayを防ぐためには,尿路結核に特徴的な症状はないことから,複雑性尿路感染症の鑑別疾患の1つとして念頭に置くことが重要である.
◉結核菌検出のためには,核酸増幅法検査,塗抹・培養検査が必要であり,画像検査や病理組織検査などと合わせて診断する.
◉飛沫が発生しないような尿路結核では,空気予防策は不要である.

性感染症

著者: 高橋聡

ページ範囲:P.192 - P.193

ここがポイント
◉淋菌(Neisseria gonorrhoeae)の検出のためには,まずはグラム染色鏡検,そして培養検査を提出する.薬剤感受性試験は必須である.
◉クラミジア・トラコマティス(Chlamydia trachomatis)の検出のためには,核酸増幅法検査が必要である.
◉近年,罹患率が増加傾向である梅毒では,梅毒血清反応,つまりカルジオリピンを抗原とする検査と,Treponema pallidumを抗原とする検査により診断する.

性器ヘルペス/梅毒

著者: 本田まりこ

ページ範囲:P.194 - P.196

ここがポイント
◉性器ヘルペスは視診により主に診断されているが,一般臨床では病原診断である病変部のウイルス性巨細胞の検出と抗原検査が決め手となる.
◉梅毒は臨床所見と病原検査として,硬性下疳,口腔粘膜疹,扁平コンジローマから梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)の検出および梅毒血清反応による.

乳び尿

著者: 鶴﨑俊文

ページ範囲:P.197 - P.199

ここがポイント
◉乳び尿は,Ultzmann法でアルコール・エーテルを加えると上澄みが透明となり,尿中生化学検査で中性脂肪高値であれば確定診断となる.
◉画像検査は,原因疾患の同定や病変部位の特定に有用で,なかでも99mTc-human serum albumin(HSA)リンパ管シンチグラフィ,リンパ管造影や逆行性腎盂造影はリンパ系と尿路の交通を証明できる.
◉リンパ系フィラリア症では,感染の慢性期に乳び尿を発症するためフィラリア感染を証明できないことも多い.

カンジダ感染症

著者: 鶴﨑俊文

ページ範囲:P.200 - P.203

ここがポイント
◉カンジダ尿症を認めた場合,まず尿道留置カテーテルを抜去する.
◉無症候性カンジダ性膀胱炎は,原則として治療は不要である.
◉カンジダ性尿路感染症は,コンタミネーションやコロナイゼーションとの鑑別が必要であり,尿検査・培養などの臨床検査,リスク因子,症状,診察所見や画像検査などから総合的に診断する.

[7]腎不全・腎機能障害

急性腎不全

著者: 内田潤次 ,   仲谷達也

ページ範囲:P.204 - P.207

ここがポイント
◉急性腎不全(acute renal failure : ARF)は急激な高度の腎機能低下により,体液の恒常性が維持できなくなった状態と理解されている.近年,高度の腎機能低下よりも早期の軽度腎機能低下の段階から認識されるべきと考えられ,急性腎障害(acute kidney injury : AKI)の概念へ変化した.AKIは慢性腎臓病(chronic kidney disease : CKD)のリスクとなる.
◉2012年にKDIGOガイドラインよりAKIの定義と病期分類(血清クレアチニン値と尿量から診断される)が発表された.
◉腎機能低下に対して,既存のCKD,腎後性AKI,腎前性AKI,腎性AKIの鑑別診断が必要である.
◉保存的治療で体内の恒常性維持が困難と判断されれば,緊急腎代替療法を開始する.

慢性腎不全

著者: 内田潤次 ,   仲谷達也

ページ範囲:P.208 - P.210

ここがポイント
◉慢性腎不全(chronic renal failure : CRF)は慢性腎臓病(chronic kidney disease : CKD)の進展により腎性貧血,CKD-MBD(CKD-mineral and bone disorder)などの特徴的な合併症が生じた包括的な症候群である.
◉CRFの早期発見は重要であり,介入により末期腎不全(end-stage kidney disease : ESKD)への進展および心血管疾患(cardiovascular disease : CVD)発症の抑制につながる.
◉CRFによる合併症のため緊急透析を要することはまれである.しかしながら,血液検査,画像検査,心電図などによる評価が必要である.
◉将来的には腎代替療法が必要なESKDに至る.腎代替療法として,透析療法(血液透析,腹膜透析),腎移植がある.

