臨床泌尿器科77巻4号

2023年04月発行

増刊号特集 泌尿器内視鏡最新手術 前立腺・尿道の手術

ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術：後腹膜アプローチによる前立腺全摘除術

著者： 川端岳¹

所属機関： ¹はくほう会セントラル病院泌尿器科

ページ範囲：P.170 - P.178

Point

◇ポート設置が終わるまでは腹膜損傷に細心の注意をはらう必要があるが，膀胱前腔をある程度展開できればその後は腸管が脱出しない程度であれば操作に大きな影響はない．

◇経腹膜到達法に比して，ポート位置が全体に尾側に位置するためインストゥルメントの関節部が骨盤壁に当たり動作制限や出血を来すことに注意すべきである．

◇摘除手技の各ステップで剝離が進むに従い，ロボット特有の強力な牽引の方向を細かく調節することが正確な操作につながる．

＊本論文中、［▶動画］マークのあるものにつきましては、関連する動画を見ることができます（公開期間：2026年4月末まで公開）。

参考文献

1） 田口 功, 他 : 小さな工夫―da Vinci Xiシステムにおける後腹膜腔拡張の工夫. 臨泌73 : 1006-1007, 2019

2） Myers RP : Practical Surgical Anatomy for Radical Prostatectomy. Urol Clin North Am 28 : 473-490, 2001

3） Soga H, et al : Topographical Relationship Between Urethral Rhabdoshincter and Rectourethralis Muscle : A Better Understanding of the Apical Dissection and Posteriorstitches in Radical Prostatectomy. Int J Urol 15 : 729-732, 2008

4） 川端 岳 : コストを意識したロボット支援下前立腺全摘除術（RALP）のための新型鉗子類の導入. Jpn J Endourol Robot 35 : 330-335, 2022