icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科10巻11号

1955年11月発行

文献概要

特集 偶發症との救急處置

胃出血の救急処置

著者: 大井実1 長尾房大1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学 大井外科教室

ページ範囲:P.857 - P.870

文献購入ページに移動
緒言
 最近の米国雑誌についてみると,急性大量胃出血の治療方針に関する問題は,Andresenによって代表される内科的保存的に治療せんとする学派と,Stewartらによつて支持されている外科的積極的治療を行う学派との二派に分れて論議されている.各派それぞれの論拠を有してはいるが,いずれかを決定するに足りるほどの目新しいことはひとつも述べられていない.デンマークの内科医MeulengrachtとオーストリーのFinstererが早期自由食餌療法か,早期手術かを論争した一昔前と変りがない.急性大量胃出血の治療方針に関する論議は,1897年の昔,ドイツ外科学会総会においてv.Leube及びv.Mikuliczの内・外科両巨頭が対立して以来,半世紀以上を経た今日に至るまで内・外科両方面から,あらゆる角度で,あらゆる面から論じられて来たが,未だに具体的な解決がついていないわけで,このまゝでは論議の終末を予測し難い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?