臨床泌尿器科71巻4号

2017年04月発行

増刊号特集 泌尿器科検査パーフェクトガイド

Ⅱ疾患別：実施すべき検査と典型所見 [7]腎不全・腎機能障害

慢性腎不全

著者： 内田潤次¹ 仲谷達也¹

所属機関： ¹大阪市立大学大学院医学研究科泌尿器病態学

ページ範囲：P.208 - P.210

文献概要

ここがポイント
◉慢性腎不全（chronic renal failure : CRF）は慢性腎臓病（chronic kidney disease : CKD）の進展により腎性貧血，CKD-MBD（CKD-mineral and bone disorder）などの特徴的な合併症が生じた包括的な症候群である．
◉CRFの早期発見は重要であり，介入により末期腎不全（end-stage kidney disease : ESKD）への進展および心血管疾患（cardiovascular disease : CVD）発症の抑制につながる．
◉CRFによる合併症のため緊急透析を要することはまれである．しかしながら，血液検査，画像検査，心電図などによる評価が必要である．
◉将来的には腎代替療法が必要なESKDに至る．腎代替療法として，透析療法（血液透析，腹膜透析），腎移植がある．

参考文献

1） 日本腎臓学会 （編） : CKD診療ガイド2012. 東京医学社, 東京, 2013

2） Imai E, Horio M, Yamagata K, et al : Slower decline of glomerular filtration rate in the Japanese general population : a longitudinal 10-year follow-up study. Hypertens Res 31 : 433─441, 2008

3） 秋澤忠男, 水口 潤, 友 雅司, 他 : 維持血液透析ガイドライン : 血液透析導入. 透析会誌46 : 1107─1155, 2013 Watanabe Y, Yamagat'a K, Nishi S, et al : Japanese society for dialysis therapy. Japanese society for dialysis therapy clinical guideline for “hemodialysis initiation for maintenance hemodialysis”. Ther Apher Dial 19 : 93─107, 2015

4） 平成26年度厚生労働科学研究委託事業 〔難治性疾患等実用化研究事業 （腎疾患実用化研究事業）〕 CKDステージG3b〜5患者のための腎障害進展予防とスムーズな腎代替療法への移行に向けた診療ガイドライン, 2015

5） 斉藤和英 : 先行的腎移植ガイドラインワーキンググループによる実態調査. In : 高橋公太 （編）: 変貌する腎移植. pp28─37, 日本医学館, 東京, 2012