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症例報告
脾嚢腫の1治驗例—特に稀有なる血管腫を伴う淋巴管腫の1例
著者: 加藤正勝1
所属機関: 1日本醫科大學松倉外科教室
ページ範囲:P.38 - P.42
文献購入ページに移動緒言
脾臓に原發する眞性嚢腫の臨床例は甚だ稀で,1829年Andralに依り始めて報告せられて以來その報告總數100數例あるが本邦に於ては僅々10數例を出ない(別表第1參照)。報告例の大多數はその形態多房性でその内容は純血性或は漿液血性に屬する。そしてその成因を淋巴管腫に求むるものは極めて稀で文獻に徴するにFowler 12例,Bran—dberg 2例,Laughlin, Beck,Lindqvist各1例で本邦に於ては藤岡の報告を見るのみ。余は偶々松倉外科教室に於て豚脂樣半透明の内容を有する脾嚢腫の摘出治癒例に就き組織學的檢索の結果,血管腫を伴へる海綿樣淋巴管腫性脾嚢腫と診斷し,茲にその大要を報告し大方の御參考に供する。
脾臓に原發する眞性嚢腫の臨床例は甚だ稀で,1829年Andralに依り始めて報告せられて以來その報告總數100數例あるが本邦に於ては僅々10數例を出ない(別表第1參照)。報告例の大多數はその形態多房性でその内容は純血性或は漿液血性に屬する。そしてその成因を淋巴管腫に求むるものは極めて稀で文獻に徴するにFowler 12例,Bran—dberg 2例,Laughlin, Beck,Lindqvist各1例で本邦に於ては藤岡の報告を見るのみ。余は偶々松倉外科教室に於て豚脂樣半透明の内容を有する脾嚢腫の摘出治癒例に就き組織學的檢索の結果,血管腫を伴へる海綿樣淋巴管腫性脾嚢腫と診斷し,茲にその大要を報告し大方の御參考に供する。
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