icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科72巻10号

2018年09月発行

文献概要

特集 停留精巣のすべて─小児から成人への架け橋

企画にあたって フリーアクセス

著者: 林祐太郎1

所属機関: 1名古屋市立大学大学院医学研究科小児泌尿器科学分野

ページ範囲:P.768 - P.769

文献購入ページに移動
 小学生の頃,股間を蹴られると男子は“のたうち回る”ほど痛いのに,女子は大して痛がらないのを見て,人間の身体は不公平にできているなと思いました.当時は金曜日の夜8時からTVでプロレスをやっていました.優勢に攻め続けていたガッチリした体格のレスラーが,悪役レスラーに股間を蹴られた(金的)だけでうずくまってしまい防戦一方になるのがお約束でした.子ども同士のプロレスごっこで一番の決め技は雷電ドロップと玉蹴りでした.不思議なのは局所の痛みよりも腹痛が強いことでした.

 それから50年経った今,プロレス少年は小児泌尿器科外来を開いています.その診察室で停留精巣の説明をするときには,「胎児期にお腹にある精巣が,血管や精管だけでなく神経も引き連れて陰囊に降りてきます.だから蹴られると神経の出所のお腹が痛くなるのです」と説明しています.患児の父親からは「やっと謎が解けました!」と信頼を得ていますが,神経学的な研究をしたわけではないので本当のところは解りません.ガマの油売りみたいだと自分自身にあきれています.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら