臨床泌尿器科78巻11号

2024年10月発行

特集 そうだったのか腎移植―泌尿器科ジェネラリストを目指そう!

〈実践編〉

腎移植の標準術式と血管吻合のバリエーション

著者： 岩見大基¹

所属機関： ¹自治医科大学 腎泌尿器外科学講座 腎臓外科学部門

ページ範囲：P.860 - P.865

文献概要

▶ポイント

・腎移植手術は，血管吻合，尿路吻合，骨盤内手術操作といった泌尿器外科医にとって重要な一連の手技が含まれる手術で，若手医師にとって良いトレーニングとなる．

・血管の取り扱いおよび吻合にはnon-touch techniqueや，良好な視野確保，適切な運針とほどよい張力の結紮が重要である．

・腎移植の移植部位や血管の吻合部位は慎重に行われるべきで，画像評価と綿密な準備が鍵となる．

参考文献

1） Chaikof EL, et al （eds） : Atlas of Vascular Surgery and Endovascular Therapy : Anatomy and Technique. Elsevier Saunders, London, 2014

2） 田中啓介, 他 : 血管吻合のテクニック. 腎移植・血管外科32 : 1-7, 2020

3） Al-Ganadi A, et al : Parachute Suture Technique with Arteriotomy by using Aortic Punch in Live Related Renal Transplant. J Transplant Technol Res 5 : 2-3, 2015

4） Barry JM, et al : Surgical Techniques of Renal Transplantation. In : Morris PJ, et al （eds） : Kidney Transplantation : Princiles and Practice, 6th Edition. pp158-171, Elsevier, Philadelphia, 2008

5） 岩見大基 : 移植腎が複数動脈を有する場合への対応. 腎移植・血管外科32 : 44-48, 2020