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文献詳細

雑誌文献

臨床外科10巻12号

1955年11月発行

文献概要

綜説

胆剔後症候群の予防と治療

著者: 渡辺三喜男1

所属機関: 1神戸市立中央市民病院外科

ページ範囲:P.933 - P.938

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緒言
 胆嚢剔出術は現在では安全な手術であるが,術後の愁訴は調査して見ると案外多いものであり,又多くの患者が内科医の治療に委ねられ,愁訴の原因の究明や,対策が等閑にされているきらいがないでもない.胆嚢は虫垂と異り,不要の器官でなく,一定の生理機能を営んでいる.胆嚢喪失によつて,或種の機能障碍が起ることは当然想像される.胆石手術の何の統計を見ても20%〜40%に後障碍がある.
 胆剔後の障碍に対して従来から色々の名称が与えられて来た.三宅教授は,イ)困難症,ロ)再発症,ハ)後遺症とに分類した.その他biliary dyssynergia,biliary dyskinesia,biliary dis—abiljty,postcholecystectomy syndrome等の呼称があるが,後障碍の原因は多角的で,その臨床的分析は仲々むつかしい.臨床的には機能的なもの,器質的なもの,両者の並存したもの,凡てを含めてpostcholecystectomy syndrolne「胆剔後症候群」と呼ぶのが便利である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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