臨床泌尿器科74巻11号

2020年10月発行

特集 泌尿器科医のためのクリニカル・パール―いま伝えたい箴言・格言・アフォリズム〈腫瘍/処置・救急・当直編〉

〈腫瘍〉

腹腔鏡下副腎摘除術のクリニカル・パール

著者： 伊藤明宏¹

所属機関： ¹東北大学大学院医学系研究科外科病態学講座泌尿器科学分野

ページ範囲：P.820 - P.823

文献概要

▶ポイント

・経腹膜的左副腎摘除術では，脾臓や膵の脱転を十分に行い，術野をしっかりと展開する．

・副腎静脈の剝離操作は，腎摘時の腎静脈周囲の剝離を想定して行う．

・右副腎と肝は，組織学的に境界がなく被膜が融合しており，一方の細胞が他方の組織内に混入している症例がある．

参考文献

1） Go H, et al : Laparoscopic Adrenalectomy for Primary Aldosteronism : A New Operative Method. J Laparoendosc Surg 3 : 455-459, 1993

2） 寒野 徹, 他 : 体腔鏡下腎副腎手術における術後乳糜漏. 日泌会誌108 : 1-4, 2017

3） Sugimoto M, et al : Cellular Intermingling Between Adrenal Gland and Liver : An Infrequent Cause of Incomplete Resection at Right Adrenalectomy. J Endourol 27 : 804-808, 2013

4） 伊藤明宏 : こんなときどうする!？ 泌尿器科手術のトラブル対処法 体腔鏡手術 腹腔鏡下副腎摘除術 肝被膜を損傷してしまった. 臨泌65 : 80-81, 2011