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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科72巻13号

2018年12月発行

文献概要

特集 あなたは考えていますか? 前立腺癌検診・生検・治療のQOLと費用対効果 〈前立腺癌検診 : QALY・費用対効果の視点からの有効性評価〉

費用対効果の見地からの妥当性

著者: 杉原亨1 康永秀生2

所属機関: 1自治医科大学腎泌尿器外科学講座 2東京大学大学院医学系研究科公共健康医学

ページ範囲:P.1046 - P.1049

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▶ポイント

・前立腺癌の癌死亡1人を回避するための検診受診勧奨者数(NNI)は,既存の対策型検診(胃,大腸,肺,子宮頸部,乳房)と比較しても遜色ない効率性である.

・費用対効果の指標である増分費用対効果比(ICER)は60歳前後は許容されるが,65歳以上では悪化する.

・一方で,転移性前立腺癌の治療費高額化の社会情勢を考えると,検診での早期発見による費用対効果は今後いっそう改善される見込みである.

参考文献

1) 科学的根拠に基づくがん検診推進 推進のページAvailable from : http://canscreen.ncc.go.jp/index.html
2) Schroder FH, Hugosson J, Roobol MJ, et al : Screening and prostate cancer mortality : results of the European Randomised Study of Screening for Prostate Cancer (ERSPC) at 13 years of follow-up. Lancet 384 : 2027—2035, 2014
3) Hugosson J, Carlsson S, Aus G, et al : Mortality results from the Göteborg randomised prostate-cancer screening trial. Lancet Oncol 11 : 725—732, 2010
4) 日本泌尿器科学会 (編) : 前立腺がん検診ガイドライン2018年版. メディカルレビュー社, 東京, 2018
5) Heijnsdijk EA, de Carvalho TM, Auvinen A, et al : Cost-effectiveness of prostate cancer screening : a simulation study based on ERSPC data. J Natl Cancer Inst 107 : 366, 2014
6) Roth JA, Gulati R, Gore JL, et al : Economic Analysis of Prostate-Specific Antigen Screening and Selective Treatment Strategies. JAMA Oncology 2 : 890—898, 2016
7) 小林 恭, 後藤 励, 樋之津史郎, 他 : ベースラインPSA値による検診間隔の個別設定は前立腺癌スクリーニングの効率を改善する : 数理モデルを用いた社会経済学的考察. 泌紀59 : 159—166, 2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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