文献詳細
特集 リプロダクションの現在―いま精子力を考える
〈精子力とは何か〉 コラム
家庭での精子力測定
著者: 入澤諒1
所属機関: 1株式会社リクルートライフスタイル ネットビジネス本部 事業開発ユニット プランニンググループ
ページ範囲:P.974 - P.976
文献概要
国立社会保障・人口問題研究所の第15回出生動向基本調査によると,現在わが国ではおよそ5.5組に1組の夫婦が不妊の検査や治療を受けた経験があり,その数は年々増加している.多くのカップルが不妊に悩んでいるが,不妊の検査や治療は女性が主体となって行われることが多く,女性と同じタイミングで行動を起こす男性は少ない.そのため,女性のみが受診し検査や治療を受け,多大な精神的・身体的負担を強いられている.
「不妊は女性の問題である」という誤解や「自分は大丈夫だ」という根拠のない自信がある男性も少なくなく,多忙や羞恥心を理由に医療機関での精液検査を拒むケースも多い.しかし,WHOの報告では不妊の原因の約半分が男性にあるということが明らかになっている.結果として,女性だけで1〜2年ほど治療を続けたが妊娠に至らず,ようやく男性が受診したところ,実は男性側に原因があったと判明するケースもある.
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