臨床泌尿器科72巻5号

2018年04月発行

特集 この1冊で安心! 泌尿器科当直医マニュアル〈入院編〉

尿道カテーテル留置困難およびトラブル

著者： 小宮顕¹

所属機関： ¹千葉大学大学院医学研究院泌尿器科学

ページ範囲：P.387 - P.393

文献概要

▶ポイント

・挿入はHUBを実践する．それでも挿入困難な場合，本当に現在留置が必要なのかどうかをまず再考し，尿道損傷を避ける．

・挿入が必要な場合，手を変えての改めてのトライ，リドカインゼリーの尿道内注入，尿道膀胱鏡や尿道造影での評価の後にブジーやガイドワイヤーを用いた留置を試み，成功しない場合，膀胱瘻造設や手術室での処置を考慮する．

・ほかの医療者による医原性の尿道損傷の場合や骨盤外傷の症例では，尿道断裂もありうるので慎重に取り扱う必要がある．

参考文献

1） 日本医療機能評価機構医療事故防止事業部 : 医療事故情報収集等事業第31回報告書（平成24年7月〜9月） http://www.med-safe.jp/pdf/report_31.pdf

2） Kashefi C, Messer K, Barden R, et al : Incidence and prevention of iatrogenic urethral injuries. J Urol 179 : 2254─2257, 2008

3） 機械器具51医療用嘴管および体液誘導管 高度管理医療機器抗菌泌尿器用カテーテル34096000バードI.C.シルバーフォーリートレイBの添付文書

4） 八木橋祐亮 : 第3章 外傷・救急医療泌尿器科マイナーイマージェンシー1. Ⅳ. 急性尿閉, 尿道カテーテル・膀胱瘻・腎瘻・尿管カテーテルの管理・抜去時の対応. 第104回日本泌尿器科学会総会2016年卒後教育プログラムテキスト, pp81─85, 2015

5） Komiya A, Antaku S, Matsushima J, et al : Incidents related to Foley catheter insertion and maintenance and the efficacy of a medical staff educational program for safety management. Friday, May 6, 2016 10 : 30 AM-12 : 30 PM, AUA meeting 2017, San Diego, U.S.A.