文献詳細
画像診断
文献概要
症例 : 80歳,男性.
主訴 : 左陰囊の腫大と軽度疼痛.
既往歴 : 60歳時,左鼠径ヘルニア根治術.
現病歴 : 2021年7月に左陰囊の腫大と軽度疼痛を主訴に当科を受診.
現症 : 左陰囊内に弾性軟な腫瘤を認めたが圧痛や熱感,発赤は認められなかった.
検査所見 : 尿検査で異常所見は認められなかった.
超音波検査 : 左精巣内部に37.3mm×23.5mm大の内部均一で無エコー域を呈する腫瘤を認めた(図1).
単純MRI検査 : 左精巣内部にT1強調像で均一な低信号,T2強調像で均一な高信号を呈す35mm×32.6mm大の単房性の腫瘤を認めた.拡散強調画像では異常な信号上昇は認められなかった(図2).
以上の検査所見で,精巣腫瘍や精巣炎,陰囊水腫は否定的で単純性精巣囊胞と診断した.本人の希望もあり,腫瘍マーカーの測定などこれ以上の検査は施行せず経過観察とした.
主訴 : 左陰囊の腫大と軽度疼痛.
既往歴 : 60歳時,左鼠径ヘルニア根治術.
現病歴 : 2021年7月に左陰囊の腫大と軽度疼痛を主訴に当科を受診.
現症 : 左陰囊内に弾性軟な腫瘤を認めたが圧痛や熱感,発赤は認められなかった.
検査所見 : 尿検査で異常所見は認められなかった.
超音波検査 : 左精巣内部に37.3mm×23.5mm大の内部均一で無エコー域を呈する腫瘤を認めた(図1).
単純MRI検査 : 左精巣内部にT1強調像で均一な低信号,T2強調像で均一な高信号を呈す35mm×32.6mm大の単房性の腫瘤を認めた.拡散強調画像では異常な信号上昇は認められなかった(図2).
以上の検査所見で,精巣腫瘍や精巣炎,陰囊水腫は否定的で単純性精巣囊胞と診断した.本人の希望もあり,腫瘍マーカーの測定などこれ以上の検査は施行せず経過観察とした.
参考文献
1) Jenkins RH, et al : Cyst of the Testicle. N Engl J Med 213 : 57-59, 1935
2) Schmidt SS : Congenial Simple Cyst of the Testis : A Hitherto Undescribed Lesion. J Urol 96 : 236-238, 1996
3) 竹内康晴, 他 : 精巣全体が圧排置換された単純性精巣囊胞の1例. 泌外23 : 339-342, 2010
4) Dmochowski RR, et al : Simple Cyst of the Testis. J Urol 142 : 1078-1081, 1989
5) Kratzik C, et al : Surveillance Strategy for Intratesiticular Cysts : Preliminary Report. J Urol 143 : 313-315, 1990
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