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書評
慢性腎臓病患者とともにすすめる―SDM実践テキスト―患者参加型医療と共同意思決定―腎臓病SDM推進協会 編 フリーアクセス
著者: 福井次矢1
所属機関: 1聖路加国際病院
ページ範囲:P.127 - P.127
文献概要
理由は,次の通りである.EBMとは「最も信頼できる研究成果(エビデンス)を知った上で,患者に特有の病状や意向・価値観(個別性),医師の経験や医療環境(状況)に配慮して医療を行うこと」であり,最も信頼できるエビデンスを踏まえる点に最大の特徴がある.今や,わが国においても,診療現場では当然のごとくエビデンスについての議論が正しく行われ,エビデンスに基づいた診療ガイドラインも普及し,医療の質が向上したことは疑いがないところである.ところが,私自身,当時新規性のあったエビデンスに注意を引き付けようとするあまり,「患者に特有の病状や意向・価値観に配慮する」という部分の実践手順を普及しようとする意欲には欠けていて,EBM普及の達成感とは裏腹に,何とも言えない心の重荷になっていたところである.
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