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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科74巻2号

2020年02月発行

原著

回復期病棟における排尿ケアチーム介入による改善効果―機能的自立度評価法(FIM)を用いて

著者: 岡野智子1 鈴木康之2 高崎良子3 栗田麻衣子1 廣石温子4 榊泰代4 横山ゆかり3 倉脇史郎2 古田昭5

所属機関: 1東京都リハビリテーション病院理学療法科 2東京都リハビリテーション病院泌尿器科 3東京都リハビリテーション病院看護科 4東京都リハビリテーション病院作業療法科 5東京慈恵会医科大学泌尿器科

ページ範囲:P.175 - P.179

文献概要

 排尿自立指導において,多職種連携である排尿ケアチーム介入の具体的成果について機能的自立度評価法FIMを用い検討した.対象は脳卒中で回復期病棟に入院し,尿道カテーテルを抜去した65症例である.これらを従来方式の非介入群(31名)と排尿ケアチームの介入群(34名)で比較した.両群は,年齢,入院時,抜去時,退院時のFIMにて差を認めなかった.一方で,留置中認知FIM効率(非介入群0.10±0.23点,介入群0.24±0.54点)および総合認知FIM効率(非介入群0.02±0.07点,介入群0.06±0.06点)で介入群は有意に改善を認めた.よって,多職種連携の排尿ケアチーム介入は,より効率的に患者に利益をもたらすといえる.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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