文献詳細
特集 偶發症との救急處置
文献概要
I.緒言
吾々は昭和27年以来Novocain静注の病態作用機転に就き種々臨床的研究及び基礎的実験を行つて来たが1)2)3),此間に接した内外文献を通じて意外に思つた事は,彼等が自分の経験したNov—ocain中毒を余りにも軽視し,何等対策を構ずる事なく半ば諦めている事である.
偖て19世紀の終りから20世紀にかけて無痛法の発達は非常に目醒ましく,之を基盤として大に近世外科学は進歩したのであるが,時として此無痛法も局所麻酔の如き簡単な操作を行うのみで死を来す場合があり,患者の不幸は勿論の事,其担当医師の被る精神的打撃も甚しくShock死と共に医療関係者によつては全く悲惨な偶発症である.
吾々は昭和27年以来Novocain静注の病態作用機転に就き種々臨床的研究及び基礎的実験を行つて来たが1)2)3),此間に接した内外文献を通じて意外に思つた事は,彼等が自分の経験したNov—ocain中毒を余りにも軽視し,何等対策を構ずる事なく半ば諦めている事である.
偖て19世紀の終りから20世紀にかけて無痛法の発達は非常に目醒ましく,之を基盤として大に近世外科学は進歩したのであるが,時として此無痛法も局所麻酔の如き簡単な操作を行うのみで死を来す場合があり,患者の不幸は勿論の事,其担当医師の被る精神的打撃も甚しくShock死と共に医療関係者によつては全く悲惨な偶発症である.
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