腎梗塞/腎動脈瘤/腎動静脈瘻

著者: 銘苅晋吾 ,   陣内良映 ,   菊川浩明

ページ範囲:P.211 - P.213

ここがポイント
◉腎血管疾患(腎梗塞/腎動脈瘤/腎動静脈瘻)はまれな疾患であるが,血尿や腹痛を診察する際には,常にその可能性を念頭に置く必要がある.
◉腎血管疾患を疑った場合,スクリーニング検査として超音波カラードプラは有用性が高い.
◉造影CT・MRIは血管造影と比べて低侵襲な検査であり,三次元的な血管情報の構築も可能で,治療計画を立てるうえで非常に有用である.

ナットクラッカー症候群

著者: 二口芳樹 ,   前田喜寛 ,   菊川浩明

ページ範囲:P.214 - P.215

ここがポイント
◉ナットクラッカー症候群(nutcracker syndrome : NCS)の臨床症状は肉眼的血尿が一番多く,血尿があれば鑑別疾患として念頭に置くべき疾患である.
◉NCSを疑った場合は超音波,造影CT,膀胱鏡,静脈造影にて診断を確定させる.

IgG4関連疾患

著者: 花岡成典 ,   辻井俊彦 ,   高沢亮治

ページ範囲:P.216 - P.217

ここがポイント
◉高IgG血症,全身臓器の腫大・肥厚,罹患臓器へのIgG4陽性形質細胞の浸潤と線維化病変を特徴とする慢性炎症性疾患である.
◉診断は臨床所見(特徴的な臓器腫大),血液所見(血清IgG4高値),病理組織所見の3項目によってなされるが,他疾患や悪性腫瘍の除外のため,可能な限り生検での病理組織所見の確認が望ましい.
◉線維化病変の拡大による臓器障害の進行を抑制する目的でステロイドによる寛解導入療法が考慮され,多くの症例ではステロイド治療に対する反応性は良好である.

腎出血

著者: 辻井俊彦 ,   高沢亮治 ,   北山沙知

ページ範囲:P.218 - P.221

ここがポイント
◉肉眼的血尿の鑑別診断に準じて,尿検査,血液検査,尿細胞診,腹部超音波検査,CT検査,膀胱尿道ファイバースコープなどを診断効率と侵襲性を考慮して順次行う.
◉腎および尿路に明らかな病変を認めず,膀胱尿道ファイバースコープにて尿管口からの血尿の排出を確認し,腎出血と診断する.通常,片側性である.
◉麻酔下に患側の尿管鏡を行い,腎杯乳頭部を中心に原因病変を検索し,病変が確認できれば凝固止血術を同時に施行する.

移植腎拒絶反応

著者: 乾政志

ページ範囲:P.222 - P.223

ここがポイント
◉移植腎機能障害を認めた場合,必ず鑑別しなければいけない病態である.
◉特に移植後早期に発生する移植腎障害では,診断の遅れが移植腎に不可逆的なダメージを与える可能性があるため,迅速な判断が要求される.
◉診断のゴールド・スタンダードは腎生検であり,可能な限り実施する.

移植腎急性尿細管壊死

著者: 乾政志

ページ範囲:P.224 - P.225

ここがポイント
◉急性尿細管壊死(acute tubular nectosis : ATN)は急性腎障害(acute kidney injury : AKI)の原因の1つである.
◉腎移植の場合,ドナーの全身的な循環不全,腎臓局所における灌流障害や虚血,ドナー腎採取時の傷害,阻血時間の延長,虚血再灌流障害,術中術後のレシピエントの低血圧などさまざまな要因が関与し,腎移植後の移植腎発現遅延(delayed graft function : DGF)の主な原因であるが,腎移植後にAKIを生じるほかの病態との鑑別が重要である.

慢性移植腎症

著者: 野崎大司

ページ範囲:P.226 - P.228

ここがポイント
◉慢性移植腎症の原因は多岐にわたり,多くは複数の因子が同時に存在する.緩徐に進行することが多く,ある程度進行すると不可逆的になり,移植腎機能廃絶の原因になるため,早期診断・予防が重要である.
◉慢性移植腎症は,血清クレアチン上昇,尿量減少,血圧上昇,体重増加など,腎機能障害としては非特異的な臨床像を示す.
◉確定診断には移植腎生検が必須であり,間質の線維化,尿細管萎縮が特徴的病理所見である.

