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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科71巻6号

2017年05月発行

特集 症状と向き合う漢方の処方─“二刀流”それとも“一刀流”?

全身倦怠感を訴える患者への“一刀流”診療

著者: 井齋偉矢1

所属機関: 1静仁会静内病院

ページ範囲:P.430 - P.435

文献概要

▶ポイント

・全身倦怠感の存在は,心身への過負荷と不快感を惹起し,活動能力・活動意欲の低下へとつながる.

・新薬を使った治療法は,攻撃目標や特定の作用点がないため不可能である.

・サイエンス漢方処方からみると,漢方薬は変調を来したシステムが正常に働くように仕向ける応答を引き出しているので,全身倦怠感を改善させることができる.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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