文献詳細
連載 医薬系プレゼンテーションの技術―知れば,学べば,必ず上達!・第16回
非言語テクニック(ノンバーバルテクニック)③
著者: 井上貴昭123
所属機関: 1原泌尿器科病院 2神戸大学泌尿器科 3国際プレゼンテーション協会(IPS)医学プレゼンテーションチーム
ページ範囲:P.355 - P.359
文献概要
今回も前回に引き続き,非言語コミュニケーションについてお話ししていこう.「メラビアンの法則」をご存知だろうか? 人はコミュニケーションにおいて相手の感情を読み取る際に「言語情報 : 7%」「聴覚情報 : 38%」「視覚情報 : 55%」の割合で情報を受け取っているという法則だ.また,コミュニケーション学者であるハードウィステルは対人コミュニケーションにおいて,「言葉によって伝えられるメッセージが35%,残りの65%はジェスチャーや表情,会話の間などの言語以外の手段によって伝えられる」とする研究を行った.すなわち,視覚的に飛び込んでくる内容や事柄,言語ではない表現手段によって人の捉え方や感情は大きく変わることを示しているのだ.確かにそうであろう.人が悲しそうな表情で泣いている時と,ガッツポーズをしながら嬉しそうに泣いている時では,同じ泣いている姿でもわれわれが受け取る感覚や,抱く感情もまた違うのではないだろうか.われわれは毎日の人とのコミュニケーションのなかで自然と自分なりの非言語テクニックを用いているのだ.このような非言語テクニックを知り,その技術を会得し自然の流れで自分のプレゼンテーションに活かすことができれば,聞き手はどう感じるであろう? きっと,あなたのプレゼンテーションに,そしてあなた自身に陶酔することだろう.
さあ,今回お話しする非言語テクニックは,あなたが最もイメージしやすいテクニックだ.しかし,意外とできないとても大切な技術である.では,始めよう!!
参考文献
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