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特集 偶發症との救急處置
偏側椎弓切除術を施した腰椎々間板突出症と特異な術後偶発症状の分析
著者: 手島宰三1 山崎敏1 中島秀典1
所属機関: 1国立山中病院 整形外科
ページ範囲:P.831 - P.837
文献購入ページに移動最近,椎間板脱出乃至黄靱帯肥厚症に対する認識が深まり,治療法として椎弓切除術が屡々行われる様になつた.その病理及び手術手技に関しては既に昭和28年第26回日本整形外科学会に於て一応概念が確立され,一般臨床病院に於ても手術が実施され,遠隔成績も次第に纒り,観血的療法の是否及び手術適応の限界が論じられる段階となつた.しかしあらゆる観血的療法がその創始期に於て種々の危険な偶発症を経験して来たと同様に,椎弓切除術も現今に於て樹,各クリニク乃至術者個人の初期経験時代には少なからぬ失敗と思わぬ術後偶発症に悩まされることが多いこと,及び初期に於ける手術成績を以て椎弓切除術の意義と効果を誤まつて速断してはならぬことはこの分野にたずさわる者にとつて心すべき事である.京都大学整形外科学教室に育つた我々は教室十数年来の経験的判断と改良された手技を以て椎弓切除術を実施し,甚だ良い成績をあげているが,それでも時々心胆を寒からしめる様な偶発症を経験することがある.兎角効果顕著な症例は之を発表し,称揚し易いが,不吉にして不愉快な失敗例は個人の狭い胸中のみに秘匿され易いものである.我々の不吉な経験は他の人々も必ず繰り返し経験するものと考えられ,前車の覆えるは後車の戒めとなすべく之を広く発表し,各方面からの検討と指示を載き度く,症例を簡単に記し,分析的考察を試みた.
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