文献詳細
特集 男性の百寿社会のために テストステロンの徹底理解!
文献概要
▶ポイント
・慢性的な過剰な運動により低テストステロン症を生じ,性機能などの身体症状が出る.
・海外では,スポーツ医学分野で長距離ランナーの低テストステロン症対策が注目されて,食事療法などでの治療が試みられているが改善報告はなく,性的特徴が多い割に世界的に泌尿器科では扱われていない.わが国ではLOH症候群の患者が増えるなかで,運動を原因とする低テストステロン症の患者が泌尿器科を受診するようになった.
・LOH症候群と異なり運動を軽減すると回復しやすく,テストステロン補充をすると改善しにくい.重症にはスポーツ大会での心肺停止例がある.
・筆者は日本Men's Health医学会を通じて,この病態を「運動ストレス性低テストステロン症(ESLT)」と名づけ啓発活動を行っている.
・慢性的な過剰な運動により低テストステロン症を生じ,性機能などの身体症状が出る.
・海外では,スポーツ医学分野で長距離ランナーの低テストステロン症対策が注目されて,食事療法などでの治療が試みられているが改善報告はなく,性的特徴が多い割に世界的に泌尿器科では扱われていない.わが国ではLOH症候群の患者が増えるなかで,運動を原因とする低テストステロン症の患者が泌尿器科を受診するようになった.
・LOH症候群と異なり運動を軽減すると回復しやすく,テストステロン補充をすると改善しにくい.重症にはスポーツ大会での心肺停止例がある.
・筆者は日本Men's Health医学会を通じて,この病態を「運動ストレス性低テストステロン症(ESLT)」と名づけ啓発活動を行っている.
参考文献
1) 奥井伸雄 : スポーツ大会被救護者と性機能医学の関わりの研究-運動ストレス性低テストステロン症. 日性機能会誌32 : 177, 2017
2) 奥井伸雄 : 長距離走は低テストステロンを招く. 神奈川医会誌43 : 19-22, 2016
3) 日本泌尿器科学会(編) : 加齢男性性腺機能低下症候群診療の手引き-LOH症候群. p8, じほう, 東京, 2007
4) 奥井伸雄 : 運動の指標としての, テストステロンと性機能評価-運動での突然死, 競技成績などに関する考察. 日性機能会誌32 : 27-34, 2017
5) 日本臨床スポーツ医学会 : 骨・関節のランニング障害に対しての提言. 日本臨床スポーツ医学会誌13 : 243-247, 2005
6) 奥井伸雄 : スポーツと性機能の関係-運動ストレス性低テストステロン症. 腎臓内科・泌尿器科8 : 205-210, 2018
7) Kuroki N, Abe D, Suzuki K, et al : Exercise-related resuscitated out-of-hospital cardiac arrest due to presumed myocardial ischemia : Result from coronary angiography and intravascular ultrasound. Resuscitation 133 : 40-46, 2018
8) 奥井伸雄 : 運動ストレス性低テストステロン症 (ESLT) に対する漢方の効果-スポーツと漢方治療の有効性の考察. 漢方と最新治療27 : 87-91, 2018
掲載誌情報