[8]内分泌疾患

閉塞性無精子症

著者: 小川総一郎 ,   胡口智之 ,   小島祥敬

ページ範囲:P.229 - P.230

ここがポイント
◉医療面接における詳細な情報収集が重要である.
◉精巣サイズが正常でFSHが基準範囲内である場合,閉塞性無精子症を疑う.
◉閉塞性であることを診断する目的の精管造影や精巣生検は通常行わない.

非閉塞性無精子症

著者: 小川総一郎 ,   佐藤雄一 ,   小島祥敬

ページ範囲:P.231 - P.232

ここがポイント
◉医療面接における詳細な情報収集が重要である.
◉精液検査は,少なくとも3回は行う.
◉精巣の萎縮,内分泌異常を認めた場合には,非閉塞性を疑う.
◉Microdissection TESEを行う前には,染色体検査とY染色体微小欠失検査を行うべきである(後者は保険適用外).

精索静脈瘤

著者: 上仁数義

ページ範囲:P.233 - P.234

ここがポイント
◉内精静脈が,蔓状静脈叢内で異常な拡張と蛇行を呈した状態を指し,逆流に伴ううっ血によって起こる.逆流の原因は,左腎静脈圧の亢進や静脈弁の機能異常などが考えられている.大部分は左側であるが,両側例も報告されている.
◉精巣の温度上昇,腎・副腎代謝産物の精巣への逆流,酸化ストレスの亢進などが精子形成障害を引き起こすと考えられているが,精索静脈瘤をもつ男性の85%は妊孕性があり,生殖能力への影響はまだ不明である.

LOH症候群

著者: 岩月正一郎 ,   武田知樹 ,   梅本幸裕

ページ範囲:P.235 - P.236

ここがポイント
◉総テストステロンと遊離テストステロンが測定可能であるが,後者を測定する.
◉遊離テストステロンが8.5pg/mL以下でLOH症候群と診断する.
◉LOH症候群と症状の重複するうつ病や,低テストステロンに起因する他疾患の徴候を見逃さない.

性分化疾患

著者: 金城健一 ,   緒方勤

ページ範囲:P.237 - P.240

ここがポイント
◉社会的性の決定は緊急性を伴い,かつ患者・家族の長期予後に影響するため,複数科の連携により各検査を迅速に行い,判断する必要がある.
◉性分化疾患では遺伝学的異質性や臨床像の多様性により,臨床診断のみでは限界があるため,必要に応じて遺伝学的解析を考慮する.
◉遺伝学的解析により遺伝子異常が明らかとなる例は,現在20〜30%程度である.

[9]性機能障害

勃起・射精障害

著者: 川西泰夫 ,   岸本大輝

ページ範囲:P.241 - P.243

ここがポイント
◉勃起不全の治療法は原因が治癒可能であるか否かにより大きく異なるため,その原因の検索は重要である.
◉問診,身体所見,臨床検査といった基本的な診断手段だけで患者の77%で勃起不全の原因診断が可能であるが,それ以外の患者に対しては専門医による検査が必要である.
◉射精障害には,Anejaculation,Retrograde ejaculation,Premature ejaculationなどの種類があり,これらの鑑別が必要である.

陰茎持続勃起症

著者: 川西泰夫 ,   三宅毅志

ページ範囲:P.244 - P.246

ここがポイント
◉虚血性持続勃症は処置が遅れると海綿体組織の不可逆性線維化を来すことがあるので,虚血性持続勃起症か非虚血性持続勃起症かの鑑別をすみやかに行う必要がある.
◉鑑別は病歴(外傷歴や内服歴),勃起の硬度,疼痛の有無から比較的容易に可能である.
◉臨床検査としては,陰茎海綿体内血液ガス分析,超音波カラードプラ検査,造影CT検査,MRI検査が有用である.

[10]腫瘍

副腎癌

著者: 今本敬 ,   川村幸治 ,   市川智彦

ページ範囲:P.248 - P.259

ここがポイント
◉副腎癌はホルモン産生癌が60%,非産生癌が40%であり,20〜30%が偶発腫瘍として発見される.
◉小さい副腎癌では,1つの画像検査のみで腺腫と鑑別することは困難な場合が多く,各種画像検査の組み合わせと臨床所見による総合的診断が重要である.
◉副腎皮質腫瘍は病理学的に良悪性を鑑別するのが難しい腫瘍であり,複数の指標を組み合わせたスコアリングシステムが推奨されている.
◉転移性副腎癌では,孤発性の副腎転移であるかどうかが外科的治療の適応において重要となりうるため,慎重な診断が望まれる.

