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書評
診断力が高まる 解剖×画像所見×身体診察マスターブック―Sagar Dugani,Jeffrey E. Alfonsi,Anne M. R. Agur,Arthur F. Dalley 編/前田恵理子 監訳 フリーアクセス
著者: 皿谷健1
所属機関: 1杏林大・呼吸内科学
ページ範囲:P.67 - P.67
文献概要
例えば強直性脊椎炎の症例では,典型的な靱帯骨棘形成での特殊検査として変形Schober試験(p226)やHLA-B27の測定まで記載され,疾患を丸ごととらえようとする意気込みが感じられる本である.特筆すべきは,Clinical Pearlが随所にちりばめられており,その内容は患者のマネジメント,診断,検査結果の解釈にまで及ぶ.例えば,「大腸内視鏡検査は憩室炎の急性期には穿孔のリスクがあるため禁忌である.炎症性腸疾患や悪性腫瘍を除外するため,6週間が経過したあとに行うべきである」という短文で“ずばっと”迫ってくるものや,心囊液貯留患者の心タンポナーデ移行のリスク評価における奇脈の重要性,その所見の取り方の記載がある.一方,ユニークな切り口のパールも多々あり,例えば,消化管悪性腫瘍の身体診察において人名に由来する5つの医学的徴候が挙げられている(下記).
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