臨床泌尿器科71巻4号

2017年04月発行

増刊号特集 泌尿器科検査パーフェクトガイド

Ⅱ疾患別：実施すべき検査と典型所見 [7]腎不全・腎機能障害

移植腎急性尿細管壊死

著者： 乾政志¹

所属機関： ¹東京女子医科大学八千代医療センター泌尿器科

ページ範囲：P.224 - P.225

文献概要

ここがポイント
◉急性尿細管壊死（acute tubular nectosis : ATN）は急性腎障害（acute kidney injury : AKI）の原因の1つである．
◉腎移植の場合，ドナーの全身的な循環不全，腎臓局所における灌流障害や虚血，ドナー腎採取時の傷害，阻血時間の延長，虚血再灌流障害，術中術後のレシピエントの低血圧などさまざまな要因が関与し，腎移植後の移植腎発現遅延（delayed graft function : DGF）の主な原因であるが，腎移植後にAKIを生じるほかの病態との鑑別が重要である．

参考文献

1） Alan Wilkinson : The “First Quarter” The First Three Month After Transplantation. In : Danovitch GM （eds） : Handbook of Kidney Transplantation 5th ed. Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia, 2009