臨床泌尿器科75巻8号

2021年07月発行

特集 油断大敵！ 透析医療―泌尿器科医が知っておくべき危機管理からトラブル対処法まで

〈透析時の危機管理〉

泌尿器科診療における急性血液浄化・エンドトキシン吸着療法

著者： 平野一¹

所属機関： ¹大阪医科薬科大学病院血液浄化センター

ページ範囲：P.560 - P.562

文献概要

▶ポイント

・急性腎障害（AKI）におけるクリティカルな病態において，緊急的に血液浄化療法を開始することについては十分コンセンサスが得られている．

・急性血液浄化療法は補助療法であり，治療の根幹をなすべきものではない．

・AKIの原因となっている病態（敗血症，薬剤性腎障害，脱水，低血圧など）を掌握し，治療を行うことが重要である．

参考文献

1） Kidney Disease Improving Global Outcomes （KDIGO） Acute Kidney Injury Work Group : KDIGO Clinical Practice Guideline for Acute Kidney Injury. Kidney Int Suppl 2 : 1-138, 2012

2） Karvellas CJ, et al : A Comparison of Early versus Late Initiation of Renal Replacement Therapy in Critically Ill Patients with Acute Kidney Injury : A Systematic Review and Meta-Analysis. Crit Care 15 : R72, 2011

3） AKI （急性腎障害） 診療ガイドライン作成委員会, 他 （編） : AKI （急性腎障害） 診療ガイドライン2016. 日腎会誌59 : 419-533, 2017

4） 小玉正智, 他 : 重症敗血症に対する流血中エンドトキシン除去療法―ポリミキシン固定化カラムによる血液灌流療法. 日外会誌96 : 277-285, 1995

5） 池田寿昭, 他 : 敗血症多臓器腎不全に対するエンドトキシン吸着療法 （PMX-DHP） の効果. 日臨麻会誌27 : 34-41, 2007

6） Cruz DN, et al : Early Use of Polymyxin B Hemoperfusion in Abdominal Septic Shock : The Euphas Randomized Controlled Trial. JAMA 301 : 2445-2452, 2009