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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科74巻3号

2020年03月発行

症例

両側水腎症を来した子宮放線菌症

著者: 中山亮1 安藤嵩1 水澤隆樹1 片桐明善1 冨田善彦2

所属機関: 1新潟県立中央病院泌尿器科 2新潟大学医歯学総合研究科腎泌尿器病態学分野

ページ範囲:P.245 - P.248

文献概要

 79歳女性.嘔吐と発熱を主訴に前医を受診,CTで骨盤内腫瘤に伴う右水腎症を認めたため当科に紹介された.閉塞性腎盂腎炎の診断で右尿管ステント留置と抗菌薬治療を開始し,その後の検査で骨盤内腫瘤は子宮放線菌症と診断された.抗菌薬治療を継続していたが,病変の増大による左水腎症と腸閉塞が出現し,左尿管ステントと胃管の留置を要した.最終的に保存的治療のみで治癒し,侵襲的治療が回避可能であった.

参考文献

1) 宮川国久, 他 : 子宮放線菌症. 胃と腸38 : 639-645, 2003
2) 岡田禎人, 他 : 子宮内避妊具の長期装着から腹部放線菌症を発症しS状結腸瘻, 膀胱瘻, 腹壁膿瘍をきたした1例. 日消外会誌37 : 1930-1933, 2004
3) 吉田 徹, 他 : 骨盤腹膜炎により直腸, 尿管狭窄をきたした1症例. 日腹部救急医会誌23 : 1079-1082, 2003
4) Bennhoff D : Actinomycosis : Diagnostic and Therapeutic Considerations and a Review of 32 Cases. Laryngoscope 94 : 1198-1217, 1984
5) 川村弘之, 他 : 多臓器切除を要した腹部放線菌の1例. 日消外会誌26 : 1100-1104, 1993
6) 二神真行, 他 : 骨盤内放線菌症の1例. 青森臨産婦医会誌22 : 81-84, 2008
7) 古谷信彦 : 放線菌症. 日臨61 : 368-372, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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