文献詳細
増刊号特集 泌尿器科診療の最新スタンダード―平成の常識は令和の非常識
女性泌尿器疾患
文献概要
以前の常識
・腹圧性尿失禁の病態に関しては,以前には尿道過可動が主な原因で,尿道括約筋不全は少数例に認められる病態と考えられていた.また,腹圧性尿失禁と排尿筋過活動の間にはそれほど関連が考えられていなかった.
・以前から腹圧性尿失禁の治療の第一選択は骨盤底筋訓練であるとされていたが,エビデンスに乏しかった.
・手術に関しては以前からTVT,TOTなどの中部尿道スリング手術がゴールド・スタンダードであり,また,骨盤臓器脱手術の際には予防的腹圧性尿失禁手術が行われることが多かった.中部尿道スリング手術後の排尿困難に対して術直後はしばらく保存的にみることが常識であった.
現在の常識
・腹圧性尿失禁の原因としては,尿道過可動と尿道括約筋不全がさまざまな割合で共存すると考えられている.また,腹圧性尿失禁患者ではしばしば排尿筋過活動を伴う.
・最近では,骨盤底筋訓練にバイオフィードバック訓練や膀胱訓練などを組み合わせた統合プログラムなどが提起されている.骨盤底筋訓練の有用性を支持するRCTがある.
・骨盤臓器脱手術の際の予防的腹圧性尿失禁手術は,現在では推奨されなくなっている.また,中部尿道スリング手術後の排尿困難に対しては,現在ではできるだけ早くテープを引き下げることを推奨するという議論が出てきている.
・腹圧性尿失禁の病態に関しては,以前には尿道過可動が主な原因で,尿道括約筋不全は少数例に認められる病態と考えられていた.また,腹圧性尿失禁と排尿筋過活動の間にはそれほど関連が考えられていなかった.
・以前から腹圧性尿失禁の治療の第一選択は骨盤底筋訓練であるとされていたが,エビデンスに乏しかった.
・手術に関しては以前からTVT,TOTなどの中部尿道スリング手術がゴールド・スタンダードであり,また,骨盤臓器脱手術の際には予防的腹圧性尿失禁手術が行われることが多かった.中部尿道スリング手術後の排尿困難に対して術直後はしばらく保存的にみることが常識であった.
現在の常識
・腹圧性尿失禁の原因としては,尿道過可動と尿道括約筋不全がさまざまな割合で共存すると考えられている.また,腹圧性尿失禁患者ではしばしば排尿筋過活動を伴う.
・最近では,骨盤底筋訓練にバイオフィードバック訓練や膀胱訓練などを組み合わせた統合プログラムなどが提起されている.骨盤底筋訓練の有用性を支持するRCTがある.
・骨盤臓器脱手術の際の予防的腹圧性尿失禁手術は,現在では推奨されなくなっている.また,中部尿道スリング手術後の排尿困難に対しては,現在ではできるだけ早くテープを引き下げることを推奨するという議論が出てきている.
参考文献
1) Haab F, et al : Female Stress Urinary Incontinence Due to Intrinsic Sphincteric Deficiency : Recognition and Management. J Urol 156 : 3-17, 1996
2) Padmanabhan P, et al : Change in Urinary Storage Symptoms Following Treatment for Female Stress Urinary Incontinence. Int Urogynecol J 27 : 1169-1174, 2016
3) Labrie J, et al : Surgery Versus Physiotherapy for Stress Urinary Incontinence. N Engl J Med 369 : 1124-1133, 2013
4) Bailey C, et al : Conservative Management as an Initial Approach for Post-Operative Voiding Dysfunction. Eur J Obstet Gynecol Reprod Biol 160 : 106-109, 2012
5) Goldman HB, et al : Will We Ever Use Stem Cells for the Treatment of SUI? : ICI-RS 2011. Neurourol Urodyn 31 : 386-389, 2012
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