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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科72巻1号

2018年01月発行

交見室

TURBTは視野方向30度スコープで行おう(硬性鏡使用時は視野方向・視野角を意識しよう)

著者: 三木誠1

所属機関: 1新宿石川クリニック泌尿器科

ページ範囲:P.86 - P.87

文献概要

最近ある若手医師から,TURisシステム(灌流液を生理食塩水としたTURシステムで,アーク放電がループ全体に発生し安定した鋭い切れ味が得られ,膀胱腫瘍切除に適している)で高齢男性のTURBTを施行したが,一部腫瘍が見えにくいところにあり,取り残してしまったという話を聞いた.よく聞くと視野方向12度のスコープしか購入しておらず,TURBTにもそれで対処していたという.私はTURBTに際しては,視野方向30度スコープを使用して切除操作を行い,切除後も検査用70度スコープで膀胱内全域を確認することを原則としている.TURBTは球型腔内の壁の切除であるから,少しでも側方が見やすい30度スコープが適しており,TURPはあたかも管腔内での操作であるから,視野角内でループの長いストローク全体がよく見え,長い切除片が得られる12度スコープが適しているのである(図1).

 そもそもわれわれのTURis開発の目的の1つが,TURBT時の閉鎖神経反射軽減であり1, 2),視野方向30度スコープを使用し種々検討しており,臨床現場のTURBTでは30度スコープを当然使用していると考えていた.そしてオリンパスでは,TURisシステムでも12度および30度のスコープをそろえて販売しているが,価格の関係か12度スコープしか購入していない施設があり,TURBTにもそれを適用しているらしい.

参考文献

1) Shiozawa H, Aizawa T, Ito T, et al : A new transurethral resection system : operating in saline environment precludes obturator nerve reflexes. J Urol 168 : 2665─2667, 2002
2) 三木 誠, 塩沢寛明, 松本哲夫, 他 : 閉鎖神経反射を起こさない新TURシステム (TURis) 開発とその臨床応用. 日泌会誌94 : 671─677, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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