臨床泌尿器科72巻8号

2018年07月発行

特集 必読! 尿失禁マネジメントの極意

〈尿失禁の種類と標準的治療〉

小児の尿失禁

著者： 菅野由岐子¹ 守屋仁彦¹ 篠原信雄¹

所属機関： ¹北海道大学大学院医学研究院腎泌尿器外科学教室

ページ範囲：P.620 - P.625

文献概要

▶ポイント

・小児は自分の状況を医療者へ上手に伝えられないことが多い．保護者からの情報も主観的となることがあるため，客観的な情報把握に努める．

・器質的疾患がないと判断される尿失禁の場合，まずは生活指導・行動療法による改善を試みることが多い．

・小児という特性上侵襲性を考慮しながらの診療となるが，難治例では背後に器質的疾患が隠れている可能性を考慮する必要があり，侵襲的な検査を躊躇してはならない．

参考文献

1） Kajiwara M, Inoue K, Kato M, et al : Nocturnal enuresis and overactive bladder in children : an epidemiological study. Int J Urol 13 : 36─41, 2006

2） 日本排尿機能学会過活動膀胱診療ガイドライン作成委員会 （編） : 過活動膀胱診療ガイドライン第2版. リッチヒルメディカル, 東京, 2015

3） 今村正明, 兼松明弘, 小川 修, 他 : 日本語版DVSS （Dysfunctional Voiding Symptom Score） の公式認証 : 小児質問票における言語学的問題を中心に. 日泌会誌105 : 112─121, 2014

4） Moore KH, Gilpin SA, Dixon JS, et al : Increase in presumptive sensory nerves of the urinary bladder in idiopathic detrusor instability. Br J Urol 70 : 370─372, 1992

5） Murphy AM, Krlin RM and Goldman HB : Treatment of overactive bladder : what is on the horizon? Int Urogynecol J 24 : 5─13, 2013

6） Robinson D, Giarenis I and Cardozo L : The management of overactive bladder refractory to medical therapy. Maturitas 75 : 101─104, 2013