icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科74巻11号

2020年10月発行

特集 泌尿器科医のためのクリニカル・パール―いま伝えたい箴言・格言・アフォリズム〈腫瘍/処置・救急・当直編〉

企画にあたって フリーアクセス

著者: 大家基嗣1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.815 - P.815

文献概要

 新しく泌尿器科の専攻医となった先生に私がお話ししていることは,「医師として成熟するためには,時間が必要.その対価として腕を上げていくのだ」ということです.充実した修業期間がその後の人生を左右します.経験がものを言う世界ではありますが,すべて自分が経験しないとダメなのかというと,そうではありません.「巨人の肩に乗っているから,遠くを見ることができる」(ベルナール・ド・シャルトル)という金言があります.もちろん,専門書から学ぶこともあるでしょう.それとは違った手段,金言から学ぶということ,つまり経験が豊富な先輩医師の肩にひょっこりと乗せてもらうという手があるのではないでしょうか? これが本特集の狙いです.

 今回「泌尿器病理診断」(816頁)を執筆いただいた都築豊徳先生(愛知医科大学)は,「発見の旅とは,新しい景色を探すことではない.新しい目で見ることなのだ」(マルセル・プルースト)を引用されています.「意識することで見える風景が変わる」ということです.成熟とは,「これまで見えていなかったものが見えるようになる」ことだと思います.同じ風景を見ても,印象は1人ひとりが全く違います.意識しないと見えていないことを,私たちは日常生活でしょっちゅう経験しています.先日,私は奈良のお寺で白く咲き誇った萩の花を見ました.リフレッシュして東京に戻ると,何気なく通り過ぎていた道に萩の花が咲いていたのに気づくようになりました.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら