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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科76巻9号

2022年08月発行

文献概要

特集 前立腺肥大症(BPH)の手術療法―臨床現場の本心 〈周術期・術後の本心〉

認知症患者の治療選択

著者: 奥野博1

所属機関: 1京都医療センター泌尿器科

ページ範囲:P.646 - P.652

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▶ポイント

・本邦では4人に1人が65歳以上.本格化する高齢社会において,認知症患者も増加していくと推計されている.

・認知症患者の排尿トラブルは,本人ばかりではなく家族にも大きな影響を及ぼす.

・認知症患者に対する手術療法において周術期の血尿のコントロールを図り,カテーテル自己抜去を防ぐためにできるだけ早期抜去を目指し,また認知症悪化を防ぐために早期退院を目指す必要がある.

・手術選択においては,安全で低侵襲かつカテーテル早期抜去を目指すには,凝固層が浅く組織の一過性の浮腫が少ない術式が望まれる.

・カテーテル早期抜去が可能なHo:YAGレーザー,532nmレーザーを用いた内視鏡手術,早期退院(日帰り手術)やカテーテル留置なしが可能な術式として,経尿道的前立腺吊り上げ術などがよい選択肢と考えられる.

参考文献

1) 日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究 (平成26年度厚生労働科学研究費補助金特別研究事業, 研究代表者 : 二宮利治). 2015
2) Kobayashi T, et al : GreenLight HPS Laser 120 W vs Diode Laser 300 W Vaporization of the Prostate for the Treatment of Benign Prostatic Hyperplasia in Japanese Patients : A Prospective, Single-Center, Randomized Clinical Trial. Low Urin Tract Symptoms 13 : 13-37, 2021
3) Agarwal DK, et al : Catheter Removal on the Same Day of Holmium Laser Enucleation of the Prostate : Outcomes of a Pilot Study. Urology 146 : 225-229, 2020
4) 奥野 博, 他 : PVP術同日尿道留置カテーテル抜去の安全性と有効性の検討 (前向き観察研究・第2報). 第11回PVP研究会学術集会, 2022.06.11
5) 日本泌尿器科学会 (編) : 男性下部尿路症状・前立腺肥大症診療ガイドライン. リッチヒルメディカル, 東京, 2017
6) Roehrborn CG, et al : The Prostatic Urethral Lift for the Treatment of Lower Urinary Tract Symptoms Associated with Prostate Enlargement Due to Benign Prostatic Hyperplasia : The L.I.F.T. Study. J Urol 190 : 2161-2167, 2013
7) Rukstalis D, et al : Prostatic Urethral Lift (PUL) for Obstructive Median Lobes : 12 Month Results of the MedLift Study. Prostate Cancer Prostatic Dis 22 : 411-419, 2019
システムの適正使用指針

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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