クッシング症候群

著者: 氏家剛 ,   植村元秀 ,   宮川康

ページ範囲:P.260 - P.263

ここがポイント
◉特有の身体的特徴(満月様顔貌,中心性肥満,皮膚線条,多毛など)や併存する内科的疾患(糖尿病,高血圧,骨粗鬆症など)から,クッシング症候群を疑う.
◉血中コルチゾール濃度の高値ならびに日内変動の消失を確認する.
◉悪性疾患の可能性も念頭に置く.

原発性アルドステロン症

著者: 氏家剛 ,   植村元秀 ,   宮川康

ページ範囲:P.264 - P.268

ここがポイント
◉高血圧患者全員に対してスクリーニングを行うことが望ましいが,特に治療抵抗性高血圧や若年性高血圧などの患者に対しては積極的なスクリーニングが推奨される.
◉診断手順については,本邦においては日本内分泌学会指針と日本高血圧学会指針の2種類があったが,統一化の動きがある.
◉手術症例は副腎静脈サンプリングが必須である.

褐色細胞腫

著者: 今本敬 ,   市川智彦

ページ範囲:P.269 - P.277

ここがポイント
◉褐色細胞腫と腹部パラガングリオーマは,まれなカテコラミン産生腫瘍で,それぞれ副腎髄質の内・外の交感神経から発生する.
◉褐色細胞腫の10%は,多発性内分泌腫瘍(MEN)2A,2B,von Hippel-Lindau病(VHL),神経線維腫症1型(von Recklinghausen病)に関連し,このような遺伝性のものは通常良性だが,散発性では,褐色細胞腫の10%,パラガングリオーマの15〜35%が悪性とされる.
◉1976年までは2.9〜3.9%の手術関連死があったとされるが,局在診断の進歩,薬物療法,麻酔管理の発達とともにその安全性は急速に上昇した.カテコラミンの生理学的作用を理解し,術前・術後管理に精通すれば大きな合併症を招くことは少ない.
◉褐色細胞腫の治療・管理においては,画像検査による局在診断・質的診断とともに,内分泌活性に関する詳細な検査が特に重要となる.

腎腫瘍

著者: 原林透 ,   三浪圭太 ,   高田徳容

ページ範囲:P.278 - P.281

ここがポイント
◉無症候性腎腫瘤の診断は,単純および3相の造影CT検査が中心となる.よい画像が得られるよう,放射線科と共同する.
◉腎実質性腫瘤では淡明細胞型腎細胞癌の頻度が最も高い.小径腎腫瘤では,オンコサイトーマ,血管筋脂肪腫などの外科的治療を要しない良性疾患との鑑別が重要である.
◉悪性腫瘍の場合,外科的切除の適応,適した薬物治療選択の判断のために,胸部CT,FDG-PET,血液生化学検査,全身状態の評価を行う.

ウィルムス腫瘍

著者: 松井善一

ページ範囲:P.282 - P.283

ここがポイント
◉ウィルムス腫瘍(Wilms tumor : WT,腎芽腫)は小児腎腫瘍の9割を占める.
◉画像診断を中心に鑑別診断を考慮しつつ,初期治療として,根治的摘除術もしくは先行化学療法のいずれかを迅速に判断する必要がある.
◉病理組織診断判明後に集学的治療を行う.

腎盂尿管癌

著者: 月野浩昌

ページ範囲:P.284 - P.288

ここがポイント
◉腎盂尿管癌の診断に関して,本邦の腎盂・尿管癌診療ガイドラインとEAUガイドラインを参考にする.
◉腎盂尿管癌を疑った場合は,まずCT urographyを行うことが推奨される.尿細胞診が陽性で,CT urographyで腎盂尿管内に腫瘍を認めた場合には,その後,追加検査の必要はない.
◉逆行性腎盂尿管造影検査と選択的尿細胞診採取を行っても,腎盂尿管癌の診断が確定できない場合には,尿管鏡検査を施行して上部尿路の観察を行う.また,必要であれば生検で組織学的検査を施行する.

膀胱癌

著者: 柴森康介 ,   北村寛

ページ範囲:P.289 - P.292

ここがポイント
◉膀胱癌を疑う場合,膀胱鏡は必須である.膀胱鏡所見として,乳頭型有茎性腫瘍は筋層非浸潤性膀胱癌である可能性が高いが,結節型広基性腫瘍は筋層浸潤性膀胱癌である可能性が高くなる.
◉結節型腫瘍,広基性腫瘍ではCT(可能であれば排泄相を含めた造影CT)による病期診断,上部尿路腫瘍の評価が必要である.乳頭型有茎性腫瘍は非転移例が多く,病期診断のための画像検査を省略できることが多い.
◉局所の深達度診断目的には造影MRIが有用であるが,筋層浸潤を正確に診断するにはTUR-BTが最も優れている.膀胱癌かどうかはっきりしない場合は,TUR生検による組織確認をためらうべきではない.

尿道癌

著者: 加藤陽一郎 ,   五十嵐大樹 ,   小原航

ページ範囲:P.293 - P.295

ここがポイント
◉尿道癌は腫瘍の局在により病因や悪性度が異なる.
◉組織型はさまざまで,治療はステージにより決定される.
◉膀胱全摘除術後の尿道再発には注意が必要である.

尿膜管腫瘍

著者: 井上高光 ,   成田伸太郎

ページ範囲:P.296 - P.299

ここがポイント
◉正中線上の臍と膀胱頂部壁内の間に不整形で内部非均一な腫瘤を観察する.
◉膀胱鏡で膀胱頂部に腫瘍を認めることがほとんどで,90%は腺癌である.
◉血清CEA,CA19-9,CA125が上昇することがある.

前立腺癌

著者: 羽賀宣博 ,   胡口智之 ,   小島祥敬

ページ範囲:P.300 - P.306

ここがポイント
◉前立腺癌は,病期診断がその後の治療法選択や予後予測に大きな影響を与えるため,できるだけ正確な病期診断を行うこと重要である.直腸診,経直腸的超音波診断法,MRI,CT,骨シンチグラフィを用いて総合的に判断する.
◉T─病期診断においては,multiparametric MRIが標準的な撮像法である.T2強調画像,拡散強調画像,ADC(apparent diffusion coefficient)map,およびダイナミック造影にて前立腺癌を評価する.N─病期,M─病期診断は,CTないしMRIにおいて行うが,特にN─病期診断においては,画像診断では限界がある.
◉M─病期診断のうち骨転移の診断に関して,骨シンチグラフィ診断支援プログラム,BONE NAVI®が開発された.BONE NAVI®では,BSI(bone scan index),ANN(artificial neural network),HS(hot spot)の3つの指標により骨転移を評価し,治療評価や予後予測も可能となった.

精巣腫瘍

著者: 加藤陽一郎 ,   加藤廉平 ,   小原航

ページ範囲:P.307 - P.311

ここがポイント
◉精巣腫瘍と診断した際は,可及的すみやかに高位精巣摘除術を実施する.
◉全割標本で病理組織診断を行い,セミノーマか非セミノーマかを正確に診断する.
◉正確な病期診断・リスク診断に基づき,治療およびフォローアップを実施する.

陰茎癌

著者: 月野浩昌 ,   武田将司 ,   賀本敏行

ページ範囲:P.312 - P.315

ここがポイント
◉陰茎癌の診断・治療に関して,本邦では陰茎癌取扱い規約や診療ガイドラインは発刊されていないため,海外のEAUやNCCNのガイドラインを参考にする.
◉原発巣の深達度は,視診,触診,MRIで評価する.
◉鼠径リンパ節転移の診断は,触知可能な腫大リンパ節を認めた場合には,吸引細胞診で確定診断を行う.非触知の場合は,現在のところ有用な画像検査法がなく,ダイナミックセンチネルリンパ節生検が検査の選択肢の1つとして挙げられる.

後腹膜腫瘍

著者: 井上高光 ,   沼倉一幸

ページ範囲:P.316 - P.321

ここがポイント
◉後腹膜腫瘍は,健診や他疾患の精査時の画像診断で偶然発見されることが多い.
◉悪性腫瘍の頻度は,脂肪肉腫,平滑筋肉腫,悪性末梢神経鞘腫瘍が多い.
◉鑑別診断として,精巣腫瘍の後腹膜リンパ節転移と悪性リンパ腫が重要である.

