臨床泌尿器科76巻4号

2022年04月発行

増刊号特集 専門性と多様性を両立させる! 泌尿器科外来ベストNAVI

●先天性および小児泌尿器疾患●

二分脊椎症・神経因性膀胱

著者： 安食淳¹ 内藤泰行¹ 浮村理¹

所属機関： ¹京都府立医科大学泌尿器科学教室

ページ範囲：P.299 - P.302

文献概要

代表的主訴

●新生児期：尿路感染症に伴う発熱．

●幼児期以降：頻尿，排尿困難，尿失禁など．

Point
◉二分脊椎症の症候は主に，①腎機能障害，②尿路感染，③尿失禁であり，適切な尿路管理を施す必要がある．
◉幼児・学童期で尿失禁など下部尿路症状がある患者は，背部皮膚を診察して，潜在性二分脊椎症の可能性がないか評価する．

参考文献

1） 日本排尿機能学会, 他 （編） : 二分脊椎に伴う下部尿路機能障害の診療ガイドライン ［2017年版］. リッチヒルメディカル, 東京, 2017

2） Tarcan T, et al : The Timing of Primary Neurosurgical Repair Significantly Affects Neurogenic Bladder Prognosis in Children with Myelomeningocele. J Urol 176 : 1161-1165, 2006

3） 今村正明, 他 : 日本語版DVSS （Dysfunctional Voiding Symptom Score）の公式認証―小児質問票における言語学的問題を中心に. 日泌尿会誌105 : 112-121, 2014

4） 吉藤和久, 他 : 潜在性二分脊椎. 脳外誌27 : 662-669, 2018

5） Sager C, et al : Repeated Injections of Intradetrusor onabotulinumtoxinA as Adjunctive Treatment of Children with Neurogenic Bladder. Pediatr Surg Int 30 : 79-85, 2014