文献詳細
連載 医薬系プレゼンテーションの技術―知れば,学べば,必ず上達!・第19回
学会でのポスター発表
著者: 井上貴昭123
所属機関: 1原泌尿器科病院 2神戸大学泌尿器科 3国際プレゼンテーション協会(IPS)医学プレゼンテーションチーム
ページ範囲:P.598 - P.604
文献概要
さて,本連載では今まで,プレゼンテーションとは“どのように考えるか?”“どのように行うべきか?”について,その準備やノウハウについてお話ししてきた.すべての技術を獲得するためには,それなりのトレーニングと時間を要するが,“知らないより知る”ことが大切だ.
昨今のプレゼンテーションと聞くと,大勢の人前でスライドプレゼンテーションを行うことと思われるのが普通だろう.実際に,今の時代はWindowsならPowerPoint,MacならKeynoteを使うことが普遍化している.でも,時にスライドではなく,ポスターやホワイトボード,そして黒板(学校など)を用いてプレゼンテーションを行うこともあるかと思う.特に医療分野で開催される学会などではすべてがスライドプレゼンテーションではなく,ポスター発表という場面も多く存在する.学会という場面になると,なぜかオーラル発表(口演)より,ポスター発表のほうが気軽に考えてしまう方が多いかもしれない.それはどうしてだろうか? 口演にはおそらく,①暗い大きな会場で行うというプレッシャー,②大勢の聞き手が自分だけに注目していると思うプレッシャー,そして③大勢の前でたくさん質問をされて答えないといけないというプレッシャー,などがあるのかもしれない.逆にポスター発表では,①会場は明るい,②聞き手もそこまで多くない,③発表時間も短い,そして④質問もそこまで多くない? というイメージがあるのかもしれない.だから,ポスター発表は若い医師や医療者がまず発表する場面だと考えられがちだ.しかし,ポスター発表には口演による発表とは違い,以下の多くのメリットが考えられる.
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