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特集 トラブルゼロを目指した泌尿器縫合術―今さら聞けない! 開放手術のテクニック

76巻6号(2022年5月発行)

特集 ここまで来た! 腎盂・尿管癌診療―エキスパートが語る臨床の最前線

76巻5号(2022年4月発行)

特集 実践! エビデンスに基づいた「神経因性膀胱」の治療法

76巻4号(2022年4月発行)

増刊号特集 専門性と多様性を両立させる! 泌尿器科外来ベストNAVI

76巻3号(2022年3月発行)

特集 Female Urologyの蘊奥―積み重ねられた知恵と技術の活かし方

76巻2号(2022年2月発行)

特集 尿路性器感染症の治療薬はこう使う!―避けては通れないAMRアクションプラン

76巻1号(2022年1月発行)

特集 尿道狭窄に対する尿道形成術の極意―〈特別付録Web動画〉

75巻13号(2021年12月発行)

特集 困った時に使える! 泌尿器科診療に寄り添う漢方

75巻12号(2021年11月発行)

特集 THEロボット支援手術―ロボット支援腎部分切除術(RAPN)/ロボット支援膀胱全摘除術(RARC)/新たな術式の徹底理解〈特別付録Web動画〉

75巻11号(2021年10月発行)

特集 THEロボット支援手術―現状と展望/ロボット支援前立腺全摘除術(RARP)の徹底理解〈特別付録Web動画〉

75巻10号(2021年9月発行)

特集 今こそ知りたい! ロボット時代の腹腔鏡手術トレーニング―腹腔鏡技術認定を目指す泌尿器科医のために〈特別付録Web動画〉

75巻9号(2021年8月発行)

特集 ED診療のフロントライン―この一冊で丸わかり!

75巻8号(2021年7月発行)

特集 油断大敵! 透析医療―泌尿器科医が知っておくべき危機管理からトラブル対処法まで

75巻7号(2021年6月発行)

特集 前立腺肥大症(BPH)薬物治療のニューノーマル―“とりあえず”ではなくベストな処方を目指して

75巻6号(2021年5月発行)

特集 躍動するオフィスウロロジー―その多様性に迫る!

75巻5号(2021年4月発行)

特集 前立腺癌のバイオロジーと最新の治療―いま起こりつつあるパラダイムシフト

75巻4号(2021年4月発行)

増刊号特集 泌尿器科当直医マニュアル

75巻3号(2021年3月発行)

特集 斜に構えて尿路結石を切る!―必ず遭遇するイレギュラーケースにどう対処するか?

75巻2号(2021年2月発行)

特集 複合免疫療法とは何か? 腎細胞癌の最新治療から学ぶ

75巻1号(2021年1月発行)

特集 朝まで待てない! 夜間頻尿完全マスター

74巻13号(2020年12月発行)

特集 コロナ時代の泌尿器科領域における感染制御

74巻12号(2020年11月発行)

特集 泌尿器科医のためのクリニカル・パール―いま伝えたい箴言・格言・アフォリズム〈下部尿路機能障害/小児・女性・アンドロロジー/結石・感染症/腎不全編〉

74巻11号(2020年10月発行)

特集 泌尿器科医のためのクリニカル・パール―いま伝えたい箴言・格言・アフォリズム〈腫瘍/処置・救急・当直編〉

74巻10号(2020年9月発行)

特集 令和最新版! 泌尿器がん薬物療法―手元に置きたい心強い一冊

74巻9号(2020年8月発行)

特集 泌尿器腫瘍の機能温存手術―知っておくべき適応と限界

74巻8号(2020年7月発行)

特集 これが最新版! 過活動膀胱のトリセツ〈特別付録Web動画〉

74巻7号(2020年6月発行)

特集 小児泌尿器科オープンサージャリー―見て学ぶプロフェッショナルの技〈特別付録Web動画〉

74巻6号(2020年5月発行)

特集 高齢患者の泌尿器疾患を診る―転ばぬ先の薬と手術

74巻5号(2020年4月発行)

特集 ここが変わった! 膀胱癌診療―新ガイドラインを読み解く

74巻4号(2020年4月発行)

増刊号特集 泌尿器科診療の最新スタンダード―平成の常識は令和の非常識

74巻3号(2020年3月発行)

特集 泌尿器科手術に潜むトラブル―エキスパートはこう切り抜ける!

74巻2号(2020年2月発行)

特集 いま話題の低活動膀胱―これを読めば丸わかり!

74巻1号(2020年1月発行)

特集 地域で診る・看取る緩和ケア―泌尿器科医として知っておくべきこと

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