icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科75巻7号

2021年06月発行

連載 医薬系プレゼンテーションの技術―知れば,学べば,必ず上達!・第18回

プレゼンテーションのためのリハーサル

著者: 井上貴昭123

所属機関: 1原泌尿器科病院 2神戸大学泌尿器科 3国際プレゼンテーション協会(IPS)医学プレゼンテーションチーム

ページ範囲:P.526 - P.530

文献概要

リハーサルで失敗しよう!!

 さて,プレゼンテーションのリハーサルと聞くと本番前の練習というイメージであろう.頑張って時間をかけて作成したスライドを見ながら,前もってA4の紙に書き記した文章を時間内に読み上げる作業を繰り返すといったことを想像しやすい.ある意味では間違いではないが,ただ単に文章を制限時間内に読み上げるだけならば“古典的リハーサル”といったところであろう.リハーサルの意味はもっと奥深い!! 少し想像してみよう.音楽興行や演劇,イベント,またはテレビ・映画などのリハーサルでは,音響・照明・舞台装置などと演者の兼ね合いを確認したり,実際の進行などのチェック,そして予定される内容を実際に行って,その状態をチェックするのが目的であろう.すなわち,本番のためにすべてを完璧にリハーサルするわけだ.ただそれだけではない.最も大切なことはリハーサル中にそれらの見直しが並行して行われ,問題が出たら中断して改善することにある.そう! プレゼンテーションのリハーサルも,ただ単に文章を制限時間内に読み上げることだけではない.しっかりとした目的をもってリハーサルを行うことがとても意味がある.

 では,あなたはなぜプレゼンテーションの前にリハーサルをするのだろうか? 本番で失敗したくないから? 周囲から良い評価をしてもらいたいから? それらはある意味正解であるが,最も大切なことは「リハーサルであなたの失敗・欠点を見つける」ことなのだ.失敗・欠点を見つけ,改善・修正する! これが最も大切なプレゼンテーション・リハーサルなのだ.あなたはこう思うかもしれない.「そんなこと言われても,忙しくてそんな時間なんてない」と.でも,アカデミー賞俳優でさえ本番前には観客のためにしっかりリハーサルをするのだ.あなたはこれからこう考えよう.“忙しいからこそ! 念入りにリハーサルをしよう